生きてるだけで丸儲けシリーズ 第7回
フラワーショー
タイヘイトリオと宮川左近ショーが、「浪曲ショー」そして、かしまし娘が、美人女性3名の「歌謡ショー」の先鞭をつけた。落語や浪曲のようにじっくり時間をかけて見聞きする芸より、すぐに笑えて浪花節や芝居のクライマックスだけをじっくり本格的に聞かせる。そんな芸が一世を風靡した。
ましてきれいな女性3人が華やかに出てくれば、一層舞台が映える。中に一人、不細工な女性もいてそれがギャグになったりする。その頂点にいたのが、フラワーショーだった。
中央の華ぼたんは、美人浪曲師。左に華ばらは、パンチパーマのおっさん風のギター師。そして右手には華ゆりが、テンポの遅い会話で笑わせる。女性ミスターオクレだ。ミスオクレか?
ぼたんは、浪曲師吉田天洋の実の娘で、6歳から舞台に立ち数々の経験を経てフラワーショーを立ち上げた。和服の似合う小柄な美人で、浪曲には珍しい透き通った良い声の人だった。ばらは、実は10歳ほどの年齢差だが、ぼたんの養女となっている。二人の関係はそれほど強い。念のためぼたんは結婚していた。ゆりは、初代京山幸枝若の娘。本来は歌手志望であったようで中々の美声であった。
いずれにしても一時のブームに乗ったコンビであった。その後、ジョウサンズやチャッキり娘など、次々に似た形式のコンビが誕生する。
テーマソングは、道頓堀行進曲の替え歌で、「よおこそー、皆あ様、ご機嫌よろしゅー!歌っあて、笑っあて、フラワーショーーー。どうぞーー、よろしくーーお願いーしーーまーーすーー。」
その後、弟子や一門が活躍したとは聞かない。