「生きてるだけで、丸儲け!」笑福亭松之助。
笑福亭松之助は、「明石家さんま」の師匠として有名だが、本当はさんま以上に人気者だった。
笑福亭松鶴の弟弟子の松之助は、若くから異色の落語家で、「ダイラケにスチャラカ社員」など、テレビの創成期から出演していた。ダイラケとは、中田ダイマル・ラケットという漫才コンビだ。やすきよの西川きよし・横山やすしなど、小僧の時代。笑いの王者であったコンビだ。勿論、エンタツ・アチャコ(横山エンタツ・花菱アチャコ)が先駆者なのだが、テレビ時代の幕開けには、ダイラケ・都蝶蝶に藤田まことが「てなもんや三度笠」で台頭して来た頃だ。その間、欠かせない役者としての松之助は特殊な存在感があった。後半生は、「テレビアラカルト」という大爆笑ネタで不動の地位を築き、最晩年は本格「上方落語」の重鎮であったその松之助に、特異な魅力を見出した杉本青年(明石家さんま)は、それも特別な才能である。さんまが、落語を捨てて「話芸タレント」とトップを続けているのは、明らかに松之助のDNAである。
冒頭の「生きてるだけで丸儲け」は、弟子のさんまにおくった言葉だ。
病気や大怪我すれば、出かけることさえ出来ない。ましてや死ねば何もない。実際、ケガて長期休養を余儀なくされた時には、出歩く事が目標だった。働くことになれば、地位や収入への執着心が出るし、人間関係にも悩む。ましてや敵を作りやすい人はドロドロ悩む。それもこれも健康で出歩く事が、出来てこそだ。「生きてることで丸儲け!」健康なら「大儲け。」働けるのは、「ぼろ儲け。」だ。
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