中野笑理子のブログ

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パクチー大丈夫です

2019年04月13日 | 日記
今日、約30年ぶりにパクチーを食べました。
パクチーを初めて食べたのは、まだ10代の学生の頃で、場所は神戸三宮の今はなき無国籍料理のお店でしたが、マイファーストパクチーはパクチー入りの揚げ物とスープでした。
揚げ物につけて食べて、と出された緑色のソースもパクチーソースで、人生初のダブルパクチーに文字通り涙を流して泣いたのでした。
その後出てきた熱いスープにもパクチーが入っており、二度泣きしたのでありました。
それ以来30年近く口にすることなく過ごしてきたパクチーでしたが、数年前からパクチー専門店が出来るほど人気がでてきて普通の居酒屋のメニューにまでも進出してきた、恐るべしパクチー。

今日も朝から本を出しては残すものと手放すものに仕分けしながら手放すものを紐で縛り、業者に引越しの見積りに来てもらい、家の退去届けの書類を取りに行き、戻ってまた荷造りと忙しなく動き、気がつくと外は真っ暗、お腹はペコペコ、しかしもう晩ごはんの買い物も用意も出来る気力が残っていませんでした。
そこで前を通る度に一度行きたいと思っていた家の近くの焼き鳥屋さんへ初めて行ったのですが、このお店が銘酒は揃っているわ、キンミヤ焼酎はあるわ、ポテトサラダも普通のと酒呑み用の2種類があるわで個人的に大当たりのお店だったのです。

出てきた突き出しのフキと湯葉の煮物をウマウマと食べながら目を上げると、メニューと別の本日のオススメが書かれた黒板に「ピータンチーズ豆腐」という品を発見しました。
注文すると、お店の人に「パクチーは大丈夫ですか?」と訊かれました。
パクチー抜きができるかどうか訊いてみると、できないという返事。
その理由が「パクチー抜きでは全く別の料理になってしまうので」という所に料理人の熱意とこだわりを感じ、思わず「パクチー大丈夫です」と言い切って注文してしまいました。

出てきた「ピータンチーズ豆腐」は、クリームチーズが練り込まれた豆腐の上にピータンと刻んだパクチーとともにごま油の効いた甘辛いタレのかかった一品で、恐る恐るパクチーとともに口に入れてみるとアラ不思議、前のように泣くほど強烈な風味はなく平気で喉を通りました。
自分の体の中にいつの間にかパクチーに対して耐性ができていたのか、それとも料理人の腕なのか、その後もひとくち、もうひとくちと、パクチー入りのピータンチーズ豆腐はスルスルとお腹の中へと収まって行ったのでありました。

家を出た頃はヘトヘトだった体も元気を取り戻し、ああ美味しかった、ご馳走様でした、と店を出ました。
ちなみに酒呑み用のポテトサラダは、普通のポテトサラダの中に刻んだいぶりがっこが入っていて、その上に酒盗がタラリとかかっており大変美味しい一品でした。

明日も元気に荷造りができそうです。
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