わくわく CINEMA PARADISE 映画評論家・高澤瑛一のシネマ・エッセイ

半世紀余りの映画体験をふまえて、映画の新作や名作について硬派のエッセイをお届けいたします。

追悼! ジェニファー・ジョーンズ

2009-12-19 18:45:04 | スターColumn

Img213_2 往年のアメリカの美人女優、ジェニファー・ジョーンズが、12月17日、ロサンゼルス郊外の自宅で死去、90歳でした。両親は舞台俳優で、のち映画興行に従事。子供のころから舞台に立ち、大学卒業後、アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートで学び、1939年に映画デビュー。大物プロデューサー、デビッド・O・セルズニック(「風と共に去りぬ」)に認められ、舞台をへて、43年「聖処女」で再デビューし、アカデミー主演女優賞を獲得。以後、セルズニックのプロダクションで話題作に出演。代表作に、「白昼の決闘」(46年)、「ジェニーの肖像」(48年)、「終着駅」(53年)、「慕情」(55年)、「武器よさらば」(57年)などがある。49年にセルズニックと二度目の結婚をし、65年に死別した。
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 その中で印象に残る作品は、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「終着駅」(写真・上)と、ヘンリー・キング監督「慕情」(写真・下)。前者では、ローマでイタリア人青年(モンゴメリー・クリフト)と恋におちるアメリカ夫人を演じ、香港を舞台にした後者では朝鮮戦争で命を落とすアメリカ人新聞記者(ウィリアム・ホールデン)と愛し合う中国系の女医に扮した。ともにメロドラマの秀作で、悲しい別れを象徴するラストシーンが記憶に残っています。セルズニックの死後はパッとせず、一時アルコール依存症になったというが、74年「タワーリング・インフェルノ」で復帰。いかにも大女優という態度は見せず、清楚で控えめな魅力で薄幸のヒロインを演じて、日本でも多くのファンに愛されました。Img214_2


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