ぼくが中国語会話の勉強を始めたのは、60歳を過ぎてからで、まさに「60の手習い」。5年半の間、塾に通い、やっと日本中国語検定協会の3級試験に合格。以後は、教科書で独学にはげんでいます。中国語を学ぼうと決心した動機は、好きな中国映画の監督や俳優と直接話せたらいいなあ、と思ったことから。特に、7年ほど前に北海道の“ゆうばり映画祭”で大ファンである台湾のホウ・シャオシエン(侯孝賢)監督にインタビューした際、通訳を介しての話が歯がゆく、映画祭から帰ってすぐ塾に通い始めたのです。その後、同監督とは会っていないし、中国語圏の映画人と直接対話するチャンスもないのが悔しい。まあ、チャンスがあっても「你好!」とか「謝謝!」ぐらいしか喋れる自信はないけど。
でも、新作の中国映画を見て、北京語のセリフなら少しはわかるようになったし、会話のニュアンスや、ドラマの背景も、以前よりは理解できるようになったと思う。これからは、何度か失敗している検定協会の2級試験突破をめざして、老いの身に鞭打って頑張るつもり。そして、いつか中国映画の仕事ができればいいな、というのが夢。こうしたチャレンジができるのも、映画が好きだからこそ。英語でも、フランス語でも、イタリア語でも、映画を突破口にして外国語の習得を目指すことができるのではないかな。