もし、あなたが外国で他人と入れ替わってしまったら? そして殺人犯に仕立てられたら? フランス映画「スウィッチ」(12月10日公開)は、そんな身近な恐怖を感じさせるサスペンス・スリラーです。一定期間の自宅交換“ホーム・エクスチェンジ”を題材にした作品で、監督はギャング映画「裏切りの闇で眠れ」のフレデリック・シェンデルフェール。彼とともに脚本を練り上げたのは、「クリムゾン・リバー」の原作者ジャン=クリストフ・グランジェ。シャープな映像と、スピーディーかつスリリングな展開に魅せられます。
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主人公は25歳のカナダ人女性ソフィ(カリーヌ・ヴァナッス)。彼女は夏のバカンスを過ごすため、ネットを通じてパリ在住のベネディクトという女性と自宅交換をすることになる。憧れのパリに着いたソフィは、その日のうちに優雅なバカンスを楽しみ、豪華なベネディクトのアパートで眠りにつく。だが翌朝、警官隊に踏み込まれ、殺人容疑者として逮捕される。アパートの別の寝室で頭部のない男性の変死体が発見され、凶器にはソフィの指紋が付着、ベネディクト名義のパスポートにも彼女の写真が貼られている。ソフィは、見知らぬ殺人鬼に住まいのみならず、身元まで“スウィッチ”されてしまったのだ…。
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ネットを通じて、見知らぬ相手と自宅交換…という流行りのサイトをネタにしたアイデアがいい。犯人は高度なハッキングを駆使する危険人物で、モントリオールのソフィの自宅に入り込む。その目的とは、一体何なのか? ヒロインを演じるカリーヌ・ヴァナッスは、カナダ出身のチャーミングな新進女優。ソフィが逃亡して、捜査陣の目をかいくぐり、無実を証明するため大アクションを繰り広げるくだりが見どころだ。彼女を追うパリ警察の殺人課警部を演じるエリック・カントナが、元マンチェスター・ユナイテッドの伝説的ストライカーというのも話題。そして最後に、アッとビックリの真相が暴露されます。