北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

黒松内中学校エコ改修

2007年10月24日 | 匠の知恵
北海道建築士会の後志管内の5つの支部(小樽・余市・古平・岩内・後志)のブロック会議が行われました。
今年は、我が後志支部が幹事となっての開催です。
会議に先立ち、管内の「黒松内町立中学校」のエコ改修の視察を行いました。



文部科学省と環境省の補助を活用したエコ改修で全国で10地域、北海道で最初の取り組みです。05年から事業が始まり、大学の教授や建築設計事務所、建設会社、役場や町民によるエコ改修の検討会が何度も開催され、中学校の環境調査(光・熱・風など)や自然エネルギーの活用、省エネ、快適な学習環境などの勉強会を繰り返し、生徒や先生、地域住民に対する環境教育プログラムの検討なども行われたようです。
実施設計は、検討会に参加したメンバーによるプロポーザルで決めたそうです。
今年の3月に校舎が完成し、現在は体育館と外構工事が行われています。



53年に建設された旧校舎の南北を残して中間部分の屋根や床を解体し、ガラス屋根を新たに設置して「光のみち」という廊下であり、ロビーであり、多目的ホールである空間を創り、明るく開放的な校舎が出来上がっています。
外断熱や樹脂サッシュ、床暖房など最先端の北方型の技術を採用しています。
建物内部は、ブナのフローリング以外は白で統一されており、自然の明かりと相まって更に明るく感じさせてくれています。



教頭先生の話では、生徒たちは環境に対する関心も然ることながら、明るくなったように感じられるそうです。そして、社会学習では、建設会社への訪問など建築に興味を持つ生徒が増えたとうれしい報告をしてくれました。
検討会での勉強は勿論ですが、目の前で設計や工事が行われ、完成した校舎での学校生活といった体験が身に付く貴重な経験ができたことと思います。
素晴らしいことです。

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