「ちょっとお尋ねしますが、ブランド豚の肉が美味しい理由は血統にあるのですか?それとも餌にあるのですか?ご教授ください。」
とコメント欄に質問を受け付けましたので、この件にお答えいたします。
と、本題に入る前に近代養豚の歴史を少し。
平成元年。日本に養豚農家の数は10万戸あるといわれておりました。
ちなみに、今現在は約6千戸です。
94%になったんじゃないですよ。94%減ったわけです。
でも考えてみてください。平成になってから国産豚肉が足りない!なんて大騒ぎになったことがあるでしょうか?
ありませんよね。実は戸数が減少した分、1戸あたりの飼養頭数がメチャクチャ増えてるんです。
つまり、豚の数自体はそんなに変わってなかったりします。
1戸あたりの飼養頭数が増えたということは効率をよくして、少ない利益率でも数の力で利益を得ようとするやり方。
薄利多売といっしょです。
以上のような形態で養豚をする場合にマッチングする豚というのは
「配合飼料(餌屋さんから買う飼料。もちろん海外産原料)のみを与え、産子数がとにかく多くて、一日でも早く大きくなる豚」
が理想となります。
お気づきですね。美味しい豚という観念はどこにもございません・・・
資金もないし、土地もないし、規模拡大なんかできるか~!!!
っていううちみたいな零細農場は、ブランド戦略しかないわけです。
さて、いよいよ本題です。
美味しい理由は血統にも餌にも両方関係あります。
私自身もそんなに詳しいわけではないのですが、黒豚を例にとってみなしょう。
日本で最も有名なブランド豚で、だれもが知ってる品種だと思います。
血統が良いので、白豚に比べて肉のきめ細やかさがすばらしいです。これに加えて脂質も良質ですので、もちろん食べて美味しい。
そんなに良い豚ならみんな飼えばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、最大の問題点は繁殖能力にあります。
平成22年度全国優良管理技術発表会で最優秀賞を受賞した鹿児島県で黒豚を飼育する黒木養豚さんの繁殖成績が日本農業新聞に載っていたので紹介しますと、
1腹当たりの哺乳開始頭数9頭。離乳頭数8.5頭とあります。黒豚でこの数字は素晴らしい!
え~、ちなみに、この数字を白豚と比較した場合、残念ながら平均以下となります・・・
次に餌です。先程もいいましたが、ほとんどの養豚農家さんは餌屋さんから購入した配合飼料を与えるだけ。
その配合飼料の主原料は最も安い穀物、トウモロコシです。
上の写真は「家畜飼育の基礎」という農学生さんが勉強する教科書に掲載されている表です。
よくご覧ください。
やわらかい脂肪をつくるの欄にトウモロコシが。
かたい脂肪をつくるの欄に麦類、いも類という記述があるでしょ。
餌が違えば、特に穀物源に小麦、大麦、いもなんかを使えばトウモロコシとは全く違う組成の脂質をもつ豚が育つわけです。
もちろん、麦類、いも類は高いですよ・・・
というわけで、最強のブランド豚を考える場合、黒豚のような繁殖能力には劣るが高品質の産肉能力を持つ品種の豚に、麦類、いも類をふんだんに与えれば鬼に金棒!ってことになります。
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また、三元豚(3種類の豚の掛け合わせ?)はブランド豚の部類に入るのでしょうか?
ご多忙の中、恐縮ですが、お時間がある際にご教授いただければ幸いです。
油は甘く癖もなく柔らかく質の高い牛肉みたいでした。
まさか豚肉で感動するとは思いませんでしたよ~
ちなみに、経営者は同級生です。
大阪のスーパーには売っているみたいです。
やっぱりすごいです(^○^)
犬鳴豚は大阪であればスーパーで販売されていますか??スーパー名を教えて下さい。(妹に空輸してもらいます)
食べてみたいです~~
まさか、札幌に売ってたりして?
泉州地域の直売所です!
妹が近くに住んでいますので、手に入ったら札幌まで送ってもらいます。
食べたら連絡します~~~。