昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

燃える金閣寺

2022-07-27 09:30:43 | 日記
葉を伝う雨だれが零れ落ちる寸前で透明な玉を結んで、のぞき込むボクに、本来ボクの眼に運ばれる筈であった対面の景色を湾曲させ上下逆さまにして、その小さな空間に閉じ込めてしまいました。これが「認識」であると考えます。

世界を変貌させるのは認識であると説く柏木。いや、行為であると反発する溝口。(金閣寺 三島由紀夫)
1つの事象に対し、愛憎併せ持つアンビバレントな感情は、執着という観点からは同じものかと。

金閣寺に放火し、共に焼死を図るも失敗。
高いところから木造建築物が灰燼に帰す様を、煙草をふかしながら眺めていた彼は、生きようと考えます。

例えば元首相の国葬を見て、懸念されている神格化とは真逆に、憑き物が落ちる方も中にはいらっしゃるのかもしれないと、ふと思います。