昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

静岡県藤枝市藤枝市南駿河台5-4-21  054-639-5711
コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

名月と物価高

2023-09-30 07:21:52 | 日記
ああそうだと思いつき、駐車場の薄を3本ばかり手折り、前日お土産に買ってきた厄除け団子を一竿、仏事用のお膳にのせて、狭い南側のバルコニーに俄作りの祭壇を設えました。中秋の名月。

昨今の物価高で苦しくなるばかりの生活を肴に、お月様と差し向えで一献しようかという試み。椅子とおちょこを持ってきます。

月天心貧しき町を通りけり 蕪村

下衆の家に雪の降りたる、また、月のさし入りたるもくちおしと枕草子でも僻まれた風情・・・全国的に晴れてお月見にはもってこいの筈だったんですが、何故か藤枝の空は厚い雲に覆われてまして。

そろそろ諦めようかと考え始めた頃、僅かに雲の切れ間から十五夜のお月さまが。ようこそ、いらっしゃい。

「あん?てめえ如きの生活苦で、月と貧困の美学に浸ってんじゃねえよ!一昨日きやがれ」と罵声が聴こえた気がして吃驚、ははーと平伏、恐縮の至り。お月様はすぐに雲間に隠れちゃいました。
・・・でも怖そうに見えて、わざわざ忠告に顔出してくるあたり、悪ぶってるけどいい人?なんだよね、きっと。

ちびちびやってたおちょこの酒を一気に飲み干し、部屋へと退散しました。

お参り

2023-09-29 08:19:44 | 日記
袋井愛野駅を過ぎ、エコパスタジアムを左に眺め有料駐車場に到着。清々しいまでに休業中のお店やさん群を抜け、参道からそこそこハードな階段を登り切れば、法多山尊永寺本堂。厄除け観音として有名な観世音菩薩にお参りします。

行き過ぎた円安が落ち着きますように

厄除開運の御利益の噂は、京にまで及んだそうですからなかなかの霊験。725年開創の由緒ある高野山真言宗の別格本山、にも拘らずカフェやらランチやらの直営も行い、敷地内でお化け屋敷もやっちゃう各種行事満載の開けたお寺でもあります。

「災難に逢うときは逢うがよろし」と言った良寛さんなど禅的な教えとは異なり、「厄災から避けさせたい」とするのも、共に苦しみからの救済方法。どこから見るかの違いに過ぎません。物理法則といった世の理と法律と所属している集団の慣習の違いみたいなもん・・・ちょっと違うか。

マクロしか見れない専門家、自分の置かれたミクロ的視野でしか測れないボクら一般人。対策手段が異なっても、どちらかが正しいわけではなく、またどちらも間違いじゃありません。どちらも見られる視野が大事ということだけで。

統計的相対化に過ぎないはずの数字が絶対的意味を持つようになってしまう現代社会。その結果に囚われすぎると、同時に作用する副反応を無視、或は軽視しがちです、特に専門外、自己生活外の場合。

結果、予測との完璧な整合はあり得ませんしタイムラグもある。また、セレンディピティ(想定外のラッキー)なんてのもあります。

フィラデルフィアのアップルストアなんかが若者に襲撃されてました。どこの国も同じかも。
茶屋の厄除け団子、お茶付き200円!美味しかったです。

ブドウとキツネ

2023-09-27 07:49:42 | 日記
用水路を流れる水の、その一瞬でも留める術をボクは持ちません。たとえ表層上の一部の情報であるにせよ、それができる写真をすごいと思います。

アングルに「線を引きなさい、たくさんの線を。そうすれば君は良い画家になるだろう」と言われた若きドガ。

馬、舞台裏のバレリーナ、そして何でもない日常の情景、例えばカフェの客(アプサント等)へと題材を変化させながら、ルネサンスの巨匠から浮世絵、最新技術であった写真まで取り込み、自らの道具としての加工に成功した尊敬する老画家の芸術家性を、親交の深い詩人、小説家であるポールヴァレリーは「ある姿態を決定する唯一の線への情熱」(ドガ・ダンス・デッサン)と表現しました。

アラベスクが決まる前の、練習中の定型化できない少女バレリーナの動作の一瞬(ダンスの楽屋1873コーコラン美術館)。唯一の線。

1905の今日、E=MC²を科学雑誌に発表した御仁の見つけた唯一の線は「光」でした。

天賦の才はもちろん、情熱、努力とも無縁で凡庸なボクには、「姿態を決定する唯一の線」を手に入れることは、永遠にないでしょう。
それもいいかもしれません。



公案 鐘声七条

2023-09-26 07:43:01 | 日記
午前6時の時鐘が聞こえます。
世界はこんなにも広大で、雲も風も自由自在。なのに雲水と呼ばれる僧は何故、判を押したように鐘が鳴れば袈裟を着るのか。

雲水と呼ばれるのは自由であるからです。そして自由とは、束縛があって初めて生じます。束縛がない状態が当たり前なら、そもそも自由などという言葉にする必要さえありません。鐘の音も袈裟も束縛。雲も水も風も、様々な他者的影響下にあって、自在にそれに対応していきます。
相互依存相互限定、即ち空。常に変化します。

体を自由とする雲や水。心を自由とする雲水・・・ですか。

己が自由、大局、客観であると思う見識さえ、主観というフィルター(そして時として言語化)無しには得ること放つこと共に叶わず、バイアス、偏見、揺らぎをたとえ微細でも必ず伴っており、決して核心を突くことはできぬという戒めであると、今日は受け取りました。

孤独は山になく街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の「間」にあるのである・・・
1945年の今日、獄中死した三木清の人生論ノートの断片を偶々目にして、ふと思いだした公案と、その今日の解です。

核兵器

2023-09-25 08:15:11 | 日記
エリートが経済で遊んでいるうちに、犯罪系闇バイトの増加やトー横キッズ問題など、貧困社会化への加速が感じられる昨今、個人への特定攻撃も決してSNSだけのせいじゃなく、国民の不平不満のはけ口として機能している感を強く感じます。ジャニーズ問題にしても某国の処理水いちゃもんからの水産品不買措置にしても、嫌がらせの側面もありますが、いつものマスコミ等を利用したスケープゴート作戦にしか思えず、標的にされた方の不憫を想います。

景気のせいですかね、何とかならんもんでしょうかと軽口をたたくと、「そんなもん、当事者にならないように戦争やらせて、勝敗が決まりそうになったらなんやかんやで勝馬に便乗しちゃやいいんだよ、今戦争やってる某国も得意だった戦術じゃん」と。

いやいや、周りが許さんでしょ、憲法もありますし。戦争に巻き込まれる可能性大ですよ。逆に侵略対象になりかねませんかね。
今だって充分侵略対称だよ、この国は。弱っちいもの。だからいつも言ってるでしょ「軍備拡大、核兵器保持!」

非核三原則と言いかけたところで、「形骸化した遺物が何になる!で、核の傘か?」。ウチや隣国は旦那にとって「盾」にしか過ぎない。自分を危険にさらして盾を守るバカがいるか?今こそ声高らかに「核兵器保有宣言」をし、実際に持つことがコスパ最強でこの国が生き残る唯一の方法だ!

上手く相手の土俵に誘導されちゃいました。

でも防衛コスパを言う宣言なら例えば、「我が国は昨今の生命にかかわるほどの異常気象への対応、CO2削減努力の為、危険性は重々承知の上原発を継続稼働させております。勿論、核兵器に転用可能というご指摘もそのとおりであり、事実技術も資材もございますし、国産H2型ロケットの90%を超える成功データ、新型の実験も積み重ねてございますから、やろうと思えばいつでも核兵器の製作使用は可能です」

「だがしかし!唯一の被爆国としてあの惨劇を、どの国においても絶対繰り返させ、体験させるわけには参りません!」
「出来るが敢えてやらない、我国の矜持を信じていただければ幸いです」

噓か誠かはわかりません。相手が勝手に推測するだけです。