ああそうだと思いつき、駐車場の薄を3本ばかり手折り、前日お土産に買ってきた厄除け団子を一竿、仏事用のお膳にのせて、狭い南側のバルコニーに俄作りの祭壇を設えました。中秋の名月。
昨今の物価高で苦しくなるばかりの生活を肴に、お月様と差し向えで一献しようかという試み。椅子とおちょこを持ってきます。
月天心貧しき町を通りけり 蕪村
下衆の家に雪の降りたる、また、月のさし入りたるもくちおしと枕草子でも僻まれた風情・・・全国的に晴れてお月見にはもってこいの筈だったんですが、何故か藤枝の空は厚い雲に覆われてまして。
そろそろ諦めようかと考え始めた頃、僅かに雲の切れ間から十五夜のお月さまが。ようこそ、いらっしゃい。
「あん?てめえ如きの生活苦で、月と貧困の美学に浸ってんじゃねえよ!一昨日きやがれ」と罵声が聴こえた気がして吃驚、ははーと平伏、恐縮の至り。お月様はすぐに雲間に隠れちゃいました。
・・・でも怖そうに見えて、わざわざ忠告に顔出してくるあたり、悪ぶってるけどいい人?なんだよね、きっと。
ちびちびやってたおちょこの酒を一気に飲み干し、部屋へと退散しました。
昨今の物価高で苦しくなるばかりの生活を肴に、お月様と差し向えで一献しようかという試み。椅子とおちょこを持ってきます。
月天心貧しき町を通りけり 蕪村
下衆の家に雪の降りたる、また、月のさし入りたるもくちおしと枕草子でも僻まれた風情・・・全国的に晴れてお月見にはもってこいの筈だったんですが、何故か藤枝の空は厚い雲に覆われてまして。
そろそろ諦めようかと考え始めた頃、僅かに雲の切れ間から十五夜のお月さまが。ようこそ、いらっしゃい。
「あん?てめえ如きの生活苦で、月と貧困の美学に浸ってんじゃねえよ!一昨日きやがれ」と罵声が聴こえた気がして吃驚、ははーと平伏、恐縮の至り。お月様はすぐに雲間に隠れちゃいました。
・・・でも怖そうに見えて、わざわざ忠告に顔出してくるあたり、悪ぶってるけどいい人?なんだよね、きっと。
ちびちびやってたおちょこの酒を一気に飲み干し、部屋へと退散しました。