牝馬ＧⅠ

　来春、２００６年ＮＨＫマイルの翌週、５月１４日の東京メインとして、牝馬限定マイルＧⅠ　ビクトリアカップ（マイル）が創設される旨、競馬会から発表があった。

　なるほど。このような番組上の大きな出来事、言うまでもなく、発表にこぎつける１，２年も前から検討、熟慮が払われ、時期、性格付け、レース初期史、サークル全体と各路線のレースへの影響、などクリアになった時点での発表となるわけで、そこは根回しお役所体質、要はこのようなレースの必然化を決定付けるものとしてのラインクラフトの春シーズンの活躍だったのだ。また３歳牝馬でありながら、この馬とシーザリオという２頭の稀有なチャンピオンホースを誕生させ、両雄いや両雌あい並び立つ、最強馬の分離並立の構図を意図して行ったこと、合点が行くのである。これにて、古馬牝馬限定のＧⅠの双璧たる秋のエリザベス女王杯、今年はマイル系統の馬が人気で敗れ、来春を予感させる演出であることも察しておいてよいだろう。
　ナリタブライアンの新装高松宮記念出走４着、これは如何な最強のチャンピオンホースといえど、番組距離体系の分離整備という競馬会側の意図を主張し、宣明する仕掛けだったものである。

　第１回のＧⅠ、フェブラリーＳ　は大豪岡部のシンコウウインディ　ＮＨＫマイルは次代のジョッキー総元締め　柴田善臣のタイキフォーチュン　ジャパンカップダートも問答無用のダートチャンピオン岡部のウイングアロー　が勝った。
　このレースが、なるほどと唸らせる距離体系上の相応しいチャンピオンホースを迎え、女王杯や宮記念ではこうはいくまいという、マイル戦のコクのあるレース展開を見せ、ことに寄れば安田記念を伺い（ＮＨＫマイル創設の歳は、このレースの勝ち馬ともう１つの創設ＧⅠ秋華賞の勝ち馬が組んだ枠がＪＣで２着した）、十二分の実績馬か後々実績を築く馬のものとなり、手綱は記念すべき１回目に恥じぬ立て役者が既に用意されていること、それに向けた秋の牝馬戦線と女王杯であることを、銘記しよう。

今晩は

　他愛も無いお話で恐縮である。この記事は馬券にならないよ。

　先だって、聖徳太子　厩戸皇子が日本の競馬の正統性、文化的源泉の一脈たることを記した。言うまでも無く、太子の治績のほぼ全てを実際に行っていたのは、これもまた厩の住人と呼んで差し支えない　蘇我'''馬子'''　なのである。

　私、いや私たちは、２５日、即ちディープ圧勝の夜、中央競馬屈指のジョッキー　後藤浩輝　と遭ったのである。本人及び広い意味でその関係者が読んでおられないことを期待するが、意外な時と場所、後藤君は居た。詳細は控えるが、実にご存知のようにこの日、後藤君は、ディープの裏、千葉県は船橋市の中山競馬場のメイン　オールカマー　を勝ち、その同じ夜、私たちと同じ都内某所に某時刻、一仕事後の寛ぎと憩いを私たちと同じ場に求めたものである。これには、ウイットネス（目撃証人）もいる。私は彼の間近、傍らに寄って「後藤君・・」と声をかけた。人気ジョッキーであり、その宵彼のお陰で美酒も苦酒もあった人々数多のメガロポリス東京都心のこと、彼の傍らに女性の連れが在ったことを書き添えても憚るまい。

　仕事後の後藤君である。ひとときの息抜き、また勝つ予定のレースを勝つという、修羅の勝負事の決着の後でなく、予定通りの騎乗後、のしかかるプレッシャーを一脱ぎし、全く嬉しそうではなかった。「今日はおめでとう！」と語りかけたなら、彼、どんな顔をしたかな。

　それよりも私には、別の一競馬ファンとしての、また一市井人としての興味が湧く。彼、船橋から○○までどうやって来たのかな。電車、タクシー、または関係車両、個人の車？ ジョッキーは芸能人同様、柴田政人と名乗って本名は柴田政人ではない。世界柔道のとき、内柴正人が出たとき、今週メインは柴田政人の甥ヨシトミだなと思いその通り勝ったが、（同じく、選挙のときは、刺客騒動これほどのフルメンバー、世界柔道金メダルも考えればメインはゴールデンキャストだと見抜いた如し　ホリエモンの１着もわし指摘通りだったであろうが）、後藤君、圧勝取り組み後の力士ほども、安堵や充足の寛ぎは見受けなかったな。ま、言わざる弛まずのプレッシャー大きい仕事だしな。身内といえど、「今度の安田は、僕のアドマイヤコジーン、絶対買って！」　とも言えない立場。

　以上、全て事実だよ。わしがＪＲＡ関係者で、後藤君を何らかの示唆で強調しているわけではない。
　本人の為に一言。いい男だったよ。テレビ映りそのまま。