
以前、デイブ・パイクの「Pike's Peak」を話題にしたとき、アルバム・トップの曲「Why Not」は、コルトレーンの「Impressions」と同じ曲だということに触れた。作曲者はパイクだ。そして、ロッキー・ボイドがジャズタイム・レーベルに残した唯一のリーダー・アルバム「Ease It」に収録されている「Why Not ?」も同じ曲で、こちらはこのセッションに参加しているピート・ラ・ロカが作曲者としてクレジットされている。
タイトルも作者もまちまちだが、元を辿っていくとモートン・グールドが1935年に発表したシンフォネット第2番「Pavanne」のメロディに行きつく。録音年で追ってみるとパイクは1961年11月、ボイドは同年3月、そしてコルトレーンが演奏した最初の記録はニューポートに出演した同年7月だ。ボイドが一番早い録音になるが、調べてみるとアーマッド・ジャマルが1955年に原タイトルで録音している。更にヴァイブ奏者のエイドリアン・ロリーニが、1939年に録音した記録がある。こちらの音源はLP化されていないので聴けないが、おそらく原曲に近いものだろう。
こうして並べてみるとやはり「Impressions」のタイトルのコルトレーンがその演奏内容からいって最も影響力が強く、カヴァーも多い。珍しいところではジェラルド・アルブライトが、1991年にバードランド・ウェストのライブで取り上げている。アルブライトといえばスムース・ジャズの頂点に立つサックス奏者で、4ビートファンからは敬遠されるが、このステージはそんな拒否派も納得させるものだ。この曲ではアルトを吹いているが、1961年11月3日にヴィレッジ・ヴァンガードでこの曲を吹いたコルトレーンを彷彿させる激しく熱い内容で、スムース・ジャズという括りで見逃すには勿体ない。
「Impressions」は、コルトレーンがマイルスの「So What」と同じモードを使って作曲したと言われている。マイルスが気に入っていたピアニストといえばジャマルだ。パイクのセッションに参加しているビル・エヴァンスは、「So What」で弾いている。「Ease It」のベーシストは、60年代初頭からマイルス・バンドに加わるロン・カーターだ。1961年に録音された3曲のつながりは解明できなかったが、回り回って名曲は生まれるのかもしれない。
タイトルも作者もまちまちだが、元を辿っていくとモートン・グールドが1935年に発表したシンフォネット第2番「Pavanne」のメロディに行きつく。録音年で追ってみるとパイクは1961年11月、ボイドは同年3月、そしてコルトレーンが演奏した最初の記録はニューポートに出演した同年7月だ。ボイドが一番早い録音になるが、調べてみるとアーマッド・ジャマルが1955年に原タイトルで録音している。更にヴァイブ奏者のエイドリアン・ロリーニが、1939年に録音した記録がある。こちらの音源はLP化されていないので聴けないが、おそらく原曲に近いものだろう。
こうして並べてみるとやはり「Impressions」のタイトルのコルトレーンがその演奏内容からいって最も影響力が強く、カヴァーも多い。珍しいところではジェラルド・アルブライトが、1991年にバードランド・ウェストのライブで取り上げている。アルブライトといえばスムース・ジャズの頂点に立つサックス奏者で、4ビートファンからは敬遠されるが、このステージはそんな拒否派も納得させるものだ。この曲ではアルトを吹いているが、1961年11月3日にヴィレッジ・ヴァンガードでこの曲を吹いたコルトレーンを彷彿させる激しく熱い内容で、スムース・ジャズという括りで見逃すには勿体ない。
「Impressions」は、コルトレーンがマイルスの「So What」と同じモードを使って作曲したと言われている。マイルスが気に入っていたピアニストといえばジャマルだ。パイクのセッションに参加しているビル・エヴァンスは、「So What」で弾いている。「Ease It」のベーシストは、60年代初頭からマイルス・バンドに加わるロン・カーターだ。1961年に録音された3曲のつながりは解明できなかったが、回り回って名曲は生まれるのかもしれない。
同じ時期に作者もタイトルも違う形で録音された「Why Not」と「Impressions」の謎は解けませんでしたが、「Impressions」はジャズ・スタンダードとしてこれからも演奏されることでしょう。今週はこの曲のお気に入りをお寄せください。
管理人 Impressions Best 3
John Coltrane / Impressions (Impulse)
Wynton Kelly & Wes Montgomery / Smokin' At The Half Note Vol. 2 (Verve)
McCoy Tyner / Trident (Milestone)
コルトレーンは何度も録音しております。他にもスタンリー・タレンタインをはじめスティーブ・グロスマン、パット・マルティーノ、シダー・ウォルトン、ローランド・ハナ等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Wes Montgomery - Impressions (1965)
https://www.youtube.com/watch?v=dQi48T4YWh4
ピアノは誰?ハロルド名盤か?
こんちは! 近くの梅が満開です。そして間もなく桜の開花・・・団地の桜!通勤路沿いの桜!電車線路沿いの桜!が楽しめる好い季節になります!
厳選結果・・・・と云うのは嘘! お題の「Impressions」の手持ち盤は2枚。 苦し紛れのアップ!
*Ike Isaacs At The Pied Piper (GMP)
・A級一流とは云えないアイク・アイザック!ジャック・ウイルソン!ジミー・スミス!のお三人。ですがライブ盤のこいつはA級!お題曲をスウィンギーに演って居ります。Pfトリオの好盤だと思いますが。
以上 厳選結果で御座います!
*Stanley Turrentine/ Suger (CTI)
・手持ちのもう一枚。 S・タレンタインの図太いテナーが聴けて好い盤なんでしょうが。ジャケ始め何か抵抗感有り・・年寄りのひがみか?
*謝謝
・dukeさん推薦”Smokin' At The Half Note Vol. 2” はmust buy候補に。 そしてご紹介の”youtube ウエス ”好いですねぇ!
インプレッションズはコルトレーンしかない・・
持ってない、聴いてない、だけでしょうが・・
Live On Mount Menu/historic performances
ドルフィーのアルトソロが良いです(贔屓だからですがぁ)
トレーンのソロとの空気感の違いが、見事にでてるように思います。 いつも思うのですが、トレーンはワンホーンでないほうがよかったんじゃないかと・・
Live In Paris/BYG
前半のマッコイのソロが凄いですね、後半コルトレーンが出てくるともっと凄いですが(笑)
エルビンはもう筋肉痛でしょうね!
Impressions (Impulse)
まーこれが本命でしょうけど!
いやー久しぶりにコルトレーン、連発しました(笑)
疲れました。
So What と同じだと感じてました。
いつも季節の移ろいをありがとうございます。こちらの桜はかなり先ですが、脇道の雪も融け出し、少しですが春を感じます。
アイク・アイザックスがありましたね。アイクのリーダー作といえばこれ1枚ですが、ジャケも素敵ですし、印象深い作品です。ジャック・ウイルソンもいいですね。ブライアントのイカリング(DAY BY DAYではジャズ研の流れでこう呼びます)が聴きたきなりました。
そしてスタンリー・タレンタインはレーベルとジャケで一歩引きますが、なかなかの好演です。この選曲は意味があると思います。
ウエスのハーフノートは文句なしです。
ストックホルムの私家録音、パリ、そしてヴィレッジ・ヴァンガードと前衛に突き進むコルトレーンが並びましたね。コルトレーン連発、ご苦労様でした。これを続けて聴けるのは若い証拠です。私も若いころは通して聴く体力がありましたが、今は途中で音を上げます。「おと」ではないですよ(笑)
>トレーンはワンホーンでないほうがよかったんじゃないかと・・
ドルフィーの存在は大きいですね。この邂逅がなければジャズ史は変わっていたかもしれません。
明日は札幌ドームでオープン戦がありますので観戦に行きます。18日は「DAY BY DAY」のオープンマイクです。野球とジャズの日々がやってまいりました。
3月7日、8日と仙台に行ってきました。その際にジャズ喫茶Countに寄りましたが、ちょうど、ローランド・ハナの「Impressions」がかかりました。そうしたら、dukeさんがこの曲を取り上げたので、偶然ですが、ちょっと驚きました。これは、力強くプレイしていただきたい曲なので、
①John Coltrane / Impressions (Impulse)
②McCoy Tyner / Trident (Milestone)
③Pat Martino / Consciousness (Muse)
①は別格です。②ですが、マッコイのマイルストーン時代は、結構僕は好きです。エネルギッシュで、突き進んでいます。ギターでは、③を挙げます。超絶技巧で、速射砲のようなフレーズの連続にあきれましたが、まとまりもあっていい演奏のように思います。
他には、ジャック・ウィルソン(p)が得意としているようで、Vault盤でも演奏していました。ローランド・ハナのアルバムは、現在手配中です。
今夜は札幌ドームのオープン戦を観戦してきました。今年のオープン戦順位11位と12位らしい情けない試合でした。
この曲はタイムリーだったようですね。ローランド・ハナの「Impressions」は、メイジャー・ホリーにアラン・ドウソンという手堅いメンバーですので一層力強いハナが聴けます。この曲はB面頭に収められておりますので、ジャズ喫茶Countのマスターはこのレコードの楽しみ方を知っていたのでしょう。
トップにコルトレーン、そして私も挙げたマッコイがきましたか。私もコルトレーンの呪縛から解放されたマイルストーン時代は好きです。生で何度か聴いていることもあり親しみがあります。
そしてギターからはマルティーノが挙がりましたか。早弾きに圧倒されますね。エレピがちょっとうるさく感じますが、全体としてはまとまった内容です。このジャケットを見て気付いたのですが、マルティーノの指は長いですね。ピッチャーならいい変化球を投げられるかもしれません(笑)
ジャック・ウィルソンは、Ramblin'ですね。綺麗な演奏です。
ローランド・ハナのアルバムはCD化されているようです。
Impressions Best 3
John Coltrane / Impressions (Impulse)
McCoy Tyner / Trident (Milestone)
Ike Isaacs / At The Pied Piper (GMP)
当然ですが本家のコルトレーンが一番人気です。多くの録音がありますが、アルバムタイトルにしたヴィレッジ・ヴァンガードが圧倒的迫力です。
他にもウィントン・ケリーとウエス、スタンリー・タレンタイン、パット・マルティーノ等の名演も挙がりました。
今宵はお気に入りの「インプレッションズ」をお楽しみください。