
「The Best Things In Life Are Free」という曲がある。デシルヴァ、ブラウン&ヘンダーソンのソングライターチームが、1927年のミュージカル「Good News」のために書いた曲だ。ビング・クロスビーやジョー・スタッフォードの名唱よりも、ハンク・モブレイの「Workout」や、ソニー・スティットの「With The New Yorkers」というジャズ喫茶人気盤でハードバップ・ナンバーとしての印象が強い。
このタイトルだが、歌詞を味わうこともなくインスト曲として聴いていたせいか、「自由ほど素敵なものはない」という意味だと思っていた。恥ずかしながら、これはアメリカの格言で、「人生の中で一番素晴らしいものにお金は不要」ということだと最近知った。この「Free」は自由ではなく、無料というわけだ。金銭至上の考えを戒める格言らしい。「地獄の沙汰も金次第」、「先立つものは金」、「金で面を張る」、「金が言わせる旦那」、「阿弥陀も銭で光る」、「千金は死せず百金は刑せられず」等、金を優先することわざが多い日本とは考え方が違うようだ。
ややノスタルジックなメロディのせいか最近は取り上げられないが、比較的新しいところでベニー・ウォレスが1993年録音の「The Talk Of The Town」でこの曲をトップに持ってきている。白人のテナーマンだが、音は黒くてフレーズも太い。無伴奏ソロで始まるのだが、ロリンズのような起伏のあるフレーズでグイグイ押してくる。バックはジェリー・ハーンのギターにベースのビル・ハンティントン、アルヴィン・クイーンのドラムというトリオで、ニューロック色の強いギターを入れることで曲を新しくしている。映画音楽を手掛けているウォレスならではのカラフル・サウンドだ。
タイトルの意味を間違って覚えたのは中学生のころと思う。ビートルズのナンバーに「Money」がある。オリジナルはR&Bシンガーのバレット・ストロングだが、ビートルズのほうが馴染み深い。この曲の歌い出しが「The best things in life are free」で、60年代の音楽雑誌に「人生で最高なのは、なんといっても自由」という訳が紹介されていた。50年間この誤訳を信じていたのだから、どこかで恥をかいていたに違いない。
このタイトルだが、歌詞を味わうこともなくインスト曲として聴いていたせいか、「自由ほど素敵なものはない」という意味だと思っていた。恥ずかしながら、これはアメリカの格言で、「人生の中で一番素晴らしいものにお金は不要」ということだと最近知った。この「Free」は自由ではなく、無料というわけだ。金銭至上の考えを戒める格言らしい。「地獄の沙汰も金次第」、「先立つものは金」、「金で面を張る」、「金が言わせる旦那」、「阿弥陀も銭で光る」、「千金は死せず百金は刑せられず」等、金を優先することわざが多い日本とは考え方が違うようだ。
ややノスタルジックなメロディのせいか最近は取り上げられないが、比較的新しいところでベニー・ウォレスが1993年録音の「The Talk Of The Town」でこの曲をトップに持ってきている。白人のテナーマンだが、音は黒くてフレーズも太い。無伴奏ソロで始まるのだが、ロリンズのような起伏のあるフレーズでグイグイ押してくる。バックはジェリー・ハーンのギターにベースのビル・ハンティントン、アルヴィン・クイーンのドラムというトリオで、ニューロック色の強いギターを入れることで曲を新しくしている。映画音楽を手掛けているウォレスならではのカラフル・サウンドだ。
タイトルの意味を間違って覚えたのは中学生のころと思う。ビートルズのナンバーに「Money」がある。オリジナルはR&Bシンガーのバレット・ストロングだが、ビートルズのほうが馴染み深い。この曲の歌い出しが「The best things in life are free」で、60年代の音楽雑誌に「人生で最高なのは、なんといっても自由」という訳が紹介されていた。50年間この誤訳を信じていたのだから、どこかで恥をかいていたに違いない。
「ザ・ベスト・シングス・イン・ライフ・アー・フリー」は歌物ですが、ハードバップ期に多くの名演があります。今週はこの曲のお気に入りをインストでお寄せください。
管理人 The Best Things In Life Are Free Best 3
Hank Mobley / Workout (Blue Note)
Sonny Stitt / With The New Yorkers (Royal Roost)
Roland Hanna / Easy To Love (Atco)
他にもルー・ドナルドソンをはじめブルー・ミッチェル、バルネ・ウィラン、 レッド・ガーランド、エロール・ガーナー、ジーン・ハリス等々、多くの名演があります。
Melbourne Ska Orchestra - The Best Things In Life Are Free
https://www.youtube.com/watch?v=xUVvBF9BWdg
歌詞通りの内容です。楽しいのが一番。
ハンク・モブレーが真っ先に頭に浮かびました。ミディアム乃至ミディアムファーストというのでしょうか、このへんのテンポでスタンダードを演奏するモブレイには、聴き惚れます。ルー・ドナルドソンが続きます。
①Hank Mobley / Workout (Blue Note)
②Lou Donaldson / Quartet Quintet Sextet (Blue Note)
③Sonny Stitt / With The New Yorkers (Royal Roost)
②は、ルー・ドナルドソンにしました。得意曲なのか、後年の「Fine and Dandy」(Lob)にも収録しています。ブルーノート初期のルーはバッパーらしくて好きです。③は順当にスティットで。
他に挙がってないものでは、僕の愛聴盤のパット・モランの「The Pat Moran Quartet」(Bethlehem)中のものもありましたが、これは歌を聴くべきアルバムですね。
やはりハンク・モブレーがトップにきましたか。おっしゃるようにこのテンポでいい味を出します。ミディアムでドライブするといえばズート・シムズがおりますが、モブレーはやや速いテンポでうまく乗せますね。
そしてルー・ドナルドソンが挙がりましたね。初期の演奏ですが、音色は艶がありますし、フレーズもかなりモダンです。ジャケットが素晴らしいですね。音が聴こえてきそうです。
スティットはモブレーと迷った1枚です。私的にはどちらがトップでもかまいません。立て板に水のスティットは気持ちいい。
パット・モランはビヴァリー・ケリーが入ったアルバムですね。トリオものもまずまずです。
慣れるまで違和感があるかもしれませんが、引き続きご愛読いただければ幸いです。
今回は珍しく、デュークさんが挙げられたベスト3の内の二つ、1と3を持ってました。確かにノスタルディックなメロディですね。スティットやルー・ドナルド、ブルーやレッドがやったらどうなったのか聴いてみたいです。
しかし、「人生の中で一番素晴らしいものにお金は不要」、とは?人生には金も時間も愛も酒も音楽も、人それぞれですが色々と必要ですね
「Soultrane」「 Waltz For Debby」は難しい御題で予選落ちでした。 今週お題「Best Things In Life Are Free 」は何とか予選通過、参加致します。
*東の横綱盤:Hank Mobley / Workout (Blue Note)
・ジャズはこうじゃなきゃ!まさしく横綱盤。
*西の横綱盤:Charlie Shavers /Complete Recordings, Vol. 3(Lone Hill Jazz)
・1960年録音、R・ブライアントをバックに、これ以上無い程のテンポで。好いねぇ・・・!こいつも横綱盤に。
*張出し横綱盤:Roland Hanna / Easy To Love (Atco)
・愛聴盤です。
*G・ハリス盤は中々の三役盤。R・ガーランド、P・モラン盤も好い感じ。
閑題休話 : B・クロウ本(ジャズ・アクネドーツ)の中の紹介。
Freeの後にJazzを綴るとFreeJazz。
≪私はフリーなんかやらない。確かに出演料は安いかもしれない。 でもフリー(無料)じゃない≫
D・ゴードンが冗談で≪:R・スコットの演奏はフリーみたい≫とコメントに対し、R・スコットはこうお返ししています。
日本盤の「Easy to love」の解説文では、「自由が一番」になっておりましたか。所有は米盤ですので知りませんでした。ライナー担当者も格言や歌詞を知らないとこの誤訳になるようです。
まだお聴きでないものでは私が挙げたスティットがお薦めです。このアルバムでは全曲アルトを吹いております。ワンホーンですので、制約のない奔放なアドリブが聴けます。ルー・ドナルドソンはブルー・ミッチェルが参加したセッションですが、先発のソロはルーですので、スティットと聴き比べも面白いでしょう。
ブルー・ミッチェルのリーダー作は、オーケストラをバックに朗々と吹いております。
レッド・ガーランドは、1977年のキーストン・コーナーのライブ盤です。リロイ・ビネガーとフィリー・ジョーという珍しい編成です。ガーランドはいつも通り快調です。
「人生の中で一番素晴らしいものにお金は不要」という考え方はアメリカ的な価値観かもしれません。
東の横綱盤にモブレーがきましたね。これは文句なし。どこぞの横綱のように審判部を批判してもこれはトップ決定です。それしても審判部批判とは・・・モブレーが審判なら「無礼」と言ったでしょう。
西の横綱盤のチャーリー・シェイバーズは持っておりませんが、試聴したところアップテンポですね。探してみましょう。
ローランド・ハナはジャケ買いの対象アルバムのようですが、中身は濃いですね。ピアノ物ではベストです。
ゴードンとスコットのやり取りは面白いですね。
閑題休話 : フリーといえば、先週馴染みのジャズバーに行ったとき、コールマンの「Free Jazz」がかかっていたので、マスターとフリージャズのベストレコードの話になりました。私が挙げたのは、バーデン・バーデン・フリー・ジャズ・オーケストラの「Gittin' To Know Y'All」です。
The Best Things In Life Are Free Best 3
Hank Mobley / Workout (Blue Note)
Roland Hanna / Easy To Love (Atco)
Lou Donaldson / Quartet Quintet Sextet (Blue Note)
多くの投票はいただけませんでしたが、ハンク・モブレーが一番人気でした。2位以下は好みで割れるようです。他にもソニー・スティットやチャーリー・シェイバーズが挙がりました。どれも個性豊かな演奏ばかりです。
今宵はザ・ベスト・シングス・イン・ライフ・アー・フリーのベストをお楽しみください。