ジャズ誌でエロティックなジャケットを特集するとき必ず登場するレコードを、ここ数回話題にしてきた。インストばかりだったので、ここらでヴォーカルといこう。シンガーとなると声やテクニックは勿論のこと、容姿も重要視されるだけにジャケットも色気を前面を押し出したものが多い。数枚並べるだけで雑誌をめくりながら今宵はどのプレイメイトと過ごそうか、と妄想逞しくした若いころを思い出す。
ホット・リップス・ペイジのヒット曲に「The Lady In Bed」というそのものズバリのタイトルがあったが、こちらは「The Lady In Red」だ。まだ国内盤が出ていないころ、レコード店で初めて見たときはアビ・レーンを知らなかったので、艶めかしい写真はモデルで喘ぎ声入りのムードミュージックにみえた。裏ジャケットを見ると背中が大きく開いたドレスを着た彼女が髪をかき上げながらこちらを振り返っている。すれ違いざまに思わず振り返るという最高のシチュエーションだ。「Abbe Lane With Sid Ramin's Orchestra」というクレジットでシンガーと分かったが、それにしても魅力的なグラマーである。
「Ain't Misbehavin'」に「You're Driving Me Crazy」、「All of Me」、「It's Been a Long, Long Time」とスタンダードが並ぶ。全体にまったりとしたバラードで耳元でささやくような歌唱はこのテンポがいい。なかでもコール・ポーターの「I Get a Kick out of You」はメリハリもありドラマチックな仕上がりだ。歌詞に「cocaine」が出てくる曲として有名だが、ここでは「perfume from Spain」に変えて歌っている。スペインには王室御用達の伝統あるブランドがあるそうだが、なるほどこの女性ならそんな香水より刺激的だ。「Get a Kick out of」は、「快感を得る」という意味だが、この美しい脚で文字道り「Kick」されたいと願うのは小生だけだろうか。
アビ・レーンはルンバの王様ザビア・クガート夫人だ。正確に言うと5回の結婚歴があるクガートなので、「だった」が正しい。バンド・リーダーがシンガーを口説くのが当たり前の時代だった。美人でグラマー、歌も上手い、テレビにも引っ張りだこという人気者、これだけで十分なのだが、何と語学も堪能でその母国語で歌うそうだ。クガートと演奏旅行で各国回るうち覚えたというから大したものである。才色兼備とはアビ・レーンをいうのだろう。
ホット・リップス・ペイジのヒット曲に「The Lady In Bed」というそのものズバリのタイトルがあったが、こちらは「The Lady In Red」だ。まだ国内盤が出ていないころ、レコード店で初めて見たときはアビ・レーンを知らなかったので、艶めかしい写真はモデルで喘ぎ声入りのムードミュージックにみえた。裏ジャケットを見ると背中が大きく開いたドレスを着た彼女が髪をかき上げながらこちらを振り返っている。すれ違いざまに思わず振り返るという最高のシチュエーションだ。「Abbe Lane With Sid Ramin's Orchestra」というクレジットでシンガーと分かったが、それにしても魅力的なグラマーである。
「Ain't Misbehavin'」に「You're Driving Me Crazy」、「All of Me」、「It's Been a Long, Long Time」とスタンダードが並ぶ。全体にまったりとしたバラードで耳元でささやくような歌唱はこのテンポがいい。なかでもコール・ポーターの「I Get a Kick out of You」はメリハリもありドラマチックな仕上がりだ。歌詞に「cocaine」が出てくる曲として有名だが、ここでは「perfume from Spain」に変えて歌っている。スペインには王室御用達の伝統あるブランドがあるそうだが、なるほどこの女性ならそんな香水より刺激的だ。「Get a Kick out of」は、「快感を得る」という意味だが、この美しい脚で文字道り「Kick」されたいと願うのは小生だけだろうか。
アビ・レーンはルンバの王様ザビア・クガート夫人だ。正確に言うと5回の結婚歴があるクガートなので、「だった」が正しい。バンド・リーダーがシンガーを口説くのが当たり前の時代だった。美人でグラマー、歌も上手い、テレビにも引っ張りだこという人気者、これだけで十分なのだが、何と語学も堪能でその母国語で歌うそうだ。クガートと演奏旅行で各国回るうち覚えたというから大したものである。才色兼備とはアビ・レーンをいうのだろう。