若い頃、ひとときパチンコ店通いをしていた。数字なり絵柄なりが揃うと一気に大量の出玉を期待できるデジパチと呼ばれる台で、特定の図柄が並ぶといわゆる確立変動がつき射幸心を煽る機種だ。学生のころ遊んだ手打ちの台とは違い、きれいな液晶画面があらゆるキャラクターを映し出し見た目にも楽しい。ハイテクを駆使した台は、大当たり時には音楽も流れる仕掛けで、小生が遊んだ機種が大当たりすると・・・
何と「テイク・ファイブ」が流れた。おそらく日本では最も有名なジャズの曲で、テレビCMにも使われたり、フィギュアスケート選手の村主章枝がショートプログラムで使用したこともあるので氷上から優雅な舞とともに耳にした方もあろう。デイヴ・ブルーベックの初演である「タイム・アウト」が59年に発表された当時、作曲者のポール・デスモンドに憧れ、アルトのみならずサックスを手にした人なら一度は吹いた曲である。ジャズファンでなくても知っているうっとりする美しいメロディなのだが、あまりにも有名な曲のせいか最近は正面切ってレコーディングに臨むプレイヤーはいない。誰にでも演奏できる曲の難しさである。
果敢にこの甘いメロディに挑んだのは、ハクエイ・キム、杉本智和 、大槻“KALTA”英宣からなる新星ピアノトリオ「Trisonique」で、斬新なアレンジはとても半世紀も前に書かれた曲とは思えないほどの輝きを放つ。キムのピアノは昨年横浜で、「urb」や菊地成孔のバンドで活躍したトランペッター、類家心平とのデュオという形で生で接することができ、やや荒削りとはいえダイナミックなアプローチと繊細なタッチは、次世代の日本ジャズ界を賑わすであろう活力に漲っていた。休憩時間に少しばかり話す機会に恵まれたが、気さくで素直な人柄がそのままスタイルに反映されているのだろう。
もう何年もパチンコ店に行ったことはないが、次から次へと出る新機種は毎日のように入ってくる新聞の折り込みチラシで目にする。ひと昔前に遊んだ機種などあるわけはないが、「テイク・ファイブ」とともにジャラジャラと玉で出た機種名は「サクセス・ストーリー」という。今最も注目されるピアニスト、ハクエイ・キム、そしてパウエルの動やエバンスの静とも一味違う和のトリオ「Trisonique」のサクセス・ストーリーを見てみたい。
敬称略
何と「テイク・ファイブ」が流れた。おそらく日本では最も有名なジャズの曲で、テレビCMにも使われたり、フィギュアスケート選手の村主章枝がショートプログラムで使用したこともあるので氷上から優雅な舞とともに耳にした方もあろう。デイヴ・ブルーベックの初演である「タイム・アウト」が59年に発表された当時、作曲者のポール・デスモンドに憧れ、アルトのみならずサックスを手にした人なら一度は吹いた曲である。ジャズファンでなくても知っているうっとりする美しいメロディなのだが、あまりにも有名な曲のせいか最近は正面切ってレコーディングに臨むプレイヤーはいない。誰にでも演奏できる曲の難しさである。
果敢にこの甘いメロディに挑んだのは、ハクエイ・キム、杉本智和 、大槻“KALTA”英宣からなる新星ピアノトリオ「Trisonique」で、斬新なアレンジはとても半世紀も前に書かれた曲とは思えないほどの輝きを放つ。キムのピアノは昨年横浜で、「urb」や菊地成孔のバンドで活躍したトランペッター、類家心平とのデュオという形で生で接することができ、やや荒削りとはいえダイナミックなアプローチと繊細なタッチは、次世代の日本ジャズ界を賑わすであろう活力に漲っていた。休憩時間に少しばかり話す機会に恵まれたが、気さくで素直な人柄がそのままスタイルに反映されているのだろう。
もう何年もパチンコ店に行ったことはないが、次から次へと出る新機種は毎日のように入ってくる新聞の折り込みチラシで目にする。ひと昔前に遊んだ機種などあるわけはないが、「テイク・ファイブ」とともにジャラジャラと玉で出た機種名は「サクセス・ストーリー」という。今最も注目されるピアニスト、ハクエイ・キム、そしてパウエルの動やエバンスの静とも一味違う和のトリオ「Trisonique」のサクセス・ストーリーを見てみたい。
敬称略