イリオモテヤマネコの発見者で、作家の戸川幸夫さんの著書に「ヒトはなぜ助平になったか」というのがある。贔屓の作家や興味のある分野の本はタイトルに注目することもないが、人類学、動物学に関心はなくてもタイトルで手に取りたくなる一冊だ。学術的な記述は難解だが、抽象的な「ヒト」を「ワタシ」に置き換えると頷ける部分が多い。特に小生の場合は・・・(笑)
助平になった理由に、最初のヒトに近い類人猿が二本足で立って歩くようになり、手が自由に使えるようになったことも一つに挙げている。その直立歩行という人類史に大きく踏み出す一歩というのは漠然としたものだが、幼い這い歩きの子どもが自分の足で立ち、歩く姿に置き換えるとより身近に感動が伝わってくるものだ。その歴史を音で表現したのがチャールズ・ミンガスの「直立猿人」で、ミンガスの代表作でもあり、ジャズアルバムの傑作でもある。ジャッキー・マクリーン、J.R.モンテローズのサックスをフロントに配した5人編成なのだが、これがビッグバンドのように重厚な色彩感溢れるサウンドで一気に引き込まれてしまう。
「直立猿人」は4パートで構成されており、進化から優越感、衰退、滅亡へと展開するストーリーは、皮肉屋ミンガスらしい内容で、サックス陣の咆哮や、「静」のイメージが強いマル・ウォルドロンのパーカッシブな「動」のピアノ、怒れるミンガスのベースも強靭だ。この曲ほどタイトルと曲想が一致するのも珍しい。例えばジャズクラブをモチーフにした「ボヘミア・アフター・ダーク」と「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」が入れ替わっても違和感はないが、この「直立猿人」ばかりは他のタイトルには置き換えることができない。
この本は「性談動物記」とサブタイトルが付いていて、種類によっては羨ましくなる動物も紹介されていた。方法が異なっていても種の繁栄という点ではヒトも動物も同じだが、ヒトは家族という単位で社会を発展させることにあると説いている。動物の中には異様とも思える行為をするものいるが、手鏡や女子高生の制服を隠し持つどこぞの大学教授のように「助平」を「変態」に置き換えるヒトは困りものだ。
助平になった理由に、最初のヒトに近い類人猿が二本足で立って歩くようになり、手が自由に使えるようになったことも一つに挙げている。その直立歩行という人類史に大きく踏み出す一歩というのは漠然としたものだが、幼い這い歩きの子どもが自分の足で立ち、歩く姿に置き換えるとより身近に感動が伝わってくるものだ。その歴史を音で表現したのがチャールズ・ミンガスの「直立猿人」で、ミンガスの代表作でもあり、ジャズアルバムの傑作でもある。ジャッキー・マクリーン、J.R.モンテローズのサックスをフロントに配した5人編成なのだが、これがビッグバンドのように重厚な色彩感溢れるサウンドで一気に引き込まれてしまう。
「直立猿人」は4パートで構成されており、進化から優越感、衰退、滅亡へと展開するストーリーは、皮肉屋ミンガスらしい内容で、サックス陣の咆哮や、「静」のイメージが強いマル・ウォルドロンのパーカッシブな「動」のピアノ、怒れるミンガスのベースも強靭だ。この曲ほどタイトルと曲想が一致するのも珍しい。例えばジャズクラブをモチーフにした「ボヘミア・アフター・ダーク」と「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」が入れ替わっても違和感はないが、この「直立猿人」ばかりは他のタイトルには置き換えることができない。
この本は「性談動物記」とサブタイトルが付いていて、種類によっては羨ましくなる動物も紹介されていた。方法が異なっていても種の繁栄という点ではヒトも動物も同じだが、ヒトは家族という単位で社会を発展させることにあると説いている。動物の中には異様とも思える行為をするものいるが、手鏡や女子高生の制服を隠し持つどこぞの大学教授のように「助平」を「変態」に置き換えるヒトは困りものだ。