燃えよドラゴンズ・ジューン

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ロックの神様~「アイデン&ティティ」

2005-11-21 21:11:46 | dora-juneのつぶやき
 ロックの神様、ボブ・ディランがイメージとして出演している、映画「アイデン&ティティ」を見直したのは、ザ・ハイロウズが活動を休止したことに触発されたからです。

 あなたは何をしたいと問われて困ってしまう、そんな人がアイデンティティを探している。アイデンティティは1人で確立されるものではなく、周りの人(友達、恋人、etc.)と一緒になって成り立っていく。だから肩の力を抜いて今の自分を見つめてごらん、そんな言葉が投げかけられてくるような優しい映画、それが「アイデン&ティティ」。

 自分の心を表現することにためらいながら、ロックにかけてゆく中島を峯田和伸が好演している。「今夜はわたしのためだけに歌ってくれる」いかにも麻生久美子っぽいセリフが出てくる。そして「僕はまるで‘ラスト・ワルツ’のボブ・ディランのように歌えた」と中島は言う。

 神様ボブ・ディランは自分の音楽を探して悩む中島の前にハーモニカを持って現れます。ハーモニカを取り出すというのは、何気にさりげなくて渋い~。ひそやかにハーモニカを吹いているボブ・ディランはとても神様らしい。こんな現れ方をする神様ならその言葉にも親しみがわきます。

 「やらなけゃならないことをやるだけさ」「だからうまくいくんだよ」神様ボブ・ディランは中島に語りかけます。中島はこの言葉に励まされて、メジャーをはずれて、自分の音楽に辿り着きます。そして、神様は中島の前から姿を消します。

 ボブ・ディランの「愛しかない、・・・」の詩こそがこの映画を突き動かしているパワーだと思います。

    愛しかない
    それが世界を動かしている
    それなしでは何も出来ない
    だから全ての愛を
    与えてくれる人がいたら
    心して受け取り
    逃してはいけない

     ボブ・ディラン