1989年、ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ。アレックスの母、クリスティアーネは、夫が10年前に西側へ亡命してからというもの、必要以上に社会主義に傾倒するようになっていた。ある夜、クリスティアーネは、アレックスが反社会主義デモに参加している姿を見てショックのあまり心臓発作を起こし倒れてしまう。8ヵ月間、クリスティアーネは昏睡状態に陥っていたが、その間、ベルリンの壁は崩壊し、東西ドイツは統一され、人々の生活は一変していた。クリスティアーネに再びショックを与えたら命取りになると言われたアレックスは、国が統一されたことに気づかれないように母のために奔走するが…。
夫に去られてからのクリスティアーネにとっては「国が夫」であって、愛国心を強めていくことで心の均整を保っていたのだろう。
そんな母が「東西ドイツ統一」という現実を目の当たりにしたら…。
アレックスは統一前の生活を維持するべく、店という店をくまなくまわり東ドイツ製のピクルスを探したり、ジャムやジュースのラベルを張り替えたり、まわりの人間に口裏を合わさせたり、友達の協力を得て自作のニュースを作り母に見せたりする。
最初は「これってコメディ?」とか「そこまでするか~」と思って笑っていたが、途中からアレックスの母を思う必死な姿に切なくなってしまい涙がとまらなくなった。
母に見せたニセのニュースは、初めは母のためだけに都合よく作られたものだったが、最後に見せたニュースはアレックスの信念や希望や優しさやエールが込められた、全ての人へ宛てた素晴らしいメッセージだったと思う。
事実を悟った母クリスティアーネの、アレックスを見つめていた優しく穏やかで誇らしげな瞳が忘れられない。
見終わった後、温かく爽やかな気持ちになる、素晴らしい作品。
夫に去られてからのクリスティアーネにとっては「国が夫」であって、愛国心を強めていくことで心の均整を保っていたのだろう。
そんな母が「東西ドイツ統一」という現実を目の当たりにしたら…。
アレックスは統一前の生活を維持するべく、店という店をくまなくまわり東ドイツ製のピクルスを探したり、ジャムやジュースのラベルを張り替えたり、まわりの人間に口裏を合わさせたり、友達の協力を得て自作のニュースを作り母に見せたりする。
最初は「これってコメディ?」とか「そこまでするか~」と思って笑っていたが、途中からアレックスの母を思う必死な姿に切なくなってしまい涙がとまらなくなった。
母に見せたニセのニュースは、初めは母のためだけに都合よく作られたものだったが、最後に見せたニュースはアレックスの信念や希望や優しさやエールが込められた、全ての人へ宛てた素晴らしいメッセージだったと思う。
事実を悟った母クリスティアーネの、アレックスを見つめていた優しく穏やかで誇らしげな瞳が忘れられない。
見終わった後、温かく爽やかな気持ちになる、素晴らしい作品。