壁のクロスは、いつの間にか、剥がれてきます。
そして剥がれた箇所を、接着剤で何回補修しても、また剥がれてしまいます。
実は、壁のクロスの寿命というのは、クロスの種類によって異なりますが、おおよそ3年から5年ほどです。
その寿命を超えたクロスは、自然と剥がれてきます。
では、どうして壁のクロスは、剥がれてくるのでしょうか?
その原因は、クロスの収縮です。
しかも、その収縮の原因は、2つあります。
1つ目、クロスを工場で作る時に、クロスの内部にたまっていた『内部応力』が、クロスの劣化とともに、解放されて生じる収縮があります。
クロスというのは、最初、ブロック状のプラスティックの塊だったものを加熱しながら、金属製のローラーで薄くのばしていきます。
この時、プラスティックが縮もうとする力が働くのですが、クロス状に薄くのばされたプラスティックは、冷えると、縮むことができなくなって、クロス内部に、縮もうとする力を内に秘めたまま製品になってしまいます。
この『内部応力』は、クロスが壁に貼られ、数年して、クロスのプラスティックが劣化してくると、クロス自体が柔らかさを失い、次第に、クロスが縮む現象を引き起こします。
そして、2つ目のクロスの収縮の原因ですが、『気温変化による熱収縮』です。
クロスが新しい間は、気温が低くなっても、まだクロスのプラスティックが柔らかいので、クロスの縮もうとする力に対して、柔軟性があります。
ところが、クロスが劣化してくると、クロスが固くなるので、壁のクロス面全体が、収縮する動きを見せ、壁の隅の部分から、クロスがはがれてしまうのです。
「クロスが壁から剥がれてくるということは、クロスのプラスティックが劣化しているということです。」
「壁の隅のクロスが、剥がれてきたら、クロスを貼り替えましょう!」