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英国王のスピーチ

2013-04-26 17:53:02 | 映画+ドラマ
The King's Speech


私の中では「ショーシャンクの空に」に次ぐ名作となっております、この映画は2010年にトム・フーバー監督で公開されました。
トム・フーバーは昨年末に公開されたレ・ミゼラブルの監督でもあります。

吃音に悩むヨーク公アルバート王子、後のジョージ6世をコリン・ファース

吃音の治療にあたった言語療法士ライオネル・ローグをジェフリー・ラッシュが演じています。


癇癪持ちでコンプレックスの塊のような扱いづらいヨーク公をコリン・ファースが演じるとこんなにキュートになるんですね
しかも、対するローグはジェフリー・ラッシュ。ジェフリー・ラッシュと言えばパイレーツオブカリビアンのバルボッサなんですが、最初は気付かなかったくらい別人と言うか、本当に芸達者ですよ。

この二人の共演、いや競演は観ているだけで楽しいですね。

この映画は史実の元にしたフィクションでヨーク公とローグの友情は本当にあったお話です。
イギリスの史実ということなのか、コリン・ファースとその奥方を演じるヘレナさんはイギリス人、ジェフリーさんはオーストラリアですが、実際のローグもオーストラリアの人です。映画の中でもちゃんとイギリス英語で会話してますね。


以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

ヒトラーが台頭し、不安定な世界情勢に突入するころ、ヨーク公(バーティ)は父王ジョージ5世の代理として大勢の前で演説しますが、吃音が原因でちゃんと話せず失敗に終わります。

様々な治療を試みますがうまくいかず、奥様のエリザベスが独自に優秀な言語療法士を探し出し治療を受けるようバーティを説得します。それがローグとの出会いでした。

「治療中は対等に」とローグはヨーク公をバーティと呼び自分のことは「ライオネル」と呼んでね。と言いますが、絶対に呼びません。バーティの呼び名も家族だけだからやめてね。と全身で拒否するわ、突然怒鳴るわ、まったくもって毛を逆立てた猫状態。
でも、何だかんだとローグのいう事を素直に実践するところが本当にかわいい


一度は治療を拒否しましたが、効果がありそうだとわかってから二人で毎日の治療トレーニングが始まります。
しかもかなりユニークなトレーニングなんですが、ちゃんと言うとおりにこなしていくバーティ、かわいすぎます。
奥様もとても素敵な女性で、バーティの良き理解者という感じでなかなか理想の夫婦です。

ヘレナさんは、レ・ミゼラブルで何と詐欺師の極悪夫婦のテナルディエ夫人を演じております。すごいw

ヨーク公には兄がいるので、次期王はお兄さんがなるはずでした。しかし、父王が亡くなった後一旦王位を継ぐものの、愛する女性に離婚歴があるため、結婚を認められずやがてヨーク公に王位を譲ることになります。

お兄さんの事で悩むヨーク公はローグに心境を打ち明けます。うまく話せないヨーク公に「心境を歌詞にして歌いなさい」と言われ、最初は拒否したものの最後は歌います。いや、ほんとに素直すぎ!こんなヨーク公ではローグも可愛かったろうと察します(笑)
ふとした表情も本当に可愛らしくて王族としてたまに横柄な態度をとったりしますがホントは優しくてかわいい人なんだろうなー、
そこにエリザベスは惚れたんだろうなーとひとり妄想してます(笑)コリン・ファースが可愛いんでしょうね。

しかし、何度「可愛い」と言えば気が済むんでしょうか、私。

先を進めます。
王位を継ぐことになったヨーク公は戴冠式のためにローグを呼びます。が、この頃既にローグの調査が行われていて、ローグが医師の資格も何ももたない事にヨーク公は裏切られたと怒ります。
実はローグは最初から医師を名乗ったことはないんですね。
「言語療法も経験と知識で行っている。実際に傷ついて離せなくなった兵士たちの治療をしている。彼らに必要なのは心の傷を治すことだ。ヨーク公、あなたに似ているだろう。」
それでもうじうじしているヨーク公の前で戴冠式に使う由緒ある椅子に座ってみせわざと怒りを買い結果的に「私が王だ」と自覚を促します。


無事に戴冠式も終わりますが、イギリスはポーランドの侵攻を受けてドイツに宣戦布告をし第2次世界大戦が始まろうとしていました。そして急きょ全国民に向けて演説をする時がきました。

ヨーク公あらため、ジョージ6世はすぐにローグを呼び、ふたりで練習をします。
「People」のところでどうしてもつっかえちゃうんだけど。
「Peopleの前に母音を入れれば言いやすくなる。「a people」と言いなさい。
とか
歌詞にして歌いながら話したり、今までのトレーニングがいろいろ出てきます。

そして本番。
この映画のクライマックスである、ちょっと長い演説。見せ場とはいえ、ともすれば退屈になりかねない演説だけのシーンですが、ふたりの演技とフーバー監督のマジックのおかげか、最後まで感動すら覚える演説シーンでした。


きっちりと演説を行ったヨーク公にローグが「Wのところでつっかえたな」「わざとだよ、私だとわかるようにね」と言うヨーク公には自信ともいえる確かなパワーを得たように思えました。

演説を行った部屋から出ると、たくさんの賛辞の声。
「ライオネル」と呼んで。
「ローグ」
と、最後までライオネルと呼ばなかったヨーク公が「あなたは私の友人だ」と言うと、この時初めてローグは「陛下」と呼びます。
これは、ヨーク公が吃音を克服したことで師弟の関係が終わり友人というあらたな段階に入ったことを示唆し、お互いにお互いの存在を認め合ったからこその一線がライオネルと呼ばず「ローグ」になっているような気がします。
そのとき、入ってきた奥様が「ありがとう、ライオネル」と言っているのは、ヨーク公は一線を画す立場であるけど、事実上最も近い存在として受け入れているように思えるんです。

そして、バルコニーに立ち民衆に手を振るヨーク公。もうコンプレックスを持った自信の無い今までとは違うヨーク公をローグが静かに見守りながらこの映画は終わります。



何度みてもクライマックスはほろりとしてしまいます。静かだけど心温まる映画でした。
最後にヨーク公とローグの友情は続き、戦争のスピーチはすべてローグが立ち会ったという字幕が出ます。
こうゆう、史実に基づいたお話に私は弱いんですね~


余談ですが、劇中何度かチャーチルが出てくるのですが、何か似てるんですけど(笑)


と、本当に余計な感想で終わることをお詫びします。すみません、どうしても言いたかったんです

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