That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

今年もありがとうございました。

2015-12-31 11:45:33 | Sherlock SP
今年最後の更新なのでUPしていなかったものを無理やり押し込めてみました。


何はともあれいよいよSherlock SP本国放送ですね。
しかも2月には日本でも上映されるという、今までにない破格の扱い(笑)
できればS4では本国と同時にお祭りできるよう、同時放送とかお願いできればと・・・
BBCは早くiPlayerのようなコンテンツを世界展開させてくださいー。

1895年のDr.ワトソンへのメッセージ募集という企画がありまして、
そこにゲイティス御大が参戦していました。参戦と言うか制止?(笑)
この時代はメールではなく電報なんですもんね。

「ワトソン君。終わりにするんだ。元日にテレビと映画で会おう!(Kinemaってするところが御大だなー)
だからもう終わりにしてくれ。やめるんだ。」
※この部分、ご指摘をいただきました。「Stop」はピリオドの意味があるそうです。
そして最後の部分は終らせたくない、という意味との事です。
毎度の事ながらいい加減な訳ですみません。
ご指摘、ありがとうございました。

↓結果

そんな御大が突然1年の振り返り画像をツイートしていました。

これ一番手前はベン・ウィショーなんですね。

夏のBBCプロム。


これは御大のツイッターアカウントに使われた画像なんですけど、ステキです。
マッキノン監督も同じ画像をツイートしてました。


マッキノン監督。

監督の先日のツイート。
撮影中にもon setでこの画像をツイートしてたと思いますが
当時はまったくわけわかりませんでしたが今見ると、ポン!って感じです。

去年の2月あたりに出回った「SETLOCK」情報を見返してみると合点がいくのもあるのですが
まだまだ謎ツイートも多くて面白いです。
そういえばSpeedy's Cafeのオーナーも出演すると言っていましたが・・・


Sherlockの公式でカウントダウン画像をツイートが7日前から始まっていましたが、
SHERLOCKOLOGYさんのカウントダウン画像もすごくステキでした。
なので両方。上が公式です。


















時差があるのでここまででした。

今年も拙いブログを読んでいただき本当にありがとうございました。
おかげで今年も楽しい1年になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

最後に、
何だかクルクルのシャーロックが恋しくなっちゃったので。


皆様にとってステキな1年になりますように。。。

Dr.ストレンジ

2015-12-29 17:11:51 | BC_2015・2016
昨日、EWが特ダネと称してDr.ストレンジの新スチールを公開してから
あちこちストレンジさんで溢れていました。

予想以上にかっこよいストレンジさんになっていて、
やっぱりベネディクトは仰々しい衣装がよく似合うのねーとしみじみ思いました。

そんなわけで少しまとめてみました+リチャード3です。

元記事
6 EW Exclusive Photos of Marvel


The Doctor Is In
このジェスチャーで魔法を創り出します。
「美しく、バレエ的でとてもダイナミック」だとベネディクトは言います。
「そして黒幕が動き出せばすごいことになるよ。」


Do You Believe in Magic?
「Dr.ストレンジには様々な狂気がある」とベネディクト。
「落ちたり、空を飛んだり、ジャンプしたり、戦って、パンチしたりされたり。無茶苦茶なんだ。」


The Chamber of Relics
「この映画の制作が始まってから私は絶えず畏敬の念に打たれている」
監督のスコット・デリクソンがコンセプトアートについて語ります。
「この映画はあまりにも異様で誰も作れないって噂を耳にしてから私はずっとドアがノックされるのを待っていたんだ。」


A Stunning Mystery
「このコミックが60年代前半に出版されたとき、知識のある素晴らしい方法で
60年代のサイケデリック的なものが詰まっていた。
「マーベルのブルペンで何か変わったことに取り組んでいることは知らなかったけど、
確かにその時の彼らの新企画の展開にみんなが触発されていた。」
プロデューサーのケヴィン・ファイギが説明します。
「そんなわけでそれにはある特性が付き物になる。
それがこの映画のビジュアル効果に関する我々のミッションの声明だよ」


Dr. Stephen Strange
「ベネディクトは我々が長い間ずっと興味を抱いていた人物だ。」とファイギ。
「しかし彼はとても人気があってそれがさらに加速してとても忙しくなってしまったから
出演してもらう機会がなさそうだった。だから他のいろいろな俳優を見て、
それで最終的にはベネディクトに出演してもらうためにスケジュールを調整してもらうよう頑張ってみようと決めたんだ。」




以上です。

レイチェル・マクアダムスの出演も決まり、マッツ・ミケルセンの悪役も決まった感じ?
このサイトにキャストがありますがまだ3人しかリストにないんですけど
ティルダ・スウィントンはずいぶん前に決まったとどこかで見たような・・・
http://comicbook.com/category/doctor-strange#cast

リチャード3世の新しい画像が出てましたが、元はこの記事みたいです。
Telegraph



BBCのドラマ部門?の人のインタビューで、ななめ読みすると、
「BBCがNetflixやAmazonのネット配信に脅かされることはない。
ネット配信はPCで観る対個人のコンテンツだし、家族みんなで観れるテレビの需要はまだある。
ホロウクラウンの一部をNetflixが入札があったようだし、不安要素はあるけど、
これからも良いドラマがたくさん作られるし大丈夫。」
こんな感じ?

それではこの辺で。

The Many Resurrections of Sherlock Holmes 後半

2015-12-28 09:46:47 | Sherlock Topics 2015

続きです。
元記事はこちら。
The Many Resurrections of Sherlock Holmes


Reason 3: Because We Grok Spock
スポックに共感するから

セクシーなオタクがクールになる前からシャーロック・ホームズはセクシーなオタクでした。
近代SFはホームズが文学界に登場する70年近く前から存在しています。
(メアリー・シェリーのフランケンシュタインまで遡れます)
驚く事ではありません。コナン・ドイルは正典を書く前や最中にもSFを書いていました。
いくつかのホームズのストーリーは(例えば悪魔の足や這う男)正しくSFの物語です。

私たち(Dr.ワトソンも)がホームズと初めて出会った緋色の研究で雰囲気を作り出していました。
バーツの研究室でホームズはブンゼンバーナーに囲まれていました。
「『I've found it! I've found it,』 he shouted to my companion,
running towards us with a test-tube in his hand.
(『見つけた!見つけたぞ!』と彼は試験管を手に走り寄り、私の同伴者に叫んだ。)とワトソンが語っています。

「I have found a re-agent which is precipitated by hoemoglobin (これは原語のスペルです),
and by nothing else. (ヘモグロビンにのみに反応して沈殿する試薬を見つけたんだ。) 」
「Had he discovered a gold mine, greater delight could not have shone upon his features.
(彼が金鉱を発見したとしてもこれ以上に喜んだ顔はできなかったかもしれない。)」

科学者としてのホームズの熱情がここで表れています。
彼は最初にして最高の知性に訴えるヒーローのひとりで、
惑星の征服や悪者退治や女性のモノにすることが彼のゴールではなく単に知りたいのです。

「Sherlock Holmes and the Science Fiction of Deduction」(Clarkesworld Magazineの2010年11月号)で
ライアン・ブリットはこのように説明しています。
「SF作家の様にドイルはまず最初にwhat if?(もしこうだったらどうなる?)から取り掛かる。
直感や度胸で答えにたどり着く探偵ではなく、
科学的な解決法を見出す探偵だとしたら?彼の冒険はどんなふうになるだろう?とドイルは言った。」

ホームズは多くの冒険をしています。
サイエンスフィクションはますます主流になり定着したのもひとつの理由です。

そのジャンルの啓発者たちは実はホームズに関連したサイエンスフィクションの寄稿をしています。
例えば、時空を超えたシャーロック・ホームズ
(アイザック・アシモフやマーティン・グリーンバーグ、チャールズ・ウォー著。)や、
パロディ集(マイク・レズニックとマーティン・グリーンバーグ編)、
そして「The Improbable Adventures of Sherlock Holmes」(ジョン・ジョゼフ・アダムズ著)です。

さらに、コズミック・フィクション作家が80年にわたり連載終了のままだと彼の人気がなくなってしまうからと、
H・P・ラブクラフトが作り上げた宇宙的な世界にシャーロック・ホームズを登場させまました。
(dico注※これは多分、オーガスト・ダーレスのソーラー・ポンズシリーズなんじゃないかと思います)
ホームズとラヴクラフトをアッシュアップしたアンソロジーです。

その中で最も洗練された作品のひとつはサイエンスフィクションの最高賞、
ヒューゴ賞とローカス賞に輝いたニール・ゲイマンの「A Study in Emerald(翠色の習作)」で、
「緋色の研究」がラヴクラフトの「旧支配者」によって支配された
「アルビオン」になっていたかもしれないと思わせる作品です。

サイエンスフィクションのホームズへの称賛は文章だけでは終わりません。
22世紀にいるシャーロック・ホームズのアニメシリーズには、
若返りの細胞で蘇ったシャーロック・ホームズとcompudroid(dico注※コンピューターのドロイド?)
のワトソン、そしてクローンのモリアーティがいます。
エピソードはある程度コナン・ドイルのオリジナルに沿って脚色しています。
もちろん、空飛ぶ車が出てきますが。

さらに、サイエンスフィクションメディア史上、最も長寿かつ成功した2作品にも登場します。
彼の知名度や関連性を高め、信憑性を利用したにも関わらずクールな要因となっており、
奥深く、生真面目さがあります。

Dr.フーはいくつかの状況でホームズを用いています。
4代目のドクターは彼自身の調査や追跡はホームズを思い起こさせますし、ディアストーカー帽さえ被ります。

ホームズとワトソンは共に公式公認の小説で一度ならず登場し7代目ドクターと関わっています。
そして2011年からフーは爬虫類のサイルリアン、マダム・ヴァストラに率いられる
パターノスターギャングでユニークに応じます。
ホームズの種族や性別が変化したのかもしれませんがヴァストラと、
彼女のワトソンである人間のパートナー、ジェニー・フリントは
古典的なシャーロキアンスタイルでミステリーを解決し冒険するために
馴染みのあるヴィクトリア朝のロンドンに移りました。

新スタートレックの最も象徴的なエピソードのひとつはアンドロイド、データ少佐のです。
データは大尉とともにホームズに扮することで人間である事の証を得ようとします。
ジョーディ・ラ=フォージもワトソンとして参加し、ホロデッキでコナンドイルの原作を彼自身にプログラムしました。

しかし、ホームズと現代の大作との重要な関連があるのは映画になった「スター・トレックVI 未知の世界」です。
映画はニコラス・メイヤーが監督と脚本ですが彼は以前、シャーロック・ホームズの有名なパスティーシュ、
「The Seven-Per-Cent Solution (シャーロック・ホームズの素敵な挑戦)」(同名で映画化されました)
「West End Horror(ウエスト・エンドの恐怖)」、「The Canary Trainer」を書いています。

理論的思考のMr.スポックは理性とイマジネーションの象徴でとても人気があり、
スタートレック3での(カーク船長の)セリフ、
「the needs of the one outweigh the needs of the many」
(多数の必要よりひとりの必要が勝った)でその立場が証明されています。
「未知の世界」では「緑柱石の宝冠」からホームズのセリフが引用されるなど
不可解なミステリー(クリンゴンに光子魚雷を発射したのは誰?)の影響を受けています。

エンタープライズのブリッジに立ち、スポックが言います。
「Once you have eliminated the impossible, whatever remains,
however improbable, must be the truth. 」
(私の先祖がかつてこう言ってた。
『不可能を排除すれば残ったものが何であれ、それがあり得ない事でも、真実に違いない。』と。)
シャーロック・ホームズはMr.スポックの人間の祖先のひとりです。

「シャーロック・ホームズのメッセージはシンプルだ。」とクラークスマガジンでメイヤーが指摘しています。
「人生を理解できる。」もちろん、スポックや彼のファンも同意するでしょう。
メイヤーにとってそれらの点を結び付けるのは朝飯前でした。
「スポックとホームズにある繋がりは誰の目にも明らか。私はそれを公式にしただけ。」

ノーアム・コーエンは2014年9月13日のニューヨークタイムズで「我々は全員オタクだ。」と公言しています。
オタク文化が主流というのが真実ならサイエンスフィクションが主流ということになります。
一部のキャラクターはシャーロック・ホームズの血統を持つサイエンスフィクション伝統的なスタイルですが、
当然、最新のスタイルはそれをオマージュしています。

Reason 4: Because Holmes Is Now
ホームズは今も存在しているから

これはすべてアーサー・コナン・ドイルの責任です。
生涯、彼はシャーロキアンの砂場を開き、みんなを遊ばせました。
アメリカの俳優、ウィリアム・ジレットがシャーロック・ホームズを脚色する上でのパラメーターは何なのか、
と尋ねた時、コナン・ドイルは「彼を結婚させるも殺しをさせるも何でも好きにすればいいよ」と返事をしています。
以来、私たちはずっと自分たちの好きにしてきました。(中には触手があるものもあります)
本当にベイカーストリートは世界で共有されています。
(dico余談※触手?触手って?tentaclesって触手の他に何か意味があるのでしょうか。怖いー)

ホームズの人気の最後のカギを特定するには、
コナン・ドイルの正典に示されているように彼の当初の意図に立ち戻る必要があります。

アメリカの作家、ヴィンセント・スターレットの詩「221B」が私たちに教えてくれます。
「Here, though the world explode, these two survive, And it is always eighteen ninety-five. 」
(ここでは、たとえ世界が爆発しようとも2人は生き残る。それは常に1895年なのだ。)

dico余談※
「1895」はジョンのブログのカウンターにもなっていますよね。
以前に御大がインタビューでも話していたヴィンセント・スターレットの詩を
今回初めて読みましたが、いやー、何でしょうね、これ。
こちらです。
http://allpoetry.com/poem/8599039-221b-by-Vincent-Starrett
直訳の意訳というか私の解釈になっちゃっているんでしょうね。これ。
そう思うと何だかすごく恥ずかしいです。詩って難しいですね。

有名なふたりの男がずっと住んでいる
男たちは生きていない、それ故に死ぬことも無い
とても近くにいるように見えてなんて遠いのか
世界の破滅が目の前にきている
それでも彼らは耳を澄まして獲物狙っている(ゲームを始めている)
遠くの獲物を捕らえるために順応する
私たちが恐れるゆえイングランドは変わらない
心が信じるものはただ真実のみ
窓ガラスのそばで黄霧がうずまく
夜この伝説の街を不意に訪れる
1台の馬車が雨の中しぶきをあげる
ぼんやりとした20フィートのガス灯が消えていく
たとえ世界が爆発しようとも2人は生き残る
それは常に1895年なのだ

余談終※

もうすぐ放送されるBBC シャーロックスペシャルのティーザーでは
いつもファッショナブルなスーツを着たニコチンパッチ依存のカンバーバッチが
ビクトリア朝の衣装を着てパイプをふかし馬車から221Bの前に降り立ちます。

しかし、コナン・ドイルは琥珀に閉じ込められているハエとして、
永遠に変わることなくリビングルームに閉じ込められたホームズとワトソンを書いているわけではありません。
彼らは読者のその時間で生きています。
そして彼らの観客として見た目は変われど同じ街を歩き、同じ建物を訪れます。
様々な物語で展開されたシーンの場所を訪ね歩きます。
ホームズはその時代の隣人として存在し、
読者はまるで彼が親しい友人だったかのように手紙を出し彼の死を悼みました。

ホームズはロンドンに戻ったりニューヨークに移らせたり、
或いは医者としてハウスと名乗りワトソンのためにウィルソンも完備したり-
彼はアップデートされるたびにコナン・ドイルの意図するものに復元され、
今は私たちのところにいます。

同じカオスに向き合い、同じ官僚制度に立ち向かい、同じ犯罪を目撃します。
迷信やヒステリー、疑似科学的ないんちき療法を追い払います。
彼の正確な手法を用いて私たちも同じように挑戦をします。
イマジネーションと推察力で幻滅と戦います。
私たちに安心感を与え、元気づけ、自由をもたらします。
私たちがたとえアンドロイドだったしても人間であることを思い出させます。

以上です。
お粗末さまでございました。

26DEC 最近のいろいろ

2015-12-26 10:42:27 | BC_2015・2016
メリークリスマス!遅いけど・・・・

気がつけば26日で、今年は何だか全然実感なくクリスマスが終っていました。
会社が25日が最終日だったので、納会の準備など最終日に向けた準備であわあわしていたからかも。
納会は各部署がそれぞれ手配をして勝手にやってね、という方針なのですが、
うちの部署は100近くいるので毎年死にそうになります。
でも大きい冷蔵庫いっぱいに缶ビールが詰まっているのはかなり壮観です(笑)

納会の後は我が家の恒例行事、N響の第9に行ってきました。
この時期の渋谷は歩くのも大変なくらい大勢の人で溢れていますが今年は何だか少ないような気がしました。
クリスマスなのにね。

そしていよいよシャーロックSP放送まであと1週間となりました。



大してニュースもないのですが目についたツイートをいくつか。
BBCのは、「Throwback Thursday」という、木曜日に昔の画像や動画を投稿して懐かしみましょ、
という呼びかけ(サイトがありました。)に呼応したものだと思います。

こちらは毎度のBBC3。AM3:00のツイートとタグで遊んでいるんでしょうかね。


上のクリスマスシャーロックの画像もそうなんですけど、
オデオンシネマズも#cumberbatchamovieのタグで遊んでいました。






そんなわけでdicoさん、10連休に突入です。

The Many Resurrections of Sherlock Holmes 前半

2015-12-25 07:44:30 | Sherlock Topics 2015
なぜホームズは今でも生き続けるのか、
その理由を様々な方向から考察しているエッセイ?なんでしょうか。
かなり真面目な内容です。


そもそも何でこれに手をつけたんだか、自分でもすごく謎なんですけど、
10月に見かけて以来、何となく少しずつ読んでいるものの難しい言葉がいっぱい出てくるので
どんな意味なのか全然わからないまま直訳してる部分が結構あります。
しかも画像まったくありません。さ、寂しい。

私の訳ではかなり退屈だと思いますが、
BBC版もビクトリア時代をやることだし、話のネタにでもなれば幸いでございます。

元記事です。
The Many Resurrections of Sherlock Holmes

先日ロンドンに旅行したときに私は雨の中3時間半、
ベイカー街221Bのシャーロック・ホームズ博物館の外に立っていました。
(もちろん私は機会費用の概念は理解しています。
待つことはそれに値しません、待つことも楽しみのうちになりました。)

私の前にいた日本のお母さんと10代の娘に他のグループが別の場所を観光をさせようと
定期的に誘いますが彼女たちはディアストーカー帽を直すと確固たる態度で1歩も引きませんでした。

私の後ろのイギリスの北部からきた家族の最も若いメンバーで8歳くらいの男の子が、
BBCのヒットドラマ、シャーロックに出ているモリアーティが登場する場面を分析し、
アーサー・コナン・ドイルの著作に登場したキャラクターとの比較に家族は我慢強い聴衆と化していました。

根気強さと多様性を持つ私のシャーロキアンの仲間でさえ博物館で最も人を引き付けた、
名探偵へのたくさんの手書きのメッセージやスケッチが様々な言葉で幾重にも重なっている
シンプルなコルクの掲示板に対する準備をさせていませんでした。
ガイドはより多くの場所を作るために愛情のこもった記念品を片付けるのに手いっぱいでした。

2012年にギネスは映画やテレビで最も演じられた著作上の人物だと公表しました。
我々は近頃のホームズによる有り余るほどの財産を満喫しています。
Mr.ホームズのイアン・マッケラン、ガイリッチー版のロバート・ダウニーJr、
アメリカドラマのエレメンタリーのジョニー・リー・ミラー、
BBC版シャーロックのベネディクト・カンバーバッチ、
そしてノルウェイのビダル・マグヌッセンさえスケッチコメディーショー「Underholdningsavdelingen」で
シャーロックのパロディを演じています。

実際、アニメからインタラクティブゲームや模倣小説まで
21世紀のホームジアンのマルチメディアな物語は今や全盛期です。
二次創作でホームズとワトソンはコンピューターにアップロードされ、
サイボーグにアップグレードし、同性愛者で性転換、そして宇宙に打ち上げられます。

すぐに名探偵が世界規模で人気が出たわけではありません。
なぜ私たちはシャーロック・ホームズを蘇えらせては解釈をし続けているのか。
なぜ私たちは雨の中、ベイカー街で何時間も列を作り立っているのか。
それには理由があるはずです。おそらく4つほど。

Reason 1: Because We Are the New Victorians
理由その1:私たちはニュービクトリアンだから。

スコットランドの医者だったアーサー・コナン・ドイルは
1887年に緋色の研究でシャーロック・ホームズに命を吹き込みました。
4本の小説と56本の短編を通じてホームズはロンドンのシンボルになっていきました。

ガス灯と霧が立ち込める行きつけの場所は居心地がよく古風な趣があるように見えます。
しかし実際のホームズの背景には世界の急激な変化がありました。

不景気や失業の不安や様々な言葉で話し、違う神を崇拝する移民たちについての政治討論など
ビクトリア朝の英国人は今の私たちにも一目でわかる問題に直面していました。
さらにロシアのアナーキストの悪影響やアイルランドの国粋主義者たちが内戦の恐怖をもたらしました。

そして時代が終わりに近づくにつれ、古い世代がマスコミの知的レベルの低下や道徳観念の衰退を公然と嘆きました。
マイケル L パターソンが 、
A Brief History of Life in Victorian Britain: A Social History of Queen Victoria's Reignで
ビクトリア朝のイギリスを思い出させてくれます。
ビクトリア時代も手書きの手紙電報に、そして電報から電話に移行するのが見えます。

パターソンは「ビクトリア朝の人たちのように私たちも絶えず革新や新しい技術に捕らわれている。
そしてたった10年前には化学は空想だと思われてきた。」と言っています。
もちろん、創造は進歩を意味しますが最初のうちはたくさんの人がフューチャー・ショックを起こしていました。

さらに言うと、輸送や製造の革命と日々の生活の全ての面で中流階級に可処分所得と自由な時間を与えました。
確かに良い面ではありますがパターソンは「さらに多くの人がそれを求め始めたので、
それゆえにストレスも増大することになった。それは我々のこの時代にも当てはまる。」と説明しています。

つまり、ビクトリア時代の人はひとつの革新的な瞬間を生きてきたんです。
彼らは未来を恐れるどころかそれを受け入れ進化具体化を望みました。

圧倒的なカオスに見える理解しがたい変化は実は解明も理解もできるエキサイティングな世界で、
一人の人間が個々に改善できることに気づいて欲しかったのです。

彼も変化(影響)をもたらしています。小説や物語で。
ホームズは彼に助けを求める依頼人に変化をもたらしました。
多くは権利を奪われ最も無力な、その時代を反映した人たちです。
実在の人物では、E.J.ワグナーが「The Science of Sherlock Holmes 」で、
後にエンジニアや宇宙飛行士に影響を与えたスタートレックと同じように
名探偵がいかに科学捜査官(法医学者)の世代に影響をあたえたかを考察しています。

"You know my methods. Apply them,"
「君は僕の手法を知っているだろう。それを使え」と、ホームズは4つの署名の中で言っています。
ここにホームズが長命である鍵のひとつがあります。

彼の才能は彼を世間から切り離してしまったかもしれませんが、彼の手法は我々みんなが利用できます。
魔法を杖も超人的な力も必要はありません。コナン・ドイルがホームズのモデルのしたのはドクターなのです。

スコットランドのエディンバラ大学医学校の有名な講師、ジョゼフ・ベルは、
生徒の著しい観察力と推論のスキルに感銘を受けました。
「Mr.Holmes」と呼ばれているエッセイでベルは名探偵の方法が自らの体験を基にしていることにすぐに気づきます。
「解説の部分は明白でわかりやすい。君はわかっていると思うが頭の良い読者はすぐに感じ取るから、
これからは私ももっとよく観察しながら調べてみることにしよう」
これがいかに自信を与えたかは言うまでもありません。
ビクトリア朝の人たちや我々も影響を受けたのですから、不思議ではありませんが。

Reason 2: Because Max Weber Would Approve
理由その2:マックス・ウェバーが同意しているから

ビクトリア朝の人々が経験した混乱と変化は近代化の普及を示唆していました。
ドイツの哲学者で社会学者、そして政治経済学者でもあるマックス・ウェバーは、
近代化は合理化をもたらす両刃の剣であるとしています。
一方では無意味な伝統から人々を開放しましたが、
もう一方では個々の自由が制約され、非人間的なマシーンの歯車のような状態に陥らせました。
ウェバーの見解によればこの超合理的で非宗教的で官僚的で統制された近代化は、
奇跡や独創性といった意義が失われます。

マイケル・サレールは初期のファンコミュニティ
(名探偵を取り囲む刷新的で類を見ないファンダムの発端)を研究した本、
「As If: Modern Enchantment and the Literary Prehistory of Virtual Reality」の中で
スコットランド人の啓蒙主義者、デイヴィッド・ヒュームのような人物たちが
認識の概念の議論をすることで合理性の概念からさらに解放されるとホームズは以前から指摘していると述べています。
概念を融合させる想像豊かな推察力は芸術と科学を結合させ、
そして、幻滅を再び喜びに変えるパワーがあるとサレールは主張します。
サレールはこの推察と想像力の結合を「アニミズムな推察」と呼んでいます。

エドガー・アラン・ポーはそれを推理と呼んでおり、
文学作品初のスター探偵、C・オーギュスト・デュパンの「モルグ街の殺人」(1841)、
「マリー・ロジェの謎」(1842)、そして「盗まれた手紙」(1844)でそれを使い名声を得ています。

コナン・ドイルはポーの熱いファンボーイでホームズをデュパンの知性の継承者と見なしていました。
そのため、Dr.ワトソンは緋色の研究で一番最初の冒険の時にホームズに
「君を見ているとエドガー・アラン・ポーのデュパンを思い出すよ。
You remind me of Edgar Allan Poe's Dupin.」と言っています。
(ホームズはもちろん自分の方が優れていると主張します。)
それはまた、一世紀以上経たBBC版シャーロックでベイカー街のシャーロックのベッドルームに、
エドガー・アラン・ポーの肖像画が飾られている理由でもあります。
(クロニクルにも記載がありますが、ベルグレービアの醜聞で見る事ができます。
うまくスクショできませんでしたが多分これ。)


コナンドイルはホームズを使ってポーの推理に対する理論を体現させたのです。

ホームズは推理を通じて現代の世俗主義と調和させたような方法で日常生活に再び意義をもたらし、
近代的な方法でどのように現代世界を再び魅了させることができるかを示しているというのがサレールの解釈です。
ホームズは我々に見て観察しろと教えています。ありふれたものが重要だと。
「犬はあの晩何もしませんでした the dog did nothing in the night-time」という事実が実は奇妙な出来事だったのです。
(白銀号事件です)
ホームズは「花婿失踪事件」で「間違いない、平凡なものくらい異常なものはないんだ。
Depend on it, there is nothing so unnatural as the commonplace.」とも言っています。

自由の敵によって手段的合理性の採用が制限された今の官僚は
コナン・ドイルの話に出てくる勤勉だが想像力が欠如し、
事件解決の手がかりを失っているスコットランドヤードのように重要な何かを見逃しています。

一方でホームズは想像力を使い、そうすることで私たちを解放します。
私たちは機械の歯車ではありません。魅力ある世界の役者なのです。
シャーロキアンのマーシャル・マクルーハンはエッセイ「シャーロック・ホームズ対官僚
(Sherlock Holmes vs. the Bureaucrat)」で、
「普通の人がホームズと彼の多くの末裔をヒーロー視するのは官僚が我々ひとりひとりを犯人扱いし、
カフカの登場人物のような気にさせるからである。」と主張しています。

ホームズは私たちに代わって調査をし、常識的な話に疑いを持ち、
どこにでもある目立たないところから驚くべき発見をします。

後半へ。