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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock 2-1 A Scandal in Belgravia その24

2018-01-14 11:44:14 | Sherlock S2E1
「ベルグレービアの醜聞」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

Previous→The Great Game
Next→The Hounds of Baskerville

ラストです。

ベイカーストリート。
雨の中、Speedy's caféの前でマイクロフトが傘をさし煙草を吸いながら立っています。
家路を急ぐジョンがマイクロフトを見つけそばに寄ります。

JW:たばこは吸わないのかと。
MH:カフェにもあまり来ないがね。

傘をたたみ足元のブリーフケースを持つとカフェに入るマイクロフト。
ジョンもあとをついていきます。

テーブルには携帯電話が入ったファイルが置かれています。

JW:これ、アイリーン・アドラーのファイル?
MH:すべてが終わった。弟に知らせるところだが、君が望むなら君から伝えてくれ。
彼女はどうにかアメリカで証人保護プログラム下に入った。新しい名前と身分で。
彼女は生き延びてうまくやっていくだろう。だが彼が彼女に会う事は2度とない。
JW:どうして彼は気にかける?最後には彼女を軽蔑もしていた。
名前で呼ぶことさえしない、ただ「あの女」と。

MH:その嫌悪は敬意なのかもしれないぞ?大切なただひとりの女性への。
JW:そんなんじゃない。彼はそんなふうに考えたりしない・・・そうは思わない。

MH:My brother has the brain of a scientist or a philosopher,
yet he elects to be a detective.
(弟は科学者や哲学者になてる頭脳を持っていたのに探偵になることを選んだ。)
What might we deduce about his heart?
(彼の心をどう推理する?)
JW:わからない。
MH:Neither do I ... but initially he wanted to be a pirate.
(私もだ・・・・だが当初彼は海賊になりたがっていたよ。)

↑このマイクロフトのセリフと表情が最高に好きです。
言ったあとの寂しそうな表情も、当時はシャーロックの過去に何かが起きたことを彷彿させました。
こんな時代もあったんです・・・・・(涙)

「What might we deduce about his heart? 」私の訳はトホホですが、良いセリフですよね。
ジョンとマイクロフトのスタンスというかシャーロックとの関わり方が表れていて、
ずっとこんな関係でいて欲しかったと思ってしまいます。
最近愚痴っぽくてすみません。

JW:彼はその証人保護でいいと思うんじゃないかな、彼女には会えなくても。
大丈夫だよ、きっと。
MH:同感だ。なので私は彼にそう話そうと決めたのだよ。
JW:何の代わりなんだ。
MH:彼女は死んだよ。2か月前、カラチでテロリストの組織に捕らえられ斬首された。

JW:本当に彼女なのか?前にもそんな事があったじゃないか。
MH:今回は徹底的に調べた。シャーロック・ホームズでもない限り私をだますことはできないし、
彼がそこにいたとは思えないが、どうかな?

そしてファイルをジョンの前に差し出します。

MH:それで・・・シャーロックになんて言う?



221B。
キッチンで顕微鏡をのぞくシャーロック。


SH:情報を得たのは明らかだな。

ジョンが姿を見せる前に話すシャーロックにちょっと驚くジョン。

SH:リーズで起きた3人の殺人の事なら犯人は庭師だよ。誰もイヤリングに気づかなかった。
JW:あー、えっと・・・・アイリーン・アドラーの件だよ。
SH:そう?何かあったのか?戻ってきたのか?
JW:いや、彼女は・・えーと、下でマイクロフトと偶然会っただけなんだ。
彼に電話がかかってきてさ。


シャーロックは立ち上がるとジョンに近づきます。

SH:彼女はロンドンに?

JW:いや、彼女は、あー・・・・・アメリカだよ。
SH:アメリカ?

JW:うん。彼女は証人保護プログラム下に入ったようだよ。
どうやったのかわからないけど、でも・・・君はわかってるよね。
SH:何を?
JW:彼女とはもう会えないって事。
SH:なぜ僕が彼女にまた会いたいと思うんだ。

JW:そんなことは言ってないよ。

シャーロックは再び顕微鏡の前に座ります。

SH:それ彼女のファイルか?
JW:そう。マイクロフトに返そうと思って。見たい・・・?
SH:いや。

しばしの沈黙のあとジョンが意を決したように話し出します。

JW:なあ、実はさ・・・・
SH:ああ、でも携帯はくれないか。

シャーロックがジョンの言葉を遮りました。

JW:データは何も残ってないよ。空っぽだ。
SH:わかってる、それでも・・・僕はそれをもらう。
JW:これはマイクロフトに返すんだ。ずっと持ってるわけにはいかないぞ。
JW:シャーロック、これはマイクロフトに返さないとダメなんだ。
今は政府の管轄なんだよ。渡すことなど・・・・
SH:Please.

ジョンはシャーロックの「Please」に弱いんでしょうね。
悩んだあげく携帯を渡します。


SH:Thank you.
JW:これは返しておくよ。
SH:うん。

一度は部屋から出るジョンですが、振り返りシャーロックに尋ねます。

JW:彼女はあのあと・・・君にテキストを送ってきた?
SH:一度だけ、数か月前に。
JW:なんて?
SH:「Goodbye, Mr Holmes.」


ジョンは葛藤してるのか少しの間ウロウロとしていますがやがて部屋から出ていきます。
それを見届けてからシャーロックは自分の携帯に届いたアイリーンのテキストを見ながら
リビングに移動します。


お腹空いていないけど、ディナーしましょう。

ホテルにいるけど退屈。こっちにこない?ディナーをしましょう。

ジョンのブログは面白いわ。彼は私よりもずっとあなたの事が好きなんだと思う。ディナーをしましょう。

部屋からタワーブリッジと月が見える。私がどこにいるか推理してこっちにきて。

今日、あなたを道で見かけた。私のことはわからなかったようね。

帽子があなたに似っている事を実は自分でわかっているでしょう?

Oh for God’s sake. ディナーをしましょう。

あなたの変な帽子好きだわ。

バカなやつとエジプトで話しているの。飛行機に乗るからディナーをしましょう。

クライムウォッチのあなたはセクシーだったわ。

あなたも食べないと。ディナーをしましょう。

今BBC1を観ている。あなたも笑っているでしょうね。

あなたにクリスマスプレゼントを送ろうと思ってるの。

マントルピースよ。

私は生きている。ディナーをしましょう。

Happy New Year



場面はカラチに変わります。
イスラム圏の衣装を身につけたアイリーンは銃を持ったテロリストの前で
シャーロックにテキストを送っています。

「Goodbye Mr Holmes 」

後ろの男が刀剣をアイリーンの首元につきつけます。

アイリーンが覚悟を決めて目を閉じたその時、
シャーロックの携帯の着信音が聞こえてきます。

振り返るアイリーン。
刀剣を持った男はシャーロックでした。


SH:逃げろと言ったら走れ!

シャーロックは刀剣でテロリストたちに向かっていきます。


再び221B。
シャーロックが思い出したかのように笑っています。

SH:The Woman. (あの女)

シャーロックはポケットから出したアイリーンの携帯を引き出しにしまいます。
ふと、手をとめるとつぶやきます。

SH:The Woman. (比類なき女)



続きます。

ラストはなぜ同じ「The Woman. 」で「あの女」と「比類なき女」になるのかずっとわからなくて、
でもコメントで「The」の発音が「ザ」と「ジ」で意味が変わると教えていただいた事があるんです。
なるほどー、すごい!

あらためて見ると、
ラストのカラチは現実であれ想像であれ必要なかったような気がしました。
それよりもアメリカで生き延びています、で終わったほうがきれいだったかも。
そうすればカラチの夜とかルパンもどきのストーリーもなかったしね(笑)

シャーロックを思いやるジョンの気持ちが溢れてきます。
ジョンに丸投げのお兄ちゃんですがこれだってお兄ちゃんなりの愛なんです。
マイクロフトとシャーロックの間にはジョンというオブラートが必要なんですね。

「最後のジェダイ」のようにシャーロックもS3S4は無かったことにして
S2の続きから作り直してホームズ家の過去をやってほしいです。
それにしても相変わらずマーティンの演技が最高ですわ。

ダラダラと続いてしまいましたがここまでおつきあいくださりありがとうございました。
次のジョンブログで締めたいと思います。

Sherlock 2-1 A Scandal in Belgravia その23

2018-01-11 08:51:36 | Sherlock S2E1
「ベルグレービアの醜聞」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

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Next→The Hounds of Baskerville

ダラダラと2年越しになってしまいました。
続きです。

マイクロフトとアイリーンが向き合い、少し離れたところにシャーロックが座っています。


MH:これに侵入できる人材はいる。
IA:私はその仮説を検証したわ。6か月間、シャーロック・ホームズにやらせてみたのよ。

アイリーンはシャーロックに向かって話します。
IA:シャーロック、あなたが私の携帯をX線で検査した時に何を見つけたか彼に話してあげて。

SH:ケースの内側に4本の配線が追加されていて、おそらく酸が含まれているか小さな爆弾が仕掛けられている。
ケースを開けようとすればハードディスクが燃える仕組みだ。

シャーロックの言葉に頭を抱えるマイクロフト。

IA:爆発するのよ。私らしく。
MH:多少のデータは修復できる。
IA:リスクを冒すの?

MH:これを解除するパスコードがあるはずだ。誠に遺憾だが君からその情報を引き出せる人材がいるのだよ。
IA:シャーロック?
SH:パスコードはふたつある。ロックを解除するコードとドライブを破壊するコードだ。
強制したとしても彼女がどちらのコードを教えたのかあなたにはわからないし、2度のチャンスはない。
IA:彼は優秀ね。鎖につないでそばにおくべきだったわ。
MH:ならば、これを破壊して誰にも情報が渡らないようにするまでだ。
IA:そうね、良い考えだわ。国民の命に関わる情報をあなたが破壊しなければね。
MH:あるのか?
IA:教えるのがフェアよね。でもゲームは終わりよ。

アイリーンはバッグから封筒を出します。

IA:要求リストよ。以前もらっていた私の安全を保障する案もいくつかあるわ。
国の財産に穴をあけるほどの破壊力はないと言えば嘘になるわね。

IA:考える時間が必要かしら。
MH:Thank you,yes.
IA:ご愁傷さま。
その言葉に思わずアイリーンの顔を見るマイクロフトと鼻で笑うシャーロック。

IA:ここから出て行って相談しに行きなさい。
MH:君は本当に・・・・完璧だ。我々に君の半分の賢さがあればな。

IA:私だけの功績ではないの。ちょっとしたサポートもあったのよ。
アイリーンはシャーロックに向かって言います。
IA:ジム・モリアーティがあなたによろしくって。

MH:そう、彼は接触してきたよ。私の注意をひきたいのだろう・・・・もちろん決着はつける。
IA:私一人では持て余していた。犯罪コンサルタントに感謝だわ。
ホームズ兄弟を相手にどう渡り合えばいいのかアドバイスをたくさんもらったの。
彼があなたたちの事をなんて呼んでいるか知ってる?

IA:アイスマン・・・・と、バージン。
何も見返りは求めてこなかった。彼は単にトラブル好きなんでしょうね。私のタイプだわ。

その時、シャーロックは何かが閃いたようにひとり頷きます。

MH:そして君は国を屈服させた女王か。
見事だった。

マイクロフトの言葉にシャーロックが言います。
SH:No.

IA:Sorry?
SH:違う。惜しかったが、でも違うよ。
君はのめり込みすぎた。入り組んだゲームだった。君は夢中になりすぎたんだ。
シャーロックは立ち上がりアイリーンに近づきます。

IA:夢中になんてなってないわ。
SH:獲物を追うスリルを楽しむことは結構だ。
ゲームで気をまぎらせたかったんだね、同情するよ。だが、感情は?
感情は敗者側に見られる化学的欠陥だ。
IA:感情?何を言ってるの?

SH:君だよ。
IA:あら、いやだ。かわいそうな男ね。私があなたに興味を抱いているとでも思ってるの?
どうして?おかしな帽子をかぶる賢い探偵、偉大なシャーロック・ホームズだから?
SH:違う。

シャーロックはアイリーンの耳元で囁きながら手首に触ります。
SH:君の脈拍を計ったから。

221Bの場面が出ます。

SH:脈ははやく、瞳孔は開いていた。


そしてテーブルの上にあるアイリーンの携帯を手にします。

SH:ジョン・ワトソンは僕に愛は理解できないと考えているようだが化学反応は非常にシンプルで破壊的だ。
初めて僕に会った時、変装は常に自画像だと君は言った。君にも当てはまることだ。
金庫の番号は君のスリーサイズ、だがこれは・・・さらに個人的なものだ。

シャーロックは携帯のスリープモードを解除します。

SH:これは君の心の内で・・・
君は理性を支配させるべきではなかった。

そしてパスワードをひとつひとつ入力していきます。

SH:どんな数字でもランダムに選べたのに
そうすれば何もかもうまくいったままこの部屋から出て行けたのに・・・・

SH:だけど君は我慢ができなかったんだね。
愛は危険で不利益をもたらすものだと常々考えていたが・・・・ついに証明できたよ。
アイリーンはシャーロックの手を止めます。
IA:私の言葉はすべて嘘。ただのゲームだったのよ。

SH:そうだね。
これで負けただけだ。

シャーロックが入力したパスワード4文字は「SHER」でした。

I AM
SHER
LOCKED

シャーロックはマイクロフトに携帯を渡します。
SH:はいどうぞ、兄さん。
これで今夜あなたに迷惑をかけた埋め合わせができればいいのだけど。
MH:もちろんだ。
SH:もし寛容に扱いたいと思うのなら彼女を拘留するんだ。
もしくは開放しろ。彼女がプロテクションなしで生き残れるかは疑問だけど。
IA:私があなたに慈悲を請うとでも?
SH:Yes.

シャーロックは立ち止まりアイリーンの言葉を待ちます。
IA:Please.
あなたの言う通りよ。6か月ともたないわ。
SH:ディナーに行けなくて悪いな。
シャーロックはそれだけを言って部屋から出ていきます。


続きます。

このエピソード最大の見せ場ですよね。
今思えば、根拠がアイリーンの脈拍だなんてちょっとアレですよね。
だって高揚する理由は好意だけではないでしょう。
彼女にとってはモリアーティとの取引もうまくいって、
これから政府との交渉が控えているのだからドキドキしたっておかしくないし。
これ、間違ってたらどうするんだと思いますが、
それを差し引いてもトリハダものの素晴らしい場面です。
効果音と音楽が更に盛り上げてくれます。


シャーロックはアイリーンの携帯の仕組みを素直に話しているのが可愛いというか・・・
ここのマイクロフトもとても大人で好きです。
アイリーンも服が似合っているし、演技も熱くて何度見ても引き込まれてしまいます。

Sherlock 2-1 A Scandal in Belgravia その22

2017-12-21 22:38:46 | Sherlock S2E1
「ベルグレービアの醜聞」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

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Next→The Hounds of Baskerville

マイクロフトが苦悩している一方でシャーロックは暖炉の前でバイオリンの弦を弾きながら
マイクロフトの言葉を反芻していましら。

「ボンドエアーは飛ぶ、決定したんだ。コベントリーに確信しろ。」

SH:コベントリー。
IA:私は行ったことないわ。いいところ?

シャーロックの言葉に応えたアイリーンを見てシャーロックは驚いた表情。

SH:ジョンは?
IA:彼は2時間前に出かけたわ。
SH:僕は彼と話してた。
IA:あなたはいつもそうだって彼に聞いたわ。コベントリーが何なの?

※この場面はいきなりアイリーンと二人きりにされてしまい脅えているようなシャーロックと
余裕綽々なアイリーンお姉さまが面白いなあと。あ、妄想入ってます?

SH:物語だよ。作り話だ。第二次世界大戦に
コベントリーが爆撃されることを連合軍は知っていた。
彼らはドイツの暗号を解読していたから。
だが彼らは暗号を解読したことをドイツに知られたくない。
だからそのままにしておいた。

IA:あなたに誰かいたことはあるの?
SH:何だって?
IA:「いた。」と聞くときの私はみだらになるのよ。
SH:意味がわからない。
IA:そうね、では優美に。

キョドるシャーロックの前で跪きシャーロックの手を取るアイリーン。
・・・・私の表現変ですか?

IA:ディナーをしましょう。
SH:なぜ。
IA:お腹すいたでしょう。
SH:すいていない。
IA:Good.
SH:空腹じゃないのになぜ僕がディナーをしたいと言うんだ。
IA:Oh, Mr Holmes ...

シャーロックはアイリーンの手首をやさしく触れながら顔を覗き込んでいます。

IA:もし今日が世界の終わりでこれが最後の夜だったとしたら、私とディナーをしてくれるのかしら。


その時、遠くからハドソンさんの声が聞こえてきました。

Mrs.H:シャーロック!
IA:遅すぎたわね。
SH:あれは世界の終わりじゃない、ハドソンさんだ。

アイリーンはシャーロックから離れます。

Mrs.H:シャーロック、この人が玄関にいたわよ。ドアベルはまだ役に立たないの?

現れたのはマイクロフトの部下でした。

SH:また僕を連れに来たのか?
部下:そうです、Mr.ホームズ。
SH:なら僕は断るよ。
部下:あなたは断らないでしょう。

そう言いながら部下は内ポケットから封筒を出しシャーロックに渡します。


ブリティッシュエアウェイズ・・・ではなく、「Flyaway Airways」と書かれた
18:30ヒースロー発ボルチモア行き007便の搭乗チケットでした。

シャーロックは車に乗り込みます。
アイリーンは窓から見送っていました。


SH:旅客ジェット機に爆弾が積まれているようだ。
英国と米国の政府は知っているがその情報を明るみにするのではなくそれを起こさせようとしている。
飛行機は爆発する。コベントリーの再現だ。歯車はまわる。新しくもない。
(※「歯車はまわる。新しくもない。」の原文はThe wheel turns. Nothing is ever new.
この意味の質問に対して「It means that something never changes. It is always the same.」とありました。
「世の中には変わらない事もある。いつだって同じ。」なので
「The wheel turns」は止められない運命の輪のようなものなんでしょうね。)
飛行場に到着します。

タラップで出迎えたのはネルソンでした。

SH:回復したようだね。気分はどう?
(※気分はどう?の原文は「How ya feelin」
調べてみたらアメリカのフランクな言い方だそうです。
普通は「調子はどう?」ですが具合悪そうな相手には「大丈夫?」という意味になるそうです。
今回はネルソンの回答を鑑みて「気分は?」にしました。)

ネルソン:あなたの頭に弾丸を撃ち込むような感じですよ・・・Sir。

シャーロックがタラップを上っていきます。

ネルソン:そうしていれば私は勲章をもらえたでしょうね・・・ sir.

ネルソンの言葉に一度立ち止まりながら機内へ入っていきます。

薄暗い機内をシャーロックは座席に座っている人を確認しながら歩いていきます。
シートに座っていたのはすべて死人でした。

MH:コベントリーの難問。

後ろから声がして振り向くシャーロック。
奥から出てきたのはマイクロフトでした。

MH:私の解決策は何だと思う?
死者のフライトだ。
SH:飛行機は上空で爆発。テロリストの任務は完遂。何百人もの犠牲者、しかし誰も死んではいない。
MH:完璧だ、そうだろう?
MH:お前はずっとこの周辺をうろうろしていたな。それとも退屈しすぎてパターンに気づかなかったか?

シャーロックは依頼人たちの言葉を思い出します。

「おじいちゃんが死んだのに会わせてもらえないの。天国に行ったから?」
「彼女は私の叔母ではない。私にはわかります。灰に詳しいので。」

MH:少し前に我々はドイツとも同様のプロジェクトの進行させていたが、乗客のひとりは乗り遅れたはずだ。
しかし、お前のための死者はあらゆる意味で「Late」だ。
(※「Late」は遅かった、間に合わなかった、の他に「故人」の意味もあるようです。)

トランクに入っていた男の死体。解決できなかった事件でした。

SH:どうやって飛行機を飛ばすんだ。無人航空機だろうな。新しくもない。
MH:飛ばなかったよ。もう飛ぶこともない。プロジェクト自体が中止になった。
テロリストの組織に爆弾の事を我々が知っていると知られてしまった。
もう彼らを欺くことはできない。すべてを失ったのだ。
一通のメールのひとかけら、長い時間をかけた計画が終わりを告げた。

SH:国防省のあなたの部下だな。
MH:見せつけようと必死になっている孤独で世間知らずなひとりの男と、
彼を特別だと感じさせることができる賢い女。
SH:防衛の人間はもっと慎重に選ぶべきだな。
MH:国防省の男の事ではない、シャーロック、お前の事だ。

マイクロフトは声を一瞬だけ荒げたあと、再び静かに語ります。
悲しそうな表情のマイクロフト。

MH:「悩める乙女」結局、お前はそんなにわかりすい男なのか?
なぜなら、これはマニュアル通りだからだ。
愛の約束、喪失の痛み、取り戻した喜び、それからパズルを与える・・・そして彼が踊るのを見ている。
SH:バカげている。
MH:バカげている?どのくらいの早さで彼女のためにメールを解読してみせた?
1分?それともお前は本当に好印象を与えたかったのか?
IA:5秒もかからなかったと思うわ。

シャーロックの背後からアイリーンが答えます。

MH:私がお前を彼女のところに導いてしまった。すまない。知らなかったのだ。

アイリーンが近づきます。

IA:Mr.ホームズ。話がしたいの。
SH:僕もだ。まだはっきりしない事がいくつかある。
IA:あなたじゃないの、ジュニア。あなたとは終わったわ。

そしてマイクロフトに携帯電話を見せます。

IA:他にもいろいろあるの。
この携帯にはあなたの世界全体を転覆させる秘密、写真やスキャンダルがあるわ。
私がどのくらいの大惨事を引き起こすことができるのか見当もつかないでしょう、
私を止める方法はひとつだけ。
重大な機密漏洩を犯したのはあなたの弟だと上層部に報告したくないでしょう。



続きます。


この場面は何度見ても胸が痛くなります。
しかも兄に指摘されてしまうあたり、シャーロックの心中お察しです。

しかしお兄ちゃんも苦労します。
ずっと水面下で進めてきた計画がまさか弟に潰されるなんてね。
でもマイクロフトはそれよりも、
弟が受けるであろう傷の深さを心から心配しているようでもありました。

今回は暗すぎてきれいな画像が少なかったです。
いやまあ、いろいろ暗すぎですね。
なので始まりと終わりに明るい画像を貼ってみました。

↓どこかで拾った画像です。

Sherlock 2-1 A Scandal in Belgravia その21

2017-12-18 21:15:30 | Sherlock S2E1
「ベルグレービアの醜聞」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

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IA:国防省に勤める男がいたわ。彼も顧客なの。
見せびらかしが好きな男だった。このメールが世界を救うと言っていた。
彼は知らないけれど写真を撮っておいたわ。
彼はちょっと縛られていたの。かなり小さいけれど、読める?

アイリーンはシャーロックに携帯にある写真を見せます。



007 Confirmed allocation
(007 配置確定)

4C12C45F13E13G60A60B61F34G34J60D12H33K34K


SH:Yes.
IA:暗号なのは明らかね。
英国の暗号解読の権威のひとりに見てもらった。
だけど今思えば彼はずっと逆さになってたの。全然ダメだったわ。
あなたはどうする?Mr.ホームズ。

IA:さあ。感動させて。

アイリーンはシャーロックの耳元で囁きながら頬にキスをしようとします。

シャーロックは瞬時に閃きます。
答えを出すまでのわずかな時間をスローで表現しています。
ジョンは飲んでいたマグカップをデスクの上に置くまで、
そしてアイリーンがシャーロックの頬にキスをするまで。

そしてシャーロックは推理を披露します。

SH:多少の誤差はあるがバルチモアに向かう747型の飛行機が
明日夕方6時30分にヒースローを出発するのは間違いない。
それが世界を救うらしい。
どう実現するのかはわからないが少し時間をくれないか。
僕は8秒しかこの件に携わっていないんだ。

シャーロックがジョンの顔を見るとジョンは唖然とした表情。
それはアイリーンも同じでした。

SH:なんだよ、これは暗号じゃないぞ。旅客機のシートマップだよ。
「I」がないのは「1」と間違うからだ。「K」までしかないのは飛行機の幅の上限だろう。
数字は常にランダムで順番もバラバラに表示されるが文字は至る所で少し連続的になる。
家族やカップルが一緒に座るんだ。

SH:K55以降も列になっている広さがあるジャンボには必ず2階がある。
13列があるから迷信を信じる航空会社は除外。
フライトナンバーのゼロゼロセブンでもう少し絞る込めるな。

SH:情報元から考えるとイギリス発だと仮定できる。
最近、君への圧力が増したのは重大な局面が差し迫っているからだろう。
すべての条件にマッチするのは一便だけ、
今週中に出発する便はヒースロー空港を夕刻6:30に出発するバルチモア行きだ。

シャーロックは立ち上がりアイリーンを見ると、
アイリーンもシャーロックを嬉しそうにじっと見ています。

SH:驚いたとか素晴らしいとかを僕に言わなければなどとは思わないでくれ。
ジョンがあらゆる異綴語を駆使して同じような感想を言ってくれるから。

IA:あなたが2回慈悲を請うまでこのデスクであなたを可愛がりたい。
(「I would have you right here on this desk」 は難しいですね。
「I have you」この場合は自分の世界に引き込む、とか
自分のものにするとかそんな意味なんだと思うのですが・・・・
字幕は「机に押し倒す」吹き替えは「一戦交える」だったのでここは「可愛がる」にしてみました。)

ずっと固まっているシャーロックとジョン。
シャーロックはアイリーンを見たままジョンに言います。

SH:ジョン、僕が正しいかどうかフライトスケジュールをチェックしてくれ。
JW:あ、ああ、わかった。

SH:僕は慈悲を請う事はしない。
IA:2回よ。
JW:あったぞ。君の言う通り、ダブルオーセブンのフライトだ。
SH:何て言った?

JW:君の言う通りだと。
SH:違う、そのあとだ。そのあとに何て言ったんだ。
JW:ダブルオーセブン。ダブルオーセブンのフライトだよ。
SH:ダブルオーセブン、ダブルオーセブン、ダブルオーセブン・・・
何かダブルオーセブンに覚えが・・・何だっけ。

シャーロックが考えている間、
アイリーンはこっそりとどこかにテキストと送っていました。


747 TOMORROW 6:30PM HEATHROW

そのテキストを受信したのはモリアーティでした。


SH:ダブルオーセブン、ダブルオーセブン、何だったか・・・

その時、シャーロックはマイクロフトの電話を思い出します。

「ボンドエアーは飛ぶ。」

一方、モリアーティはマイクロフトにテキストを送ります。

Jumbo Jet. Dear me Mr Holmes, dear me.
ジャンボジェット。なんとまあ、Mr.ホームズ、なんとまあ。



そのテキストを見たマイクロフトは愕然とします。
頭を抱え長い時間ずっと考え込んでいるのがわかります。



続きます。

ホームズ邸初公開でしたがすごいお屋敷に住んでいるんですね。
いろいろと憶測が飛んでいましたが、
S3で両親が登場し、中流もしくは上流の家庭なので長男のマイクロフトがこの家を継いで
両親は郊外のマナーハウスに住んでいる、というのが定説になっていました。

このモリアーティとマイクロフトの関係も考察されていました。
結局、モリアーティの後ろにはユーロスがいたというオチでしたけど。
いやいや、ここではS4の事は無かったことにしないと・・・・
何にせよこのくらい緊張感のある関係が良かったですね。

そして、目の前で繰り広げられるシャーロックとアイリーンのセクシー会話に
ジョンのリアクションが本当に最高です。さすがリアクション王。

続きます。

ボンドナイトをやったんだから最初に「007」を見てピンとこなきゃだよ、シャーロック。
でも「ダブルオーセブン」がボンドだと気づいたのはそのおかげなのかしらね。
久しぶりに「ダイヤモンドは永遠に」のジョンブログと、
ボンドナイト決行中のシャーロックのブログを読みましたが、
ハリー姉さんの名言、「Get a room!」と言いたくなりました。
なんでお互いのブログのコメントで会話するんでしょうね。

よかったら読んでやってください。
「ダイヤモンドは永遠に」とボンドナイト from The Blog of JW

Sherlock 2-1 A Scandal in Belgravia その20

2017-12-12 20:33:34 | Sherlock S2E1
「ベルグレービアの醜聞」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

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バーソロミュー病院。
シャーロックは研究室でアイリーンの携帯を分析しています。


それをじっと見ているモリー。

Molly:携帯電話?
SG:カメラ付き携帯電話だ。
Molly:X線で調べてるの?
SH:そう。
Molly:誰の携帯?
SH:女性の。
Molly:ガールフレンド?
SH:僕が彼女の所持品をX線で調べてるからガールフレンドだと言うのか?
Molly:そうよ、みんなバカみたいな事をするじゃない。
SH:Yes.


シャーロックのイエスにショックを隠し切れないモリー。

SH:みんなバカな事をするんだ、そうだろう?

シャーロックは突然立ち上がり携帯を手にします。

SH:彼女は僕の住所にこれを送ってきた。そして彼女はゲームが好きだ。

シャーロックは暗証コードに「221B」と入力します。

Molly:そうなの?

しかしエラーになります。悔しそうなシャーロック。


再び分析を始めます。


(この場面のモリーがずっと不細工で・・・・やはり嫉妬という感情は醜くするものなのかと。)

帰宅したシャーロックは鼻をすんとさせて匂いをかぎ、

それからキッチンの窓が開いているのに気がつきます。
そしてもう一度匂いをかぎゆっくりと寝室に入りベッドのほうをじっと見つめます。

リビングにいたジョンが声をかけます。

JW:シャーロック・・・・
SH:依頼人だ。
JW:え?君のベッドルームに?

ジョンもシャーロックの寝室に入るとベッドを見て驚きます。
そこにはアイリーンが眠っていました。


リビングルーム。
アイリーンが依頼人の椅子に座っています。

SH:誰に狙われているんだ。
IA:私を殺したい人。
SH:それは誰なんだ。
IA:殺し屋よ。

JW:もう少し具体的に言ってくれたら助けられるけどな。
SH:それで君は彼らを出し抜くために死を装ったのか。
IA:しばらくはうまくいったわ。
SH:ジョンに君の生存を知られたことを除けばね。結果的には僕にも知られた。
IA:あなたは秘密を守れる。

SH:どうかな。
IA:でも守ったでしょう。携帯はどこ?

JW:ここにはないよ。僕たちだってバカじゃないんだから。
IA:どこに持って行ったの?あなたが持っていると彼らに気づかれたなら監視されてるわよ。
SH:監視をしているなら数か月前にストランドにある銀行の貸金庫に持って行ったと知っているはずだ。
IA:必要なのよ。

JW:でも僕たちが取りに行ってもダメなんだ。
モリー・フーパーだよ。彼女が取りに行ってバーツに持って行く。
そこからホームレスネットワークのひとりがここまで運び、カフェに置いておく。
そしてスタッフに持ってきてもらうんだ。
SH:いいね、ジョン。知性的な警戒心を伴った素晴らしいプランだ。

JW:サンキュー。それで・・・

シャーロックはポケットから携帯を出します。

SH:それで君はここに何を隠しているんだ。大まかに。
IA:写真、情報、役立つと思ったものは何でもよ。
JW:脅迫か?
IA:身を守るためよ。私は努力をして成功してきたし無作法な事もしているわ。
必要になったその時は彼らが私の見方になってくれることを確信したいの。
SH:それで君はどうやって情報を手に入れてるんだ。
IA:言ったでしょう、無作法な事をしてるって。

SH:だが君は身を守るどころか危険な何かを手に入れている。それが何かわかってる?
IA:ええ、でも解明はできてないの。
SH:そうだろうな。僕に見せてみろ。

アイリーンは携帯を渡すようシャーロックに手を出しますが
シャーロックは携帯を渡しません。


SH:パスコードを。

アイリーンは口を開かずじっとシャーロックを見ています。
しばらく沈黙のあとシャーロックはアイリーンに携帯を渡します。
アイリーンはシャーロックの様子を窺がいながら携帯を手に取ります。
そしてコードを打ちますがエラーになりました。

IA:ダメだわ。
SH:僕が作った複製だからだ。君は1058と入力したな。

シャーロックは立ち上がるとアイリーンから携帯を取り、
アイリーンが座っていたソファから取り出した本物の携帯と入れ替えます。

SH:君はもっと特殊なコードを設定すると思ったけど、まあ、とにかくありがとう。

シャーロックは1058と入力しますがエラーになります。

IA:言ったでしょう、携帯は私の命だと。手にした時からわかってたわ。
SH:なかなかやるな。
IA:あなたも悪くないわよ。


じっと見つめあうふたり。


沈黙を破るようにその時ジョンが口を開きます。

JW:ヘイミッシュ。

ジョンの突然の言葉にふたりともジョンを見ます。


JW:ジョン・ワトソン・ヘイミッシュ、
もし君たちのベイビーに名前をつけるとしたらどうかなと思って。

しれっとそんなことを言うジョンに少し顔を歪めるシャーロックでした。




続きます。


コメンタリーでモファティスが、
アイリーンもジョンもシャーロックに惹かれていると言っていました。

それはきっとモリーのようなシンプルな感情ではなく、
レストレードのように単なる親心でもないもっと複雑な感情ではないでしょうか。

ジョンに関しては、
誰にも心を開かない稀代の天才といわれる男が、
自分にだけは心を開き今では当たり前のように隣にいる。

知るほどに彼の才能に驚き、称賛した。言葉は辛辣だけど優しいところもある。
だからこそジョンは文句を言いつつも彼の面倒をずっとみてきた。
しかし今、彼は自分以外の人に関心を持ちあまつさえその相手を絶賛までしている。

何だよ、僕にはそんな態度見せた事なかったぞ。
いや、しかしシャーロックが他人に関心を、しかも女性に。
ここは大人として祝福したほうがいいのか。
いや、しかし相手は普通の女性じゃないぞ。遊ばれるのがオチかもしれない。
おい、見つめ合ってんじゃねーよ。何だよそれ。僕は心配してるんだぞ。

と、いう心境だったのではないかと勝手に想像しました。

しかし、改めて観るとこのエピソードはマーティンの演技が炸裂ですね。