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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

パトリック・メルローズ 「Never Mind」その12

2019-02-25 20:36:26 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger

ラストです。


リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

Previous → パトリック・メルローズ 「Some Hope」その11


キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)


ブリジットがクローゼットの服をバッグに詰めています。
椅子には眠るベリンダを膝にのせているヴァージニアがいます。


VS:私はあなたが帰りたがっているのかどうか考えていたと思う?
BG:知らないわよ、ママ。その話はここを出てからにして。
VS:あなたが幸せになれるなら。
お父さんはいつもニコラス・プラットを責めていたわ。
あなたはとてもいい子だった、彼に会うまでは。
それからはすべてを批判するようになったわね。長いつきあいの人たちを。善良な人たちをね。

ブリジットの目から涙が溢れます。


VS:お父さんはあなたをずっと愛していた。でも私はお父さんが傷つかなかったふりはできないわ。

遠くで花火の音がします。

VS:言い過ぎた?
BG:いいえ、全然。
VS:明日ちゃんと話しましょう。さあ、急がないと。道のりは長いのよ。


再びパトリックとジョニー


JH:決して勧誘してるわけじゃないぞ。
PM:うん。
JH:前へ進む方法はただひとつ、もっと自分自身と距離を置いて他の何かに夢中になることじゃないかな。
PM:つまり趣味を持てってこと?

笑うジョニー。

JH:何でもいいんだよ。
PM:恋をするとか、子どもを持つとか。
JH:うん、いいね、どう?
PM:恋愛は何度もやってみたよ。
JH:愛じゃなかったのかも。
君は誰かが自分の傷ついた心を癒してくれると胸を躍らせて、でもそれが叶わないと気づいて失望したんだ。

JH:でも次があるさ。
PM:うん。でも苦痛や恨み、皮肉も紳士気取りも、
そして自己嫌悪も消え去ると何も残らないかもしれないという危険もある。
JH:うん、だから代わりになるものを考えるんだよ。

花火が大きな音を上げて夜空に浮かびます。
マーガレット王女が帰るところに2階からスーツケースを持ったブリジットと
ベリンダ、ヴァージニアが下りてきます。


M:ソニーはどこ?
BG:まったく気にも留めておりませんでしたので、陛下。

ブリジットはそう言うと王女の横を通り過ぎます。

庭ではソニーとニコラス、ジョージがベンチに座っています。



SG:私は大バカ者だ。
NP:そんなことはない。
SG:そうせざるを得なかったんだ!ブリジットが息子を産めなかったのはそれほど重いんだ。
彼女のいない人生はどうなるのかな。でもシンディは独特の考え方を持っている。
彼女は壁を突き破れという。競売人のように家具を眺めてるよ。

ジョージがふと後ろを見るとブリジットたちが車に乗り込もうとしていました。


GW:今のブリジットじゃないか?

後ろを見るソニー。


SG:ブリジット!

ソニーが慌てて追いかけます。
ブリジットはエンジンをかけ車をスタートさせます。

どこに行くんだ、ブリジット!車を止めろ!ブリジット!

ブリジットはソニーの姿が見えなくなると安堵したような笑顔になります。
立ち尽くすソニー。


パトリックとジョニーはエントランスを歩いています。

PM:父はとても不幸だったと思う。でも誰かを赦すのに変わろうとする必要があるのか?
JH:でも彼が変わったら赦される必要もなかったんじゃないかな。

そこに先ほどのウェイターが通るのでパトリックは呼び止めます。

PM:失礼。さっきは怒鳴って悪かったね。
ちょっと厄介な話の最中だったんだ。
ウェイター:仕事ですから。こちらこそすみませんでした。

JH:どうすれば赦せるのかな。

ジョニーがパトリックに話しかけたのを聞いていたウェイター。

ウェイター:赦せますよ。そんなに大したことではありません。

ジョニーは驚いて否定します。

JH:いや、君の事じゃないから!


ウェイターが立ち去ると二人で吹き出すように笑います。

PM:まあ、ウェイターが赦してくれても眠ることはまだできないな。
あのホテルの部屋の事を考えてしまうんだ。


JH:話してくれてありがとう。
PM:カリフォルニア人むたいな事はいわなくていいから。
JH:イギリス人らしくする必要もないだろう。

パトリックが笑います。

JH:パーティも終わりだな。
PM:それだけじゃない、ひとつの時代が終わったんだ。
JH:そう願いたいね。


お互いに頷きあいジョニーが帰ります。
ふと目の前に止めてある車にいる人物に目が留まるパトリック。
ゆっくりと近づいていきます。
バンドのメンバー、チリー・ウィリーです。


CW:何か?
PM:ニューヨークにチリー・ウィリーという知り合いがいたんだけど。人違いかな。
CW:そいつはどこに住んでいた?
PM:10番街だ。
CW:何をしていた?
PM:売人でストリートで生活をしていた。
いや、そんなはずはないな。

パトリックが立ち去ろうとしたときチリーが言います。

CW:コートだ。

振り向くパトリック。

CW:いつもコートを着ていた英国人だ、違うか?
PM:パトリック・メルローズだよ。信じられない!見違えたよ。
CW:俺はミュージシャンだったんだ。知ってたか?
PM:君の奥さんからヘロイン用の注射器を20ドルで買ったよね。
CW:ああ、彼女は過剰摂取で死んだんだ。
PM:そうか、気の毒に。でも君が生きているのは奇跡だよ。
CW:お互いに。


笑うパトリック。

CW:すべてが奇跡だよ。
俺たちが石鹸の欠片みたいに風呂で溶けてしまわないのも奇跡だな。


ぽかんとしているパトリックの肩を叩き立ち去るチリー。
見送っているとメアリーが出てきました。


Ma:会えてよかったわ。
PM:うん。

帰ろうとするメアリーを呼び止めるパトリック。

PM:朝食で会えるかな?
Ma:もちろんよ。コッツウォルズカーベリー?
PM:うん、9時ごろに。
Ma:がっかりしないようにね。

笑いながら消えていくメアリー。


暗闇に包まれる湖でたばこを吸うパトリック。


木の枝を湖に投げると子どもパトリックの姿と重なります。


しばらく湖を見つめています。



以上です。

救いと希望のあるラストでかなりホッとしました。
ジョニー、本当にいい奴。
パトリックは辛い人生だったけど信頼できる人がそばにいてくれて良かったよね。

ブリジットのラストもスッキリしました。
この日ふたりが人生のリスタートの一歩を踏み出したわけですね。

果たしてパトリックはこのまま幸せになれるんでしょうか。

E4に続きます。


パトリック・メルローズ 「Some Hope」その11

2019-02-22 09:09:14 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger


リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

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キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)



二人は手をつなぎ2階に続く階段に向かうと
階段の前で警備している男に阻まれます。

男:申し訳ございませんが上はプライベートで・・
J:私たちはここに滞在してるのよ。

男はふたりを通します。

J:Thank you!
PM:最悪のアイデアとしか思えないよ。


2階に上がるとブリジットとソニーの争う声が聞こえてきました。


BG:屈辱だと言ってるのよ!
SG:この話はまた朝にでもしよう。
BG:はぐらかさないで!
SG:私たちが姿を消すとゲストたちが変に思うだろう。
BG:あなたの客なんかどうでもいいわ。言いなさいよ、最初は・・・

その様子をじっと窺っているふたり。

J:知ってるわよね。
PM:不倫の事?
J:不倫じゃなくなるわね。
シンディは重要な男の子を妊娠してるの。
ソニーは後継者が欲しいからシンディを次のグレーブセンド夫人にするつもりよ。
PM:かわいそうなブリジット。
J:価値のないヘンリー8世のようにね。
ここは笑うところよ。
PM:君も笑ってないじゃないか。
J:私は偽善的じゃないの。彼女は自業自得よ。
PM:なんで?
J:わかってるでしょう。
身分不相応なのよ。
彼女が疲れてきているのも不思議じゃないわ。
PM:僕は君に予約を入れてるんだけど。

そうね、早くいきましょう。

ジュリアとパトリックは奥の部屋に行きます。


BG:ここで彼女とヤッたのね?
違うよ、いやそうだけど寝室には入れてないよ。

ブリジットが部屋から出てきます。



ジュリアとパトリックは激しく愛し合います。
パトリックがジュリアを壁に押し付けた反動で手に持っていたグラスが床に落ちて割れます。

J:私、最近誰と浮気していると思う?
PM:それ今話すこと?
J:あなたの友だちのジョニーよ。

その言葉を聞いて動きを止めるパトリック。


PM:すっかりやる気を失ったよ。
J:私を奪い返したくなるんじゃないかと思ったの。
ジョニーは完璧だけどそれが問題なのよ。
あなたが今日ここに来ると知って嬉しかった。
パトリック・メルローズ。
自分でも驚きだけどあなたが恋しかったのよ。
PM:僕もだ。でも僕はジョニーと友だちでいたいんだ。
J:うそでしょう?
PM:僕はもう皮肉も緊張もほしくない。
J:あなたは皮肉も緊張も大好きじゃない。
PM:君は誰もが自分と同じだと思ってるんだな。
J:Fuck off, Patrick.


身支度をするパトリック。

PM:確かにそろそろ下に降りたほうがよさそうだ。口論になる前にね。君からどうぞ。
J:うんざりよ。

ジュリアが出ていきます。


ジャケットを羽織り深呼吸していると割れたグラスが目に入ります。
子どものころ、初めて父に虐待された日を思い出すパトリック。


PM:グラスを割っちゃったんだ。お父さんには言わないで。
AM:お母さんは?お母さんと話したい?
EM:パトリック、どうしたの?
マリアンヌ:お父さんに何を言おうとしたの?


階段から落ちる瞬間現在に戻ります。

グラスをゴミ箱に捨て部屋を出るパトリック。
音楽鳴り響くフロアにジョニーがいました。

JH:探したんだぞ。
PM:君こそどこにいたんだ。まあいいさ。どこか話ができるところ探そう。



静かなところで話を始めます。


PM:声を大にして何かを言ったことはないしこれからもないって君に言ったよね。
言葉足らずなのは許してほしい。恥ずかしいからではなく君に負担をかけたくないだけなんだ。
JH:つづけて。
PM:僕の両親のアルコール依存症や暴力の話はしたよね。でも僕が避けてきたのは・・・


パトリックが話していると後ろからウェイターがシャンパンを持って来ました。

JH:ちょっと待って。

パトリックはすぐに断ります。

PM:結構だ。
ウェイター:もうすぐ花火が上がりますのでそのお知らせです。
PM:Thank you.


ウェイターの姿が見えなくなり再び話し始めます。

PM:8歳の時から数年にかけて、僕は父から最近の言い方をすれば「虐待」を受けてきた。
JH:「虐待」って?

涙をこらえようと言葉に詰まるパトリック。

PM:それは・・・・
誰にもそんなことをしてはダメなんだ。
最初は・・・・


その時、再びウェイターがやってきます。

ウェイター:花火ですが・・・
PM:君はたった1分でも僕たちをそっとしておくことができないのか?会話にならないじゃないか。

怒鳴るパトリック。

ウェイター:大変失礼いたしました。

PM:僕たちは子どもじゃないんだ。花火があがって喜ぶように見えるか?

怒鳴り続けるパトリックに黙って立ち去るウェイター。


PM:虐待とは何かって?性的虐待だよ。
JH:なんてことだ。だから君は父親を憎んでいたのか。
PM:これでわかったろう?
最初は罰だったんだ。でもその悪行にカフカ的な魅惑があるなんて知らなかったよ・・・

JH:なんてひどい奴なんだ。
世界がふたつに引き裂かれた思いだったろうな。
PM:うん、そんな感じだった。なぜわかった?
JH:そんなの当たり前だよ。
PM:それをされてる時、変に聞こえそうだけど、壁にトカゲがいた。
鮮やかな緑色のヤモリだよ。
「どうにか僕自身を内側に押し込めてしまえばやり過ごせる」そう思ってた。
逃げ出すことは叶わないとわかってたから。


パトリックは泣きながら手で顔を覆います。
そして顔を上げ話を続けます。


PM:でも僕はもう憎むことに疲れたんだ。それだけじゃないんだけど。
この事だけでなく、社会に出て何かを学び、貢献し、
ただ生き抜くだけでなく生きるのであれば真実を話すべきなんだ。

その時、花火のあがる音がします。
パトリックは少し笑います。

PM:花火は見えないな。もし見たいなら・・・・
JH:いいって。



続きます。
次で最後です。

パトリック・メルローズ 「Some Hope」その10

2019-02-18 18:47:43 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger



リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

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キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)




ブリジットとパトリックの会話です。


BG:一番覚えてるのは、あなたの毒父は別にしてよ、あのステキな邸宅よ。
PM:ここには敵わないよ。
ああ、そうよね、成り行きっておかしなものだわ。
本当にステキなの、くだらない連中で埋まってほしくないわ。
あなたは別よ。ママもね。
PM:君は僕の両親のとりまきと違ってすごくクールに見えたよ。
優しかったし。
BG:優しい?ほかの誰かと勘違いしてないでしょうね。
あなたは天使じゃなくていいからちょっと彼女の相手をしてくれない?

ブリジットはヴァージニアを呼びパトリックに紹介します。

BG:友人のパトリック・メルローズよ。
VS:ああ、覚えてるわよ。
PM:すごいパーティですね。

ブリジットはパトリックに母親を任せるとその場を離れます。



デイヴィッドがブリジットに話しかけます。

DW:ブリジット!楽しいパーティだね!
はっきりさせておきたいんだけど、妻が来れなくてシンディに会ったから・・・

ブリジットは適当に相槌を打ちながら歩き続けます。
すると前の前にソニーとシンディがいました。


SG:ショウが始まるよ。触ってもいいかい?
CS:ソニー、ダメよ、少なくとまだ数週間はね。

その場に立ち尽くすブリジット。
そして引き返すとトニーに会います。

TF:どうした?
BG:シンディとソニーが一緒にいたわ。
彼女とは交流がないから招待しないと言ったのに、来てるのよ。
ただの被害妄想かしら。
TF:絶対にそうだよ。
BG:本当に被害妄想?
TF:場所を変えよう。


会場では「Wet Wet Wet - Love Is All Around」の演奏とともに
メンバーの紹介が始まります。
↓Youtube
Wet Wet Wet - Love Is All Around

「ジョー・ワグナー サクソフォーン。」


パトリックのところにソニーがやってきます。

SG:パトリック・メルローズ。飲まないのか?
PM:Happy birthday, Sonny

「ドン・ウィルズ トロンボーン。」

SG:私はこの部分が好きじゃないんだ。彼らの名前なんて知りたくもだいだろう?
さっきブリジットと話しているのを見かけたよ。

「チリー・ウィリー・ワトソン コルネット」

SG:彼女はひどく荒れているように見えたけど。


そこにジョニーもやってきました。

JH:ソニー、ちょっとパトリックを借りるよ。

ジョニーとパトリックがソニーから離れます。


「チリー・ウィリー・ワトソン!」

バンドのボーカルが叫ぶ名前に反応するパトリック。


JH:大丈夫か?
PM:ああ、ごめん。何かちょっと・・・
JH:行こう。


歩きながら話すふたり。

JH:ホストから救わなくちゃ、と思って。
PM:あの男からはサウナのドアを開けた時のような愚鈍な空気が流れているよな。

ふたりのそばでソニーとシンディが会話をしています。

CS:理にかなってるでしょう。
SG:だめなんだ、今は彼女には話せないよ。
CS:話してよ。

その様子を見ていた二人。


PM:周りを見ろよ。小さいころから見覚えがある人ばかりだけど
みんな頑固で鈍いんだよ。
JH:彼らはマルクス主義者の最後の姿だ。
PM:そうなの?
JH:階級など信じそうにない人たちは総じてそんな解釈だ。
PM:どこか別の場所に行こう。

家の中に入ろうとする二人の前にジュリアが現れました。

J:ふたりで内緒話かしら?

パトリックにキスをして挨拶をしているとジュリアの夫アンガスがやってきます。


J:ジョニー、パトリック、私の夫を紹介するわ。
アンガスよ。
A:大したパーティだな。かなり費用がかかっているだろうね。
J:夫は費用のことしか頭にないの。何か飲んだら?全部タダなんだから。
ジョニーに連れて行ってもらって。
PM:実はジョニーと僕は・・・・
A:さあ、行こう。

ジョニーはアンガスとその場から離れます。


J:彼、経歴は立派なんだけどね

笑うパトリック。

J:探検しましょうよ。会えてうれしいわ。
私を避けてるのかと思ってた。悪影響があるから。
PM:君を避けてたんじゃなくて閉じこもっていたんだ。
J;でも今日はここに来たのね。
このつまらないパーティも盛り上がりそうだわ。
PM:君は生きてる身体を見つけるためにそこら中の身体を蹴ってきたのか。

目の前にはトニーとアマンダがいます。


J:トニーはコカインを持ってるわ。
それはルール違反だと思うのよ、そうでしょう?
PM:うん、確かに。
J:なぜ男たちはあんなに退屈なのかしら。
昔はバターをセックスにどう使うか話していたのに。
今ではバターをどうやって食事から抜くかを話してるなんて。
ほら、デビーよ。きれいね。

トニーがデビーと一緒に歩いています。

PM:うん。
僕はジョニーを探しに行ったほうが良さそうだ。
J;2階に行けるけど。
PM:2階に?なんで?
J:セックスするためよ。余計なしがらみはなしでね。
PM:暇つぶしにはなるな。
J:それはどうも。
PM:うそだよ、ぜひお願いしたいところだ。
J:それじゃ、行きましょう。


ジュリアは空いたグラスを片手にパトリックの手を引きます。

続きます。

あと2回くらいで終わります。
グダグダですがラストは少しスッキリすると思います。

パトリック・メルローズ 「Some Hope」その9

2019-02-02 10:55:18 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger


リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

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キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)



ディナーが終わりパーティの場面。
バンドによるMark G Hart & Stephen Emil Dudas の「 Candles On The Cake 」の演奏でみんな踊っています。


高級車が次々と止まり招待客が入っていきます。
ソニーの浮気相手、シンディ・スミスがデイヴィッド・ウィンドフォールを伴って現れました。

CS:ソニーも私もあなたには感謝してるわ。
DW:ソニーのためだ。だがブリジットには近づかないようにしてくれ。
彼女は激しいからな。
CS:ええ。
DW:警備に聞かれたら私の妻を装うんだ。

外の様子を見ながらたばこを吸っているパトリック。

「あ、パトリックだわ。」

アマンダの声がしてパトリックは慌てて中に入ります。


突然父親の旧友、ジョージ・ワットフォードに声をかけられます。

GW:これは驚いたな!
PM:ジョージ!
GW:耳が遠いから横に座ってくれないか。

ジョージの隣に座るパトリック。

PM:みんな絶望しながら静かに暮らしていると思ってたよ。
GW:静かどころではないね。お前は何か楽しめることを見つけたかな?
PM:ああ、でも残念だけどそれは諦めたんだ。
GW:お前は大きな罪を犯してるぞ。
PM:僕が?

GW:時間を無駄にしているだろう。貢献しないといけないよ。
No man is an island(人は孤立した島ではない)
島を持っているものは驚くべきほどいるがね。それもスコットランドだけではなく。
PM:もちろん仰る通りです、父もかつてこう言いましたよ。
「才能があるならそれを使うんだ。さもなければ惨めな人生になるぞ。」
父が敵意なしに言った唯一の言葉でした。
DW:彼は非常に優秀な男だったが幸せではなかったと思うよ。
PM:そうですね、僕は父の事をあまり考えなくなりました。
彼はお前が同じ過ちを犯すのを嫌っていたんだよ、パトリック。
もう無駄な時間はないぞ。

ジョージの言葉に固まるパトリック。


PM:僕はもう行かないと・・・
GE:もちろんだ、行きなさい。

席を立ち奥の部屋に歩いていくとデビーに会います。

DH:パトリック。
PM:デビー。きれいだよ。
君はいつもパーティではそうだったけど。
DH:覚えてるなんて驚いたわ。いつも誰かと2階の寝室にいるかトイレで気絶しているのに。
PM:君にその話をしたかったんだ。
僕は君にとって優しい男じゃなかったけど僕は・・・
DW:知ってるわ。
12ステップでしょう?(12ステップのプログラム)私は道徳上のリストのひとりなのね。
PM:違うよ、僕はただ・・・
DH:失礼するわ。


怒って立ち去るデビー。

SG:デイヴィッド、シンディ!

ソニーがシンディーに駆け寄ります。

SG:よく来てくれたね。
CS:ハッピーバースディ、ダーリン。

どこかに行こうとするふたりにデイヴィッドが話しかけます。

DW:ソニー、隠していることはないか?
ブリジットがやけに怖い顔して私を見るんだ。打合せ通りでいいんだろうな。
SG:君はシンディに会って、君の妻が来れないから代わりに彼女に同伴をお願いした。
私には何ら関係のないことだ。
DW:わかった。
えーと、私はシンディに会って、妻の代わりに・・・・

デイヴィッドがブツブツと考えているうちにソニーとシンディは柱の陰に隠れます。

SG:Hello, you.
CS:Happy birthday, darling.
会えてうれしいよ。最高のプレゼントだ。


ニコラスとパトリックの会話です。

NP:ほら、マーガレット王女だ。
彼女につまずかないように注意しないとな。
PM:あれは驚いた。
NP:私は敬服したよ。
王女にはお前の父親が持つ人生の喜びのようなところがある。
ふたりが出会ったところを想像してみろ。
PM:想像って。
NP:彼女はささいなアクシデントを利用して最大の屈辱を大使に与えたんだ。

ブリジットが目の前を歩いているのを見ているパトリック。

NP:だが、私は彼の妻に全面的に尽くしているんだよ。彼女は上品そうに見えて生来の意地の悪さがある。

大使夫妻が来ました。

PM:僕は失礼する。ここの支配人と話をするよ。

パトリックが立ち去ります。

JA:お邪魔だったかしら。彼はとてもナーバスのようだから。
NP:お気になさらずに。

大使に向かって

NP:Mon cher(親愛なる)ジャック、厄介な女性の扱い方、実にお見事でした。
JD:ありがとう。だが王室の存在が重くのしかかっているように感じるよ。
パーティの奥深さを探ることはできたかな。
NP:親愛なる友よ、あなたこそがパーティの深みですよ。
JD:さようなら。また会いましょう。


大使夫妻が去り王女がそばにきました。

M:敵と交流かい?
NP:彼らは同情を得ようとやってきたのです。殿下。
場違いな場所に来てしまったと言っておりました。
大使は不器用な愚か者だし彼の不条理な妻には・・・・


そこにアマンダが来ました。

AP:こんにちは。とてもステキなパーティですね。
NP:後で話そう、いいな?

アマンダが離れます。



M:誰?
NP:私の娘です。何の話をしていましたっけ・・・・


続きます。


上流階級の上辺だけの会話はがまだまだ続きます。

パトリック・メルローズ 「Some Hope」その8

2019-01-29 15:22:56 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger


リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

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キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)


パトリックは一点を見つめています。すぐ近くのニコラスの会話が聞こえてきます。

NP:マーガレット王女を称賛しておけばみんなが穏やかに過ごせるからね。

Ma:大丈夫?
メアリーの言葉に我に返るパトリック。



部屋の外でジャクリーンが怒っています。
ジャクリーンは階段に座っているベリンダを見つけます。


JA:あら、こんにちは。あなたは誰?
Be:ベリンダよ。
マーガレット王女はここにいるの?


場面はダイニングに変わります。

M:あなたの子どもはいたかしらね、ソニー。
SG:おりますよ。7歳の娘です。
M:嫡子はいないの?
SG:はい、それでも私はあの子がとても大切なんです。


ニコラスが話しかけます。

NP:いろいろな意味で責任は感じているよ。
結局にところあなたのお父上のところで身分の低いミス・ワトソン・スコットを上流社会に紹介したのは私だ。


パトリックは天井画を見て、ニコラスを見ます。

NP:まさか彼女が社交界の頂点で意のままに指図する立場になろうとは。
PM:うん。
NP:お前のような堕落者がこんな華々しい機会に招待されたのは幸運なんだぞ。
PM:ものすごく感謝してるよ。
NP:うまくやってるか?
PM:飲みたくて死にそうだ。
NP:そうか、すごく美味いのにな、同情するよ。

パトリックがちょっと嫌な顔をします。

NP:ヘロイン中毒になったことはないがタバコをやめるときはかなり大変だったよ。

扉から顔を出したベリンダ。
パトリックと目が合い手を振ります。


Ma:あら、あれはきっと・・・
PM:ちょっと失礼するよ。

パトリックが席を立ちます。
ベリンダの前で膝まづくパトリック。

PM:誰かさがしてるのかな?
Be:マーガレット王女に会いたいの。
PM:なるほど。でもここには来ないほうがいいと思うよ。
お母さんにお願いしてみようか。



NP:おや、眠れない子がいるようだな。

ニコラスが大きな声で言うのでみんながベリンダを見ます。
ブリジットが慌てて席を立ちます。


M:誰なの?
SG:申し訳ございません、娘なんです。
M:寝ていなければだめよ。

ブリジットがベリンダのところにいきます。
パトリックにお礼を言ってベリンダに向かいます。

BG:何をしているの?今は大人の時間なのよ。
Be:マーガレット王女はどこにいるの?

後ろから大使夫人。

JA:そうよ、お母様に紹介してもらいなさい。
Be:お願い、ママ。


M:政治には関与しているの?
個人的にはうまく統治してくれれば誰が就こうが構わないけど、
絶対に避けなければならないのはワイパーのような、左、右、左、右・・・・

ブリジットがベリンダを連れて王女に話しかけます。


BG:陛下、ご紹介をしたく・・・
M:今はダメだよ。彼女は寝ていなければいけない時間なんだから
興奮させてしまうだけでしょう。
SG:仰るとおりです。
しかし娘はどうやって部屋から脱出したのか。

ソニーが手ぶりであっちへ行けと言います。
ブリジットがベリンダをなだめる様に連れて帰ります。


SG:そろそろ他のゲストたちと合流する時間のようです。
M:そうね。楽しいディナーだったよ。私は派手なパーティは好きじゃないの。
SG:私もです。妻のアイデアで取り仕切りました。

様子ずっと見ていたパトリック。



続きます。

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