That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock Series 3 Special Features その11

2014-04-29 01:01:08 | Sherlock S3SP
「THE FALL」

特典映像ラストになります。


S3の内容とネタバレが含まれますのでご注意ください。


最近「SHERLOCK」のミニエピソードのようなスペシャルをクリスマスに向けて製作する噂が流れましたが、
マーティンのインタビューの中で出た話題で「作りたいね」なニュアンスだった感じですか?
ちゃんと調べたわけではないので真偽はわかりませんが、もし本当だったら踊っちゃいますよ、私。

ところで先日ふと自分のブログ内のランキングに目が留まりまして。
あくまで自分のブログの記事の閲覧数のランキングなのですが、
1位はなんとダントツでSherlock S3E1の「The Empty Hearse」その1でした。
今でも見てくださる方がいるなんてとてもありがたいです。

S3の始まりだしあのモリーちゃんとのキスシーンもコマ送りのように画像いっぱい貼ったからですかね。
で、2位はというとその2を通り越してその3なんですよ。その2なんてほぼ圏外で(笑)
何でだろう、その3て何が書いてあったけ?と久しぶりに自分の記事を見てみたら、
そこにはモリアーティとの例のあの場面が!
ちょw君たち!
と、自分で貼っておいて誰ともなく突っ込んでしまいました(笑)

記事と言えば、大昔にUPした「ベルグレービアの醜聞」の昨日の閲覧数が
すごい事になっていたのですが、きっとBSで再放送したからなんでしょうね。
この頃UPした記事は翻訳しているわけでもなく画像もただただ貼っているだけの
どこに出しても恥ずかしい浮かれっぷりがわかる内容なので、ちょっと死にたくなりました(笑)

ワード検索で来ていた方がほとんどなのでさぞがっかりされたと思います。
そういえばバスカヴィルの途中でS3を始めたので、中途半端に終わったままでした。
せめてライヘンバッハはちゃんと翻訳してUPしたいと思ってたりもしてるので、
この特典が終わったらどうにかしたいですね。

そして、今更ながらケースブックを購入してしまいました。
私は結構Amazonのレビューに左右される性質なのですが翻訳版のレビューがあまりにもひどくて
とても購入する勇気がなかったんです。で、気が付いたら英語版購入してましたよ(泣)
どうするつもりなんでしょう、私。

ものすごく長い前置きになりましたが、ここからスタートです。
タイトル通りシャーロックが飛び降りる場面から始まります。

もう何度観てもこの場面と「Prepared to Do Anything」の曲はつらいですね(涙)


モファットさん。
「我々がSeries2を始めたときにはどのように終わらせるかも決めていた。
実際にシャーロックをビルから落とすことも決めていたから彼は飛び降りて死ぬことになるんだ。
我々はドイルがやったようにごまかす事はしたくない。
ワトソンの腕の中で確実に彼を死なせるよ。
彼は間違いなく死んでるし、まさしくそのラストを撮影したんだ。」
マークさん。
「死んでないけど(笑)」
モファットさん。
「シャーロックはそこに立ってるんだ。どうやって戻るかは話せないけど。」

マーティン。
「シャーロックが死んだという事ははっきりしてた。それは疑いようがなくて、
その後、最後に彼に会って聞くんだ。『ところで、それどうやったの?』」

そしてロケ地に集まったファンガール。
「たくさんの説があるのよ!」

ベネディクト。
「みんなコートの事に気がついてないよね。要するにフライングスーツなんだよ。」

【Theory1】By ベネディクト。
「約100フィート落ちる事によって滑空できるんだよ。」

ファンガール。
【Theory2】
「代役か、
【Theory3】
レッジの上に着地した
【Theory4】
もしくは受け止められた」
【Theory5】
「群衆がいたでしょ。彼らは全員グルなんだと思う。」

マーティン。
「道を歩いていると呼び止められて聞かれるんだ。『彼はどうやったんだ?』って。
本当に知らないんだ、気取っているわけじゃないよ。」

ファンガール。
【Theory6】
「少しの間脈を止めるための薬を使った人がいるの。息はあるんだけど脈は止まるのよ。」
【Theory7】
「多分、腕の下にボールを入れたのよ。」
マークさん。
「何ヶ月もずっと国際的な話題になったんだよ。」
ファンガール。
【Theory8】
「ジョンの視点、それからそれがおきる前にジョンが頭を打ってる。
シャーロックが自分で自分を殺すって言ったのを聞いてる。
それは全て彼の頭の中の事なのよ。
シャーロックは屋上からモリアーティを落としたんだと思うわ。」
【Theory9】
「シャーロックは以前、モリーに会いに行ってるから、モリーもグルね。」

ルーちゃん。
私は1年半、ずっとたくさんの人に『教えることはできないの』って言ってきたのよ。
マーティン。
「見解は次々と出てきてた。すごく良い説もあったし、ばかばかしい説もあったよ。」

マークさん。
【Theory10】
「グラビティブーツ、
【Theory11】
大きく膨らませた尻(?)
【Theory12】
ペガサス、
【Theory13】
TARDIS(Dr.Whoに出てくるタイムマシンですね。)」
「予想以上に素晴らしいレベルだと思うよ。」
モファットさん。
「壮大だよ。」


「TARDIS」は私もイラストを見ましたが面白かったです。
それにしてもみんなよく考えますね。

続きます。


NT Live Frankenstein その7

2014-04-27 02:13:37 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


ラストです。
かなり長くなってしまいましたが、最後に感想も書きました。


ベッドの上に仲良く座るふたり。
「もしかして俺も天才なのか?」
「あなたは何が得意なの?」
「俺は、同化が得意だ。見たり聞いたりして学ぶんだ。
最初は何も知らなかったけど徐々に破滅の方法、憎む方法、辱めや屈辱の方法を学んだ。
そしてマスターからとうとう他のいなかる生物にはない最高のスキルを学んだ。
うそをつく方法だ。」
「うそ?」
「今夜、俺はある人物に会った・・完璧だ。理解してくれてありがとう。
だが彼は約束を破った、だから俺も破る。エリザベス、本当にすまない。」
「何を・・」

瞬間、エリザベスはドアに向かって逃げ出しますが、気づくのが遅すぎました。
クリーチャーはエリザベスをベッドの上に投げ出し、そのまま彼女をレイプします。

その時、ヴィクターが部屋に飛び込んできます。
「ヴィクター!」エリザベスが叫びます。
「エリザベス!」

クリーチャーはそのままエリザベスの首を捻り殺してしまいます。
「No!」ヴィクターが叫びます。

クリーチャーは窓に飛び乗ったあとヴィクターに向かって振り返ります。
「彼女はすごく良かったよ!」
ヴィクターはピストルをクリーチャーに向けます。
「俺を撃て!俺を殺せ!」
クリーチャーが叫びます。

JLM博士。

ヴィクターは引き金を引けませんでした。
そしてクリーチャーは窓から立ち去ります。

ヴィクターはエリザベスを抱きしめます。
そこにクラリスと使用人が入ってきました。
「旦那様!」
「彼女を私の部屋に運んでくれ!」ヴィクターが叫びます。
「彼女はもう死んでいますよ。」
「運ぶんだ!」
「だけど、旦那様、彼女は・・・」
「私は彼女を戻せるんだ、クラリス、まだ呼び戻せる!」
ヴィクターは使用人たちに運ぶよう命令をし、同時にクラリスが部屋を出ます。
「早くするんだ!私は生き返らせる設備を持ってる。彼女はまだ温かいし血も失っていない。早く!」
使用人たちがエリザベスを運ぼうとしたその時、お父さんがクラリスと一緒にやってきます。

「ご主人様、彼を止めてください。」
「ヴィクター、何をしようとしているんだ。お前はまだ病気なんだよ。やめなさい。」
「ご主人様、エリザベス様が亡くなったんです。」
「何てことだ、かわいそうなエリザベス。お前が殺したのか?」
「違う!」
「今すぐ彼女をベッドに置いてカバーをかけてあげなさい。」
使用人たちはそのようにします。

「私はエリザベスを戻す事ができるんです。」
「どういう事だ?」
「彼女を生き返らせるんです。私を信じてください。」
「お前は何を言っているんだ。」
「彼は狂っています、旦那様。」
「私は狂ってなんかいない。あなた方の理解を超えた力を持っているんだ。
それでも狂っていると言えるのか?」
「何て不信心な事を、ヴィクター。いいかげんにしなさい!」
ヴィクターはクリーチャーが立ち去った窓に向かい叫びます。
「私はいつでもお前の後ろにいるからな!」
「彼を止めなさい。」お父さんが言います。
ヴィクターは逃げようとしますが使用人たちに制止されます。
「何たる事だ。最初はウィリアムで次がエリザベス、こんなにも死が続くとは。
ヴィクター、お前は心が病んでいる。」
「私は最高の知性を持っているんです!卓越した知性です。」
「彼を連れて行きなさい。もう顔を見たくない。彼は怪物だ。」

使用人たちがヴィクターを連れ出します。
お父さんはその場に跪いて泣き崩れます。
「神よ、御赦しを。」
「落ち着いてください、ご主人様。」
「私はこの世に何をもたらしてしまったのだ?」
「最善を尽くしましたよ。」
「私は失敗してしまった。」

場面が変わります。
クリーチャーが一人で登場します。
スクリプトの説明はこうあります。
「北極圏の氷冠。荒れ狂うブリザード。大きな月を見下ろす場面。
クリーチャーはほとんど何も着ていませんがずだ袋を担いでいます。
寒さに悩まされている様子はありません。彼は私たちに話しかけます。」
「私たち」とは客席です。

「俺の心はまっ黒で最低だ。かつて俺の心は美しい夢でいっぱいだったが今は復讐の溶鉱炉だ。
3年前に生まれたとき、太陽の熱が嬉しくて笑い、鳥の鳴き声に涙した。世界は俺の豊饒の角だった。
(豊饒の角は、その中から豊かな実りが尽きる事なく湧き出でてくると言われる神話です。)
それが今では霜と雪の荒れ地だ。」
クリーチャーはずだ袋から銀のカラトリー、皿、ピューターのゴブレットとナプキンを取り出し
氷の上に広げていきます。そして新鮮な肉を皿の上に置きフラスコからワインを注ぎます。

「息子は父になり、支配者が奴隷になる。俺はタタールとロシアを通り抜け黒海を横断し、
彼をここまで導いてきた。大天使を通り過ぎ氷の上までたどり着いた。
俺たちはこれからもずっと北へ向かうんだ。彼の犬は死に補給品も使い果たされた。
だが俺たちは協定を守らなければいけない。彼は俺を破滅させるために生き、俺は導くために生きる。
来なさい、フランケンシュタイン!
俺は夢を見た。壮大な空の下、俺たちは山を越えてハイキングをしているんだ。
俺たちは一緒に歩きながら俺に生きる方法を教えてくれるんだ。間違いを回避する方法や女性に求婚する方法を。
そのために彼を見つけ出したのに俺を追い払った。なぜそんな事をしたんだ。なぜ俺を追い払ったんだ。」

そこに毛皮に包まれたヴィクターが現れます。彼は凍傷を負っていました。
後ろには犬ぞりがありヴィクターがそれを引いていますがかなり衰弱していました。

「来なさい!どうした?ああ、寒いのか?見捨てられたような気がするか?」
ヴィクターはあまりにも疲れ切っていて答えることができませんでした。
彼はクリーチャーの方によろめきます。
「来なさい、偉大な探検家よ。食い物だよ。アザラシの肉だ。探検家の食い物だ!」
ヴィクターは這いながら皿に顔を近づけて食べ始めます。
クリーチャーは座ってそれを見ていました。

「あなたは才能を欲した。見てごらん、創造主よ、見てごらん。
なぜあなたは俺を犯罪者のように扱ったんだ。」
「お前は俺の妻を殺した。」
「あなたは私のものを殺した。私を追いつめた彼らが犯罪者だ。
それとも、彼らは高潔なクリスチャンで俺は蹴飛ばされて堕胎した?
その倫理はどこにあるんだ。それは愚かさへの侮辱だ。どの馬鹿が偏見は乗り越えられると言ったんだ?」
「お前は自分自身でそれを招いたんだ。」
「俺が?どうやって?俺は作られたいと望んだか?袋の中の汚らしいものから
俺を作るよう頼んだか?俺は異質だ。異質だとわかってるんだ。
俺はみんなと同じであろうとしたんだ。だけど俺は違うんだ!
なぜ俺は誰かではありえないんだ。なぜ人間は俺を嫌うんだ。
俺を憐れんでくれたのはエリザベスだけだ。美しいエリザベス。
まだ彼女の唇の感触が残っている。苺のような唇。彼女の温かい息遣い、彼女の太もも・・・」

ヴィクターはクリーチャーの足元に向かって進もうともがきますが、
衰弱している彼は倒れてしまいます。

「立ち上がれ!極点に行くんだ。磁石の発生源に。発見だ。
どうだ?暗闇に光をもたすんだ。立って、立って!」
ヴィクターはそりを引いたまま雪の中でうつ伏せになります。
「マスター?」
ヴィクターは動かないままです。

「マスター、死んだなんて言わないでくれ。もう体力がないのか?まだ始まったばかりだぞ。」
クリーチャーは「awake」とヴィクターの腕を持ち上げます。
「おいていかないでくれ、俺を独りにしないで。あなたと俺は2人でひとつなんだ。」
クリーチャーは跪き、そっとヴィクターを抱きかかえます。
「あなたが生きてるうちは俺も生きるんだ。あなたが死ぬなら俺も死ぬ。マスター、死とは何だ?
どんな感じがするんだ。俺も死ねるのか?」
「俺の残酷な行為を許してくれ、フランケンシュタイン。お願いだ。
衝動に突き動かされて自分を止めることが出来なかったんだ。
月が俺を引き込んだ、孤独な月が。もう戻ることはできない、このまま進むだけだ。
マスター、ワインだ、飲んで。」

クリーチャーはヴィクターの口元に赤ワインを流しますが、ワインは雪に中に流れていきます。
クリーチャーは嘆き悲しみます。

上段、JLM博士とベネクリーチャー。下段、ベネ博士とJLMクリーチャー。

「俺はあなたに愛されたかっただけなんだ。俺の心すべてであなたを愛していたのに。俺の哀れな創造主。」
すると突然ヴィクターが息を吹き返します。
「マスター!やはりあなたは俺を愛してくれているんですね。」
「愛とはなんだ。私にはわからない。」
「俺が教える!」
「お前は私より愛を理解している。お前にある感情が私にはないのか?」
「わからないからじっくり考えよう!」と嬉しそうなクリーチャー。
「愛をわかちあえるチャンスはいつもあったのに、私はそれを遠ざけていた。
人のぬくもりをバラバラに切裂いてきた。
憎しみなら理解できる。無と絶望だ。私の運は尽きた。だがお前が存在の意義をくれる。
お前と進み続けよう。歩き続けるんだ。お前を破滅させなければ。」
「Good boy. その意気だ!俺の不幸な血統を終わらせるんだ。」

クリーチャーが離れていくとヴィクターはそりを持ち上げてクリーチャーの後を追います。
「来なさい、科学者よ。俺を破滅させるまで。自分の作品を破滅させるんだ。来なさい!」
ゆっくりと進むヴィクターの前で飛び跳ねるクリーチャー。

The End.


舞台はこれで終わります。最後は2人でゆっくりと消えていきます。
余談になりますが、このあとのカーテンコールで出演者がお辞儀をしますが、
この時のベネディクトが輝くような笑顔で(笑)
しかも、博士の時は毛皮のフードがお辞儀するたびにぽふっとかぶさるのがツボでしたね~。
でもこれはみな同じ印象を持っていたみたいなのでちょっと安心(笑)

さて、ここから感想です。

結局、スクリプトのセリフをほとんど訳した形になりましたが、
宗教的なものや詩的な表現が多いのできっとあちこち間違っていると思いますが、
毎度の事なのでもはや言い訳はしません(笑)
そして、どうせなら最初からちゃんと訳せばよかったーとちょっと後悔しています。
日本語字幕になかったセリフがたくさんあって、とても興味深かったですし、
これを踏まえてもう一度観たいと思いました。

ジョニー・リー・ミラーとベネディクトはかなり対照的な印象でした。
おつきあいしてくれた友人たちも両方観たのですが、
「クリーチャーも博士もベネさんだと上品できれいになるね」と言っていました。
そうなんです!
つまり、JLMのファンを敵にまわすような発言ですが正直に言ってしまうと、
JLMは「がさつ」なんですよ。
言いかえれば、人間味あふれたキャラクターなんです。
特にクリーチャーは彼が演じると本当に可愛くて子供のようでした。
対するベネディクトは完全にイッっちゃてるんですね。博士もクリーチャーも。
なのでベネディクトのほうが矯正不可能な怖さを感じました。

私はベネディクト博士のほうがしっくりきましたね。
とにかくこの博士、人を愛せない人間だということがひしひしと伝わってくるんですよ。
どこか壊れている天才、それでいて子供のような仕草もあちこちあって。まさしくサイコパス。

JLMの博士はエリザベスと結婚してちゃんと家庭を持てばかなり更生するんじゃないかと思えますが、
ベネ博士は、もう絶対無理だろうと(笑)しかもこの人そんなことこれっぽっちも望んでいないし。
そんな博士が唯一心を開き対等に会話ができたのがクリーチャーなのかなーと。

クリーチャーも同様にJLMはあどけなさとか無垢な部分を感じるので、
ちゃんと愛情を持って教育すればまっとうな人間になりそうに思いますが、
ベネクリーチャーはこのまま人類から隔離しないとものすごく危険な雰囲気です。
裏がありそうな頭の切れるクリーチャーです。
最初にベネクリーチャーから観た友人も「ベネクリーチャーのほうが怖かった。」と言っていました。

最後は主人と奴隷の立場が逆転したように思わせていましたが、
クリーチャーがヴィクターを先導し、彼を生かしていくという意味では逆転かもしれないです。
博士はこれからクリーチャーを通じて愛を教わっていくでしょうね。
ラストのクリーチャーのセリフ、JLMだと本当にせつなくていじらしくて、
「愛されたかった」との言葉がしっくりきました。
でもベネクリーチャーだと本当にそう思ってるの?と疑わしくなります(ヒドイ)

全ての不幸の始まりはやはりヴィクターがクリーチャーをおいて逃げ出した事でしょう。
あそこでちゃんと対応していればこんな事にはならなかったので、
最後にふたりで旅立っていくのはもしかしたらヴィクターの償いなのかもしれません。

原作では、ヴィクターは救出した船で死んでしまいクリーチャーは行方不明の結末なので、
この舞台はかなりいろいろな事が想像(妄想?)できる希望を持ったラストですね。

下世話な話ですが、
私はJLMクリーチャーから観たのですが、エリザベスをレイプする場面がものすごくリアルで、
これ、ベネクリーチャーもやるの?とちょっと慄いていましたが、
ベネディクトはまったくもって淡泊でした(笑)
だからJLMの博士も、本当は女好きなんじゃないの?とか思っちゃうんでしょうね。
いえ、そこが人間味を醸し出す要因だと思いますよ。

そして!
忘れてはならない博士の衣装。ベネディクトは本当に時代物の衣装がよく似合っていて、
画像がほとんど無いのが心底残念でなりません!
ベネさんにまったく興味のない友人も「似合う。」と呟いたくらいですから。
特に結婚式のあとの衣装が好きですね。
今回そこの場面もYoutubeから無理やりキャプチャーして貼りましたが、小さくて小さくて(涙)

しかし、4回も観たくせにこんな感想しかし書けずに申し訳ないです。
ひとまずここで終わりにしますが、
舞台を観た方もそうでない方も感想を頂けたら嬉しいです。

ツーショットまとめてみました。

NT Live Frankenstein その6

2014-04-24 23:38:05 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


続きです。


ヴィクターとエリザベスの結婚式。
使用人たちが祝福の歌をうたっています。
その間をぬってエリザベスとメイドのクラリスがベッドルームに入ってきました。
ドレス姿のエリザベスは夜のための着替えをします。
とてもきれいですよ、とクラリスが言いますがエリザベスは言います。
「あの人、私の触ろうとしないの。近くにも寄ってこないし、式のあとにかろうじて話しただけだわ。」
「彼は昔から変わった方でしたよ。」
「私、何かやってしまったのかしら?」
「何もしていませんよ。男はみんな結婚式の夜はナーバスになるものです。
彼らのほとんどは何の経験もないのですから。」
「私は緊張していないわ。」
「そうですね。でもあなたはまだ何も知らないからです。最初は誰でもショックを受けるものです。」

そんなおしゃべりをしながらエリザベスの支度が整いクラリスは部屋を出ます。

ヴィクターがピストルを手に、険しい表情で部屋に来ました。
彼の後ろにいる2人の使用人もマスケット銃を持っていました。

「ヴィクター!」エリザベスが声をかけますがヴィクターは使用人に「報告しろ」と命令します。
彼らは家のまわりや湖をパトロールしていました。
彼らが異常がないことを報告すると「外で待機してくれ。私もすぐに行く。」と使用人を下がらせます。
「ヴィクター、何が起きているの?」
「安全のためにすべてのドアを守らせている。」
「なぜ?何が起きているの?教えてちょうだい。」
「もっと早く言うべきだった。」
「そうよ!」

「実験のひとつだったんだ、エリザベス、信じるのは難しいと思うし説明している時間もない、
だが、純然たる事実として言うと、私は人間を作ったんだ。」
「え?作ったって何を?」
「人間だ。そしてそいつに命を吹き込むことに成功したんだ。」
「もう一度言って。」
「人間を作ったんだ!」
「その人に命を授けたって事?」
「そうだ。私のクリーチャーに命を授けたんだ。」
「あなたのクリーチャー。」
「信じていないな。」
「あなたがクリーチャーを作ってそれに命を授けたと言うのだったらもちろん、それを信じるわ。」
そしてエリザベスは突然笑顔になり、
「それはパペットようなもの?」と言います。
「違う、ちゃんとした男だ。けだもののような男なんだ。」
「ばかげているわ。あなたは電気的なたまごのようなものでクリーチャーを作ったと言ってるの?
それで、それが何をしてるの?」
「私を追っているんだ。」

両方ともベネ博士。

「ヴィクター、あなたはずっとひどい病気だったのよ。スコットランドであなたは神経が衰弱したの。」
「いいか、そいつは外にいて、私を滅ぼしたいと思っているんだ。
私はそいつをおびき寄せ、そいつが私を殺す前に殺さねばならない。」
「つまり、あなたはここにおびき出そうとしてるの?」
「奴がこのために来るという事はわかってた。つまり、」
「結婚式に?あなた彼に招待状を送ったの?リストにはなかったわよ、ヴィクター。」
「これは冗談なんかではないんだ、エリザベス。私を信じてほしい。」
「あなたが何らかの怪物を作ったということを?」
「そうだ。」
「なぜ?」
「今、なんて?」
「なぜ、作ったの?」
「構想があったからだ。完璧なヴィジョンが!私は自然界の後をついて行き彼女の隠れ家に入り、
彼女の秘密を奪って次第に暗くなっていく世界に突如光をもたらしたんだ。私はやったんだ!」
「私はあなたの才能を疑ったことはないわ。」
「私は死を打ち負かしたんだ。生きたものを作ったんだ。」
「だけど、そんなに生き物を作りたかったのなら、なぜ子供を作らなかったの?
そうすればもっと早く結婚できたのに。」
「いや、そうじゃない。」
「普通はそうやって命を作るのよ、ヴィクター。」
「私は科学の話をしているんだ。」
「違うわ、それはあなたのプライドだわ。私に神の領域にトライしたと話しているのなら失敗してるわ。」
「私はあなたに楽園を見つけた。だがりんごを食べてしまった。私たちはもう戻れないんだ。」
「あなたは自然の秩序に干渉したのよ。電気とガスの神様を崇拝してカオスへ導いたんだわ。
あなたが作った男性のどこがいけないの?」

ヴィクターはピストルを手に取ります。

両方ともベネ博士。

「私は家のまわりを警備する。愚かにも作り出してしまったモノを始末したらあなたのところに戻ってくる。」
「行かないで、お願い、私を抱いて。」
「これを終わらせたら、エリザベス、あなたを愛することができるだろう。」

ヴィクターが部屋から出て行きました。
すると突然、クリーチャーがベッドの中から飛び出してきました。
驚く彼女の口を素早く手で塞ぎます。

「叫ばないで。あなたを傷つけるような事はしない。助けてほしいけだ。叫ばないでくれ。」
エリザベスが頷きます。
「俺が誰だかわかるか?」
恐怖に慄きながら再び頷きます。
「俺の見た目について何か言ってたか。」
エリザベスは頭を振ります。
「あなたは好奇心が強い?エリザベス。」
彼女はゆっくりと頷きます。
「叫ばなければあなたを解放する。」
クリーチャーはゆっくりと手を離しますが彼女はクリーチャーに背を向けたまま動きませんでした。
「振り向いて俺を見てくれ。」
彼女は振り向くと思わず息をのみます。
「助けてほしいんだ。俺は苦情がある。」
「ヴィクターがこれを・・・?」
「彼は頭がいいだろう?」
「天才だわ!」
「そう思う。」
エリザベスは興味深そうにじっと見ながら次第に近づいて行きます。
「あなた、名前は?」
「俺の名前?そんな贅沢なもの、彼はくれなかった。」
クリーチャーはそう言いながら身をかがめ「触って」と言います。
エリザベスが少し怯えると彼女の手を取って自分の頭に手をやります。

JLMクリーチャー。

「どうだ?」
「温かいわ。」
そしてクリーチャーはエリザベスの手を自分の胸におきます。
「ここは?」
「心音だわ。」
「あなたと同じだ。」
そう言ってエリザベスの胸に手をやりにやりと笑います。
「やめなさい。今すぐに手をどけなさい。」
エリザベスはそう言ってクリーチャーの目をまっすぐに見るとクリーチャーはすぐに手をどかします。

「苦情があると言っていたわね。」
「マダム、あなたの夫は良い人だけど、彼は約束を守らなかった。
もしあなたの子供が俺のような見た目だったら子供を見捨てるか?」
「子供を見捨てる事なんてしないわ。」
「本当に?」
「ええ、本当よ。」
「どんなに不快だとしても?」
「見捨てないわ!」
「ヴィクターは俺を見捨てたんだ。俺の見た目がこんなだから。俺が普通と違うから。」
「もしヴィクターがあなたをそんなふうに扱ったのなら私が彼に話をするわ。
あなたはそうして欲しいんでしょう?」
「彼はベッドに来ないのか?」
「彼は自分のした事に責任を取らなければいけないわ。それに・・・」
「あなたを求めないのか?新婚初夜なのに?」
「・・・それに私たちはハンディのある人たちのために常に立ち上がらないといけない。」
「まったくだ。虐げられている人の声を聞いてほしい。」
「あなたの望みは何?」
「俺は生まれたいと頼んでいないが生まれた以上は生きるために戦う。
全ての命は平等で尊い。彼は俺に不足しているものをくれると約束したが彼は約束を破った。
俺は友達が欲しかっただけなのに!」
「私が友達になるわ。どうかしら?」
「あなたが?」
「もしあなたが助けを必要としているなら、私たちに何ができるか考えるわ。」
クリーチャーはベッドに座ります。
「隣りに座って。何もしないから。約束する。俺は善悪の区別を教えられた。」
エリザベスはじっとクリーチャーを見つめます。
「信じなれないわ。あなたはとても驚異的だってわかってる?」
「俺が?」
「そうよ。」
クリーチャーが手を伸ばしてエリザベスの手を取ると彼女はクリーチャーの隣に座ります。


終わりませんでした。すみません。
次で本当に終わります。

NT Live Frankenstein その5

2014-04-22 11:12:48 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


ほぼ文章ばかりです。
読みづらかったらごめんさない。

続きです。

「彼女はどこに?見せてくれ。」
ヴィクターはゴムチューブの裏から女性のクリーチャーの手を引き連れてきます。
とても美しく顔には傷ひとつありませんでした。
「どうだ?」
「美しい!」
「そうだろう。」
「腕の産毛やヒップの曲線、なんて細部にわたる仕事だったんだ。」
そう言いながらそっとタッチをするクリーチャー。
「彼女は完璧だ。完璧な妻だ。」
ヴィクターがそう言うと「あなたはすごい。」と感嘆するクリーチャー。
「だが、お前に彼女はやれん。」
「なぜだ?」
「何が起こるかわからないからだ。もし彼女に命を吹き込んだ結果、
どんな危険な事になるか、私には予測できない。」
「俺が自分の汚らわしい素性を克服して理性的な人間になれば、彼女、俺の妻も同じようになれるんだ。」
「なれなかったら?」
「デ・レーシーが俺に道徳を教えた、だから俺が彼女に教える。」
「だがお前は追放者として生きると誓った。もし彼女が街に行きたくなったら?」
「彼女に選択権は無い。俺たちはアルゼンチンに行く。」
「だが、もしも彼女がその契約を拒んだら?よく考えろ。もし彼女がお前を拒絶したら?
お前の姿をひどく嫌悪するかもしれない。お前の姿を見て逃げ出し、
モンスターではなく人間と暮らしたいと言ったとしたら?」
「やめてくれ!あなたは残酷だ。」
「彼女を見ろ!この上なく素晴らしい作品だと思わないか?
彼女の頬、唇、豊かな乳房、この乳房を望まない者などいない。もしも彼女がお前のもとを立ち去ったら?
誰か他の人間に恋をしたら?自分と同じ種のたったひとりの仲間、
唯一ベッドを共にできる人から見捨てられたら、お前はどうする?」
「彼女に見捨てられたら俺は気が狂う!」
「それが危険だと言うんだ。」
「俺は彼女に愛情を与えて尽くすからそんな事にはならない。」
「危険を冒すべきだと?」
「そうだ!」
クリーチャーは彼女の髪をなでます。
「彼女は俺のものだ。お願いだ!Please.」

上段、ベネ博士。下段JLM博士。

「彼女を守ると言ったか?」
「そうだ、誰にも彼女を傷つけさせない。」
「彼女を愛していると?」
「愛している!」
「だが愛は教わるものでも学ぶものでもない。心で感じるか、或いは・・・」
「マスター!俺は愛せる!」
「お前に心があるというのか。」
「ある。信じてくれ。」
「どうやって愛するのだ。」
「全ての命が俺の中から湧きあがり、口からこぼれおちるようだ。俺の肺に火がつき俺の心臓をたたきのめす。
この世界で何でもできるように感じる。」
「そう感じるのか?」
「そうだ。」
ヴィクターがクリーチャーが自分より愛することを知っていると気づいた悲しい瞬間でした。
「だから彼女に命を与えてくれ。俺は必ず彼女を大切にする。」
「その言葉を待っていたよ。我々が愛と呼ぶ感情をお前は理解しているようだ。」
ヴィクターはそう言うと女性のクリーチャーがいるゴムチューブの方に向かいます。
「お前も手伝ってくれ。この状態で彼女を外に出すわけにはいかない(女性のクリーチャーは裸なので)
彼女に服を着せよう。クイーンのように。」
「クイーン!」
「そこのトランクに私の婚約者の服がいくつか入っているから、
お前の花嫁に最も良いものを選んでくれ。私は仕上げをする。必要な時に呼ぶから。」
チューブの裏に入るヴィクター。クリーチャーはトランクのところに行きます。
「レースとベルベットを着せよう。シルクと真珠も欲しいな。
美しい天使のようなイブと庭を歩こう。彼女はイヴで俺はアダムだ。
そうすれば地獄だった記憶は雪のように溶けていく。」
そう言いながらトランクを開けますがそこには古い本がいくつか入っているだけでした。
騙されたと気づいた途端、嫌な音がしたので振り返るとヴィクターが大きな刃物で
女性のクリーチャーを切り裂いていました。

それを見たクリーチャーが叫び声をあげます。

「お前は愛の力の何を知っていると言うんだ。それは理性のない不合理なプールだ。
無秩序で、気まぐれで、不安定で狂ってる!その上コントロールができない。
交尾して子供を産んで地球上にお前のような怪物が100万?ダメだ!
お前のような怪物はひとりだけだ。そうでなければお前は存在できない。」

クリーチャーは横たわる彼女の前に跪きます。
そして「Awake!」目を覚まして!と彼女の腕を持ち上げます。
「俺の美しい妻よ、起きて!起きて!」
「彼女はもう目を覚ますことはない。」
突然クリーチャーはヴィクターに飛びかかり彼の首を絞めます。
窒息しかけた瞬間、ドアを叩く音がして警察官が「ドアを開けてください。」と叫びます。
その声と共に「ヴィクター!」とお父さんも呼びかけています。
クリーチャーはうめき声をあげながら手を離しヴィクターは床に倒れます。
「お前は俺を裏切った、フランケン、これで終わらないからな。」
クリーチャーはそう言うと窓から立ち去ります。

「今何かが逃げていったぞ。」「何だろうあれは。」イワンと警察官の声がします。
ドアを開け、倒れているヴィクターをお父さんが抱き起します。
「お父さん?なぜここに。」
「ずっと戻らないから心配したんだよ、ヴィクター。」
「僕が何をしていたか知らないのに。」
「お前はもう安全だ、息子よ、私と家に帰ろう。」
「お父さん、僕はすぐにエリザベスと結婚しなければ。すぐにだ!」
「息子を船に乗せるから手伝ってくれ。」
「はい。」とイワンがヴィクターを連れていきます。
その時、ヴィクターが日記を見つけお父さんに渡します。
「お父さん、これを処分してください。必ずしてください。」
「お前の日記か?」
「もう2度と読めないように燃やしてください。どうか約束してください、処分してくれると。」
「わかった、処分しよう。さあ、家に帰ろう。」

ヴィクターはお父さんと外に出て行きます。
警察官は血まみれで倒れている女性のクリーチャーを見て、
「彼は何をしていたんだ。」と言います。
「医学の研究だと言っていました。」とイワン。
「研究?Holy Christ!」
そう言いながら警察官はクリーチャーに布をかぶせます。

場面は再びフランケンシュタイン家に移ります。

続きます。

NT Live Frankenstein その4

2014-04-20 14:40:46 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」

監督のダニー・ボイルさんとベネディクト。


上映時は日本語字幕がつきましたが、
こうしてスクリプトを読んでいくと実際のセリフがとても長くて、字幕の3倍はありそうな勢いです。
特にクリーチャーのセリフは結論に辿り着くまですごく遠回りしている印象です。
覚えたての書物から引用しているからなのか、知識ばかりが先行してうまく応用できないのか、
そんなイメージの演出からなのかもしれません。
でも字幕は字数の制限上端折らなければいけないから、字幕の翻訳した方たちは大変だろうなー、と。

日本語字幕に関してはこの作品に限らずですけどね。
映画もドラマも実際のセリフよりかなり端折られています。
でもいつも思うのですが、なぜ制限しなければいけないんですかね。
英語字幕はほとんどすべてのセリフを字幕にしているのになぜ日本語だと制限が?うむー。

翻訳といえば、宗教が絡むと翻訳しづらいですよね。
「フランケンシュタイン」もかなり宗教観が織り込まれているのでイマイチ理解が難しいです。

先日、友人と「海外ものは文化と宗教を理解しないと難しい」という話をしたのですが、
例えば、日本語を英語に翻訳するときに、
「Mちゃん、今度の日曜日飲み会するから来てね。」
「いいとも!」(古いですねw)
という会話、これ英語だとふつうに「Ok」とか「Yes」で通じると思いますが、
ここで笑いが起こったとしたら外人は何が面白いの?になりますよね。

でもプロはきちんとアメリカだったらアメリカのジョークに変換して翻訳してるので、
英語から日本語に変換する場合も同様ですが、そこはやっぱりプロは違うなーと。
しかも同時通訳は瞬時にそれをやってのけるんですから、本当にすごいです。

前置きが長くなってしまいました。
続きです。


お父さんが部屋から去ったあとにエリザベスがやってきます。
「お父さんに聞いたわ。なぜ?ヴィクター、なぜイギリスに行かなければいけないの?」
エリザベスにヴィクターは電子科学の最前線だとか研究のためだとか最もらしいことを言います。
そんなヴィクターに「私も一緒に行く」とエリザベス。
一緒に来ても退屈だよとヴィクターは言いますが、
「あなたと一緒にいたいのよ。私はずっとここスイスで世界がまわるのを見ていただけ。
あなたとパリやローマに行っていろいろなものを見たいわ。
そしてあなたと研究の事や世界の事、音楽や政治の話もしたいわ。」とエリザベス。
「僕は音楽や政治に興味ない。」ヴィクターの言葉に、
「あなた、あまり私に興味がないのね。」とエリザベス。
そして「ヴィクター、何か隠している事があるんじゃないの?」と言います。
否定するヴィクター。
「だけど何かがあなたの心の中にあるわ。私にはそれが何なのかわかるの。何があなたの頭を占めているか。」
エリザベスの言葉に驚くヴィクター。

「あなたはかなり多くの事をほのめかしてたわ。」
「僕が何を?」
「他に誰かがいるのね。ドイツの女性かしら。ヴィクター、誰かと恋愛をしているの?」
「いや、違うよ!誰ともしていないよ。」
「だけどあなたは絶えず何かに気をとられている。まるで誰かに思慕しているようだわ。」
「いや、君だよ、エリザベス。いつも君の事だけだ。」
「ヴィクター、私は寂しいのよ。あなたは私のそばにいないんですもの。」
「すまない。だがひとりで行かなければならないんだ。」
「ヴィクター、愛って何だと思う?」
「6ヶ月で戻るから。」
「答えになってないわ。」
「ああ、それは計測できないだろう?つまり、何を計測する?キスの数?」
「どんなものも測ることはできないわ。あなた自身を投げ入れて溺れないと。
ヴィクター、私は子供が欲しいの。あなたは?」
「ああ、もちろん。」
「私に子供をくれる?」
「God willing.」
「私、待つわ。」
「すぐに終わらせよう。これを誰かに教えることができれば。」
「私に教えて。」
「いや、誰にも言えないんだ。あなたに話したいけどダメなんだ。」
「それじゃ、キスして。」
そう言ってエリザベスはヴィクターにキスをし抱擁します。
「どうやって私に子供を与えてくれるのか、見せてちょうだい。私に触れて、私を感じて!」
エリザベスはヴィクターの手を取り自分の身体に触らせます。
「どうしても行かなければいけないの?」
「僕もここにいたい。だがそれはできないんだ。」
「それじゃ、行ってあなたの仕事をしてきて。良い仕事をしてそして終わったら私の元に帰って来てね。」


場面はオークニー諸島の朽ちかけた建物に変わります。
嵐の中、ヴィクターとヴィクターの荷物を持つイワンと甥のラブが建物の中に入ります。
部屋の中には椅子とテーブル、そして中央には冒頭でも出てきた円形状のゴムチューブがあります。
ヴィクターはここでクリーチャーを作ります。
イワンが荷物を行くとヴィクターは3か月分の家賃を渡し、さらに仕事を持ち掛けます。
「医療の研究のために人体が必要なんだ。」
ラブは反対しますがイワンは請け負います。
最近若い女性が溺死したという話を聞き、ヴィクターはその女性の死体を運ぶよう依頼します。

嵐の夜、イワントラブはヴィクターの元に死体を運び込みます。
その際、ヴィクターは新鮮な内臓も必要だからしばらくの間調達してくれるよう指示します。

その様子を見ていたクリーチャー。
「あれが俺の前身?」
「俺は夜中に湿地の中から盗み出された犬の餌から作られたのか?
俺でさえも吐き気がする。この汚物から美しいものを作るのか?死臭の漂う彼女ほ欲することができるのか?
知識が欲しかった。だが知れば知るほどわからなくなる。自分が愚かに思える。
何の疑問も持たず何の知識も持たず森の中で叫んでいる方が良かった。」


そして数か月後、女性のクリーチャーの完成が近づきます。
イワンが内臓が入った大きな黒い袋を持ってドアをノックしたので、
ヴィクターはいったんクリーチャーをチューブの中に隠します。

袋を床に置くイワン。
「ありがとう、イワン。これが最後だ。ずいぶん助かったよ。」
「ではもう帰るんですね。旦那、顔色がすぐれないですけど。」
「疲れているだけだ。だがもうすぐ完成する。私は超越したと言えよう。」
「わしも嬉しいです。これで病気がなくなりますね。」

イワンはお金を受け取り帰っていきます。
ヴィクターはそのまま椅子に座るとテーブルに突っ伏して目を閉じます。
すると突然黒い袋が動き出し中からウィリアムが出てきました。
「ウィリアム。」
「ねえ、それどうやるの?」
「もう遅いから寝なさい。」
「どうやって死んでる人を生き返らせたの?簡単なの?」
「難しいさ。これは奇跡だよ。」
「秘密を教えてよ。いつから始めたの?」
「学生の時からだ。」
「学校で教わるの?」
「学校など退屈だった。私はなぜ生命が存在するのか知りたかった。
不合理な神ではなく、存在の法則だ。それで私は禁断書を読み始めた。
アグリッパ(Agrippa von Nettesheim カバラの研究者です)やパラケルスス(Paracelsus 錬金術師です)だ。
「錬金術師!」
「そうだ。彼らは皆、真の科学者だ。彼らは星図を描き星を追いかけ、我々が呼吸する大気や
循環する血液を分類した。全ての現代医学の源だ。
私は彼女の難解な神秘を暴くために本質を理解ようとした。綿密に計算をしガルバーニ電流で実験を・・・」
「何?それ。」
「塩素電池から電流を流し、死体の筋肉にけいれんを起させるんだ。」
「すごい!」
「亜鉛板が塩化アンモニウム液とオゴノリで・・・」
「スリリングだね!」
「そして私はビスマスとアンチモニーの電流アークを見て生命の原理の答えを見つけたんだ。」
「神様がもたらしたんだね。」
「そうだ。だが神の領域なのか?」
「わからない。」
「人間は神になりえないのか?」
「わからないよ!」
「私は生命の源を探るため死から始めなければならないと考えた。
私は腐敗のプロセスを調べるために墓地に行き、解剖を行った。臨床実験だ。
死体が土の中で腐るのを見たよ。虫が目玉を食うんだ。」
「ウェー!」

上段、ベネ博士。下段JLM博士。

「私は遺体安置所に行って生命から死に変化する、生気が消滅する瞬間の特異性を観察した。
創造力に熱中していたらふと命の根本的要因を特定し、それを複製することができたんだ。」
「何?それ。」
「お前にそれを教えることはできない、ウィリアム、お前はまだ子供だ。」
「それをどうするつもりなの?」
「わからない。私は誰も行けないところに辿りついた。この先どこまで行けるか。
私は人間を創造できるんだ、ウィリアム、実物そっくりの人間だ。
私を見ろ!私は神の息吹で息を吹きかえらせるんだ。」
「それで、繁殖するの?」
「何?」
「女の人だから子宮があるの?子供が産める?
出産のサイクルは速いのかな?どのくらい産まれる?50?100?1000?」
「ウィリアム?」
「そしてその子供がまた子供を産んだとしたら、そいつらはあなたの命令をきくのかな?」
「お前は何を言っている?」
「あなたはキングだけどちゃんとあなたの言う事をきくの?僕を殺したのに?」

「フランケンシュタイン!」
突然クリーチャーが現れ、ウィリアムは消えます。


ヴィクターのセリフがマニアックすぎて意味不明です(涙)
多分あちこち間違ってますのでさらーっと流してください。すみません。
感想含めてあと2回くらいです。