被災地のこと 番外編 神戸

2015年03月22日 | 
今を去ること20年前、海と山に挟まれた風光明媚な大都市、神戸が未曾有の震災に見舞われた。

朝、起き抜けにテレビを点けると、神戸の街のあちらこちらから煙が立ち昇っていた。

まだ、夢の中にいるのかと錯覚するほど、この世の光景とは思えない画だった。
どのチャンネルに回しても、同じような画面で、これが映画ではなく現実の「今」なんだと気付いた。

ビルは傾き、高速道路は倒れ、商店街からは火柱が上がった。

全国から警察や消防、自衛隊の隊員たちが救助に駆けつけた。
神戸に本部のある有名な極道の人たちも、率先して炊き出しを行っていた。
当時、動かなかったのは首相官邸だけとも言われた。

この時の警察や消防、自衛隊の人たちは、「官」としてではなく、一人一人の人間として活動した。
一人でも多くの人を救うため、住民と一丸となって活動した。
それは、その後の災害でも活かされた。

復興した神戸の街は、昔とかわらず活気に溢れている。
震災を知らない世代が成人になった。

3.11の震災では、神戸からも多くの援助や応援、祈りの声が
東北地方へ向けられた。

いま、神戸近郊の山に登ると、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。
かつてこの街を襲った災害が、まるで嘘のように復興を遂げた。
美しい夜景は、失われた魂たちへの献灯のように今日も輝いている。


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