音楽好きには面白い本です。
タイトル通り、1971年から1976年という限られた時間での、それも「音盤」(レコード)にまつわるエピソードを牧野良幸氏により執筆されています。
同世代で同じ時代を生きたものとして同感することばかり、というか音楽の嗜好、好きな音楽の変遷、その音楽についての感じ方が自分と似ているのです。
私にとってのこの期間は高校生という、いわゆる一番多感な時期だったかもしれません。
それぞれの時代のエピソード(札幌オリンピックや浅間山荘事件など)も懐かしいものばかり。
遥か昔に、著者と同じようにステレオ装置にしがみついてLPを聴いていたあの頃を思い出します。
ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、キャロル、チックコリア、青春の記録が走馬灯のように蘇ってきます。
1枚のLPをそれこそ宝物のように擦り切れるまで聴いていました。
1枚のLPをそれこそ宝物のように擦り切れるまで聴いていました。
あの時の「ときめき」を大事にしたいと再考させられる本です、一つ一つのエピソードに「うん」と相槌を打ちながら読ませていただきました。
音楽に目覚めるのは早くて小学5年生、普通は中学生になってからです。友だちの影響が大きいですね。同じ好みが集まると一人よりもっと盛り上がります。
その中にオーディオに目覚めたヤツがいて、私は感化されてしまいました。けれどもカネがないからいい音は手に入りませんでした。少ない小遣いからレコードを買って、いいステレオを持っている友だちの家で聴くとサウンドがゴージャスなんですね。
レコードがたまってからようやく安物のステレオを買ってもらいました。あとはこの本に書いてあるのと同じような道をたどりました。だからこの本は面白いです。
ONKYOからX-1モデルというのが発売されて、当時の4チャンネルプログラムを消化できる実力を備えていました。私が親に頼んで買ってもらえたX-3モデルはそのグレードアップ版でした。たしか13万円くらいだったと思います、スピーカーもメインは25センチウーファーで3Wayでリヤスピーカーは壁かけ型でして16センチユニットが奢られているなど、当時はこのステレオで毎日レコードを聴いていました。いゃ~懐かしいです。
rockを聴いているとビートルズはポップに聞こえました。そのためビートルズのLPは当時買いませんでした。30年くらい前にビートルズ・ボックスが発売されたときにそれを買いました。けれど持ってるだけでほとんど聴いていません。
フォークはキングストントリオとかPPMなどの影響で大学生がカレッジフォークを始めました。寺尾聰が在籍していたブロードサイド・フォーはGS扱いですがじつはカレッジフォークだったんですね。/その後はボブディランの影響で岡林とか吉田拓郎などのメッセージ・フォークが流行りました。/その中には私生活を歌うグループも出て、井上陽水が新しい流れを作り、ニューミュージックになっていきました。二十代まではついて行きましたがそれ以降は聴かなくなりました。
ロックもハードロックとプログレッシブロックになりました。私にとってハードロックはツェッペリンの4まで、深紫なら『マシンヘッド』までですね。プログレッシブはピンクフロイドの『狂気』以前まで。イエスの『こわれもの』『危機』はいいですね。
働くようになってからはまたジャズに戻りました。けれどジャズもある意味で古典音楽になったようです。そもそも若者がジャズを聴かなくなりました。かつてはジャズこそ若者の音楽だったのに。/私にとって90年代以降のジャズは余りいいものがありません。
それで最近は懐メロを聴くようになりました。昔買わなかったけれども何となく街で聞いたりTVから流れてきたりして耳になじんでいる曲を求めて廃盤をあさっています。
今年はビートルズがデビューしてから50年目、アルバム制作にあたり、ポールはプロデューサーを米ポピュラー音楽界の大御所で、過去にはマイルス・デイヴィスやイエロージャケッツ、ジョージ・ベンソンなど数多のアーティストをプロデュースしてきたトミー・リピューマに依頼。演奏はジャズ界の女王、ダイアナ・クラールを起用(ダイアナは、自身のバンドを率いてレコーディングに参加)している。