明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



K2さんに誤解が晴れたと感謝された。娘の彼氏が挨拶に来た父親が自分だと周囲に思われていたのが不満だったらしい。私が以前、たまたま娘の彼氏とK2さん初対面の場に居合わせたことを書いたせいだ、という。先日のMさんの場合は父親のデリケートな哀愁を見せられ、ついイニシャルを書くのも遠慮してしまったが、K2さんの場合は、どうどうとした態度の娘と対照的な、沈み行くボートからジタバタ水をかき出しているような姿は、こういってはなんだが面白かった。 K2さんはブログなんて世界中の人が見れるんだから、というがそれは考えすぎというものである。一万歩譲って、仮に当ブログが世界の注目の的だったとしても、K2の正体を知っているのはせいぜい数人であり、あの父親はK2さんだと思った、とたった2人にいわれたに過ぎない。もっとも父と娘というのは重要問題なのか、このダラダラとただ続いているブログに一日で700超のアクセスがあり驚いた。 私がほとんど地元から出ることがないので、登場人物が限られてしまうのも良くない。何度か書いたが、ツアーの旅行でNYに行った時、ガイドから中華街やイタリア人街から一歩も出ずに生涯を終える人がいる、と聞き、そのエリアの狭さに、広いアメリカにも馬鹿な奴がいるもんだ、と思っていたら自分がそうなってしまった。 そんなご近所の方々に登場いただいた『貝の穴に河童の居る事』(風涛社)は写真作品を金沢の『泉鏡花記念館』に展示していたが終了した。河童の三郎が特に子供たちにウケたという報告をいただいたのは何よりであった。

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午前中から古石場文化センターへ。小津安二郎コーナーは小津の生誕110周年ということで、愛用品やポスターで溢れていた。4Fの図書館にて某作家について調べるが、たいした収穫なし。1冊見つけて読むが寝不足で居眠り。 4時半にM俵にてY、K、Fさんと集合。久しぶりに飲む。話といえば硬軟取り混ぜてあっちこっち。何しろ知っていることは口にしないではいられない男達である。「石塚さん元気ないね?」そんなにビュンビュン縄を振り回して「お入んなさい」といわれたって入れるか!という話である。 酒のせいで歯医者の麻酔が効かなかった話から、世界情勢、さる業界のとても怖くて書けない話まで。 次にT屋へ。珍しく土曜日に開いていた。ここでも本格焼酎からジェット燃料風液体まで、ひたすら飲み喋る。数年前、このメンバーを含む十人以上で飲み、二次会がカラオケだというので、当時カラオケ嫌いだった私は逃げたのを思い出した。人は変わるものである。 11時過ぎに一緒にスタジオで練習するトラックドライバーSさんからメール。T屋に呼ぶと、YKFさんと入れ違いにSさん来るが、イニシャル書くのもしばらく避けていたKさんがくっついてきた。この三人が揃ったのは、先日Kさんが永代通りに後頭部を直撃して気絶。Sさんが救急車を呼び、私とR子さんが救急車に乗り込んで以来である。何故あれだけ強打して死なないのか。子供の頃『ノーパンクボール』というのがあった。ボールの中は空気でなく、スポンジ状の物で満たされており、釘が刺さろうがパンクしようがない。あのような仕組みであろう。 ところがさらにMさんまで一緒に。前回のブログ、“娘が彼氏連れてきて作戦失敗で深いため息の巻”の人である。この三人でT屋に来ること自体がMさんの変調ぶりを示している。結局お開きは午前3時過ぎ。いくら飲んでも二日酔いしない体質に感謝。

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K2さんに、先日の娘が彼氏を連れてきた父親の顛末をなぜ書かないのだ。と詰問された。私はあえてイニシャルを書かなかったが、おかげであれはK2さん?といわれたらしい。 かみさんに酔っ払って自転車を壊したことがばれないよう同じ車種を何台も乗り継ぐK2さん。今日も自転車はピカピカである。また、かみさんと電話で話しているのを見ると電話の向こうにいるのはパットン将軍か?という友人もいる。おそらく独身の私に独身のままがいい、と思えるよう、わざわざ過酷なエピソードを耳に入れてくれるのであろう。皆さん、よってたかって実に親切である。だがしかし、自分で選んでしまったかみさんはともかく、授かりものの娘となると話は別であろう。 おそらく中学か高校の頃に観たと思う。スペンサー・トレイシーが頑固な父親を、エリザベス・テイラーが嫁ぐ娘を演じた『花嫁の父』。検索するとビンセント・ミネリ監督の1950年製作の喜劇だそうだが、昔すぎて記憶は曖昧であるが、若い奴には負けないと力自慢の父親は大人気ない。しかし息子となる彼氏は腕相撲をして父親の目に浮かぶ涙を見て負けてしまうシーンがあったと記憶する。その頃私の父は、鏡の前で私と身長を比べたがったものだが、明らかに私が追い抜いたと感じた時、私は父との“対戦”避けるようになった。子供といえど作中描かれた心情は理解できた。 件の父親の首尾はというと、娘と彼氏と奥さんの連合軍によって、せっかくシュミレーションを繰り返した演技プランがほとんど打ち崩されてしまったらしい。母親が敵の参謀となれば結果は見えている。K本の常連席で面白おかしく話される氏であったが、横で3回、深いため息を聴いた。あれさえ聴いていなければすぐ書いたのだが。 本日のタイトルは適当に付けたが、「早すぎるよ!」と氏からクレームが付くのは間違いがない。

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フェイスブックのおかげで40年ぶりに再開した高校の同級生Oと飲む。私の出没場所はおおよそ見当が付くようなので、そういうことなら、とまずK本へ。Oがどのくらい飲めるのか判らないのでK本での長居は危険である。常連席にて小一時間。T千穂へ流れる。Oは絵に描いたような街の社長で、機を見るに敏というか、世故に長け、要領の良さは相変わらずで、声をひそめて話す様子はお代官様に耳打ち調である。 しかしこれほど生きる道が違っても、ここに至ればそこが面白い。長年の謎も一つ解けた。ジャクソン5の73年武道館コンサート。絶頂期のアイドル南沙織を見かけたような曖昧な記憶があったが、Oは浅田美代子と南沙織を覚えており、南沙織とは握手までしたという。素直じゃないと損をする。私は中学高校と、アイドル好きの連中を馬鹿にしており、おかげでいざとなったらコソコソ遠くまでレコードを買いにいくはめになった。その時も意地を張らざるをえなかったであろう。 最近ブログで、酔っ払って自転車を駄目にしたのが奥さんにばれないように、同じ車種を何台も買い換える男の話を書いたが、Oは似たような理由で車はシルバーに決めているという。家庭内でのこうした奮闘工夫ぶりは聞いていて、いくらか哀愁を帯びて可笑しいが、共通しているのは酒が入ると堰をきったように喋りが止まらなくなる事のようである。 それにしても昔を懐かしむだけでなく、むしろその後の話の方が盛り上がったのは嬉しい誤算であった。

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酒場にはなかなか家に帰ろうとしない男達であふれている。それには様々な理由があろうが、仕事の同僚はいないし、家庭内の二等兵物語に同情、共感してくれる人はいくらでもいる。様々な人の心情に触れる機会の多い酒場は、実に興味深い場所であるが、ここ数日某氏の様子がなんとなくヘンである。ただでさえ多い酒量が2割増の感じである。ちょっとした表情の変化に気がつかないようでは、私のような仕事はやっていけない。聞くと、立場上私には理解できない話であったが、こういう場合は、こう対処するだけのことである、と二日にわたって繰り返し聞かされた。よほど一人で脳内シュミレーションを重ねた様子が伺えるが、本人がこうすれば良い話で、どうということはない、というのだから、はたから見ると動揺しているように見えても、そんなことは口に出していってはならない。見れば判る事を口にするのは野暮というものであろう。立場違えど男同士。ここは一つ成る程、それはそれは、とうなずい訊いているのが良さそうである。もともと私は相づちのタイミングが良すぎて、どうしても聞き役に回ることが多いのである。 日々酒場で様々な顔を眺めるうちに、あげくに今年はついに顔なじみに作品の中に登場いただき、書籍として印刷されることとなった。作品といえばある意味、子供のような物であるが、リアルな子供と違って「お父様お話があるので日曜日にお時間いただけますか?」といって彼氏を連れてくるような厄介なことはなく、そのせいで酒量が2割増えることもない。

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