今回の展示は長辺2メートルが一点、他は1.5メートルのプリントと、人物像が4点の予定である。昨年暮れに亡くなった母に、小学4年で書店の店先でねだって買ってもらった大人向け『一休禅師』で私に様々な印象を植え付けることになった〝門松は冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし“の一休和尚が、そのままのイメージで完成した。また古来から臨済宗で師の教えそのものとして描かれ、弟子に与えられた肖像画の頂相だが、七百数十年前に描かれた建長寺の開山大覚禅師こと蘭渓道隆の頂相を印刷物ではあるけれど、この2年、私ほど穴の開くほど凝視続けた人間はいないだろう。そんな単純にして明快な試みであり、それだけ?といえば、その通りである。
