明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ある人物のオマージュ的なグループ展のお誘いをいただく。おそらくはその人物の人形、また人形を何処かの風景に配して撮影し、というようなイメージをされているのだと思うが、その人物はご存命の方である。肖像権その他で人形を作っても、その後は使いようがないだろう。それに健在なれば、誰かがご本人を撮れば良いことである。私が“捏造”する意味はないように思われる。そう思って、存命中の人物を作ったのを順番に思い出してみると、82ミルト・ジャクソン、88ステイービー・ワンダー、88高橋幸宏、89シュガー・ブルー、90BBキング、11伊集院静、13吉本興行大崎洋社長というところであろう。82年のミルト・ジャクソンは当時は写真に撮って残そう、という発想もなく、健在であれば新宿の某ジャズ喫茶に未だに飾ってあるはずだが、怖くて見に行かれない。こう観ると、ほとんどが依頼されて作ったせいもあるが、私もなかなか芸域が広い。 オマージュ展のお話は、いただいたばかりなのでなんともいえないが、本人は登場しないものの、作中の一場面を作るということになりそうである。路地の間から唐突に機関車を登場させるも良し、寂れた温泉場の裸電球の下に女を配するも良し。

HP

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