◎メリンダとメリンダ(2004年 アメリカ 100分)
原題 Melinda and Melinda
staff 監督・脚本/ウディ・アレン 撮影/ヴィルモス・ジグモンド
美術/サント・ロカスト 衣装デザイン/ジュディ・ラスキン・ハウエル
音楽/デューク・エリントン『A列車で行こう』他
cast ラダ・ミッチェル クロエ・セヴィニー ジョニー・リー・ミラー アマンダ・ピート
◎悲劇と喜劇
人生なんて所詮、
「この映画のようにテーブルの上で語られる程度の他愛ないもんなんだよ」
とかいわれちゃった気分になって、
「いろいろと悩んだり、あくせくしたりしたところで知れてるんだよな~」
とかおもわずあきらめ半分に苦笑しちゃったりできたらいいんだけど、
なかなかそうはいかない。
でも、
マンハッタンの劇作家連中ってのは、
ほんと、そんなふうに人生を茶化してしまえる余裕と才能があるんだね、たぶん。
まったく同じ状況設定から、
ほんの少し角度を変えるだけで悲劇になったり喜劇になったり、
まったく言葉と想像だけで、人生の甘辛を作り出しちゃうんだから、たいしたもんだ。
「だから、人生なんてものはほんのちょっとのきっかけと選択と出会いで決まるんだよ」
ウディ・アレンはそんなふうにいってるんだろうか?
でもな~。
あ、どうでもいいことかもしれないけど、
ラダ・ミッチェルっていう女優さんは、上手だ。
彼女は、それこそ悲劇も喜劇も、ときにはSFやホラーまでこなす。
綺麗なんだから、なにもいろんなことに挑戦しなくてもいいのに、
とか、
そんなふうにいろいろとキャラを変えるから小器用だとおもわれて損するんじゃないの、
とかおもっちゃうのは、老婆心なんだろね、たぶん。