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☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

人生の約束

2016年09月14日 19時23分19秒 | 邦画2016年

 ◇人生の約束(2016年 日本 120分)

 監督 石橋冠

 出演 竹野内豊、江口洋介、西田敏行、松坂桃李、優香、高橋ひかる

 

 ◇放生津曳山祭

 曳山好きな僕としてはやっぱり見ておかないといけない。

 ただまあ、主人公の傲慢不遜な性格が災いしたのか友情が断ち切られ、その相手が亡くなってしまったことで曳山を知るにいたり、人間として生きるとはどういうことかを知ることになるという、いわゆる人生のやりなおしを描いてるんだけど、他組に取られてしまった曳山をめぐる争いと蘇生を体験することがそのやりなおしの引き金というか背景になってる。でも、なんだか、西田敏行が病気に倒れていくのが挿話にはなってるんだけど、そのせいで主人公である異邦人の竹野内豊が蚊帳の外におかれちゃうような感じになるのは、筋立てとしてどうなのかしらね。

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INFINI/インフィニ

2016年09月13日 18時48分33秒 | 洋画2014年

 ◇INFINI/インフィニ(2014年 オーストリア 110分)

 監督 シェーン・アビス

 出演 ダニエル・マクファーソン、グレース・ハン、ブレン・フォスター

 

 ◇惑星インフィニ

 地球人が植民した先には原始生命が存在していて、それが液体状の生命体だったものだから、地球人は感染しちゃって先発隊は全滅しちゃったところへ主人公たちの小隊が派遣されるんだけど、ひとりまたひとりと感染して闘争本能ばかりが発露して殺し合っていくっていう筋立てはよくあるもので、これは別に他の惑星じゃなくてもいいんじゃないのってくらいの話なんだけど、いやまあ物語の展開がものすごく速くて、それが好い感じでもあり困惑もしたりする。結局、液体の生命は体内に入ってしまえば血になるわけで、それが地球に来て海に溶け込んで雨や水になってしまえばもはや地球はその生命体に乗っ取られるわけで、そうした危機感はまるで感じることなくただひたすら消去法による殺し合いがなされるっていうのは、うん、まあ展開だけでいけばおもしろかったし、ラスト、すべての隊員の血液となってそれで蘇生していくってのはなんとなくほっとできるかな。お金に困って旦那を待ち焦がれる妊婦の妻にも再会できるしね。

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モンスターズ 新種襲来

2016年09月12日 21時25分24秒 | 洋画2014年

 ◇モンスターズ 新種襲来(2014年 イギリス 119分)

 監督 トム・グリーン

 出演 ソフィア・ブテラ、ジョニー・ハリス

 ◇モンスターの比喩が今ひとつ

 前作の『モンスターズ 地球外生命体』がおもいがけない佳作だったものだからちょっぴり期待したのがいけなかった。リアリズムに徹したいという気持ちはわからなくはないし、軍人の乱交パーティってのはこんなにめちゃくちゃなのかとも最初は感心してたんだけど、いやもう、話はまるでモンスターとは縁もゆかりもない。

 危険地帯に潜入して連絡のとれなくなった友軍を探しに出た小隊がモンスターと敵軍に遭遇してそこから逃げ帰ってくるだけの話で、それも進化したモンスターズはいってみれば世界観の背景でしかないような扱いだ。ここに多額のCGが投入されてるのはいったいなんでなんだろって。

 ま、リアルな迫力はあるけどね。

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仮面ライダー1号

2016年09月11日 00時25分18秒 | 邦画2016年

 △仮面ライダー1号(2016年 日本 96分)

 監督 金田治

 出演 藤岡弘、、岡本夏美、竹中直人、大杉漣

 

 △不死身か、本郷猛

 45年前といえば、ぼくは小学生だった。

 実をいえば、仮面ライダーよりもウルトラマンの方が好きで、なんとなく見たり見なかったりした。なんか、東映の特撮物って僕の感性とはちがうっていうかそんな感じがしたんだろうね、たぶん。それでも、仮面ライダーといえば、僕の中では藤岡弘、だ。ま、一文字隼人の佐々木剛もなんだけどね。だから、藤岡弘、が69歳のちょっとっていうかかなり太ってしまった身体を見事に動かして殺陣を演じるのを見られたのは、なんとなく嬉しかったりもする。いやあ、本年は、大河ドラマの本多平八郎も好い感じで演じてるし、当たり年だね、藤岡弘、。

 しかし、いくら相手がショッカーとかいえ、サイクロンで次々に撥ね飛ばしてしもたらあかんでしょ。撥ね飛ばされてない?ならいいんだけど。それと、いくら本郷猛でもヘルメットなしで乗ったらあかんのじゃないかおもいますけど。昔の復帰後もこのヘルメットを被る被らないは問題になったそうだし。

 ちなみに、まじかっていう話をすると。藤岡弘、が怪我で降板したとき、スーツアクターをすることになったのは大野剣友会の岡田勝なんだけど、この殺陣師は後に『スケバン刑事』の技斗を担当してるんだよね。

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タイム・トゥ・ラン

2016年09月10日 01時39分01秒 | 洋画2015年

 ◎タイム・トゥ・ラン(2015年 アメリカ 92分)

 監督 スコット・マン

 出演 ジェフリー・ディーン・モーガン、ロバート・デ・ニーロ

 

 ◎時間=娘の手術のリミット

 お金がなくて娘を手術して救ってやれない父親と、お金は有り余るほどあっても娘の尊敬を得られない父親の物語なんだけど、バスジャックをしてそこで相対して立て籠もらざるを得なくなることで、ふたりの間にストックホルム症候群が起きてくるという寸法なのだね、なるほど。

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クリムゾン・ピーク

2016年09月09日 20時09分12秒 | 洋画2015年

 ◎クリムゾン・ピーク(2015年 アメリカ、カナダ 119分)

 原題 Crimson Peak

 監督 ギレルモ・デル・トロ

 出演 ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、トム・ヒドルストン

 

 ◎クリムゾン・ピークに気をつけなさい

 ミア・ワシコウスカは死者の魂と通じ合うちからを持っているっていう設定で、だから、母親が「クリムゾン・ピークに気をつけなさい」っていうなんともおもわせぶりな忠告をしてくれるんだけど、そのクリムゾン・ピークに棲んでる近親相姦の姉弟の罠に誘い込まれかけた際、父親が殺されちゃうんだけど、なんで死んだ父親は幽霊になって現れて忠告してくれないんだよっていう疑問は、余計なお世話だよね。

 で、ラストに赤い雪が降るのかとおもったらきわめて定番のゴシック・ホラーだった。

 赤い粘土のせいで土が赤く変色してしまう山頂に建つ、なかば廃墟と化した屋敷でひきおこされる怪奇な物語とくれば、なんだかおもしろそうな展開を期待するけど、でも、こういう設定はやっぱり定番になりやすいんだろうね。赤く染まった幽霊が、かつてこの屋敷で惨殺されて地下室の赤い液体の詰められた樽の中で眠っている遺体の魂だというのも出だしからありありとわかるし、とうに死んでいる彼女らが真実を語ろうとしているのもわかる。

 まあ、その真実っていうか、ミア・ワシコウスカを殺してその財産をぶんどろうとしているトム・ヒドルストンとジェシカ・チャステインがいかにも幽霊よりも怖い悪人を演じてますって感じで登場してくるから猶更なんだけど、まあこの作品はそんな事実を探り出していくのが主題じゃないしね。

 人間の業の深さっていうか、粘土掘削機によって粘土層をひたすら掘り下げていく先にあるものが結局なんだかよくわからないんだけど、そういうわからないものを求めるために結婚詐欺めいた重婚の果てに次々に女性を殺してそのぶんどった財産を掘削機につぎ込んでいく夫婦の異常さを描こうとしてるんだろうしね。

 でも、その異常さがあまりにも異常なだけなものだから、ちょっと納得しづらい。いくら生まれ育った屋敷とはいえ、とてもじゃないけど暮らすには不向きなところに住みながら、限りなく失敗するにちがいない事業をなんで続けなければいけなかったのかなって気になっちゃうからだ。

 とはいえ、主要な3人の演技は大したもので、絵作りもさすがにギレルモ・デル・トロだけあって単純な話とはいえ、ついつい引き込まれちゃうんだよね。

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うつくしいひと

2016年09月08日 18時23分00秒 | 邦画2016年

 ◇うつくしいひと(2016年 日本 39分)

 監督 行定勲

 出演 橋本愛、姜尚中、高良健吾、石田えり

 

 ◇ストーキングにはならないのか?

 現実にこんな男がいてみたまえ。怖いぞ。

 たとえば、ぼくがこの大学教授らしき男のような立場だったら、どうするよ。

 昔、横恋慕していた女性がいて、しかもその人は自分の親友が妻にした人で、ただ、幸か不幸かその親友は他界してしまっていて、で、過去を棄てるつもりで何十年も上京したままだったんだけど、たまさか、学会かなにかわからないけれども熊本へ帰省することがあって、いい機会だとおもいたち、その好きだった人を物陰から眺め、さらに好きだった人の娘が働いている古本屋にそっと入り、自分が誰かも語らずにつれだし、いや、連れ回し、彼女の写真を撮ったりするのだ。つきまといだぞ、怖くないか。ところが、こんなちょっとというか、かなり非常識な男が娘を連れ出したというのに、いなくなった娘をおいかけて、娘の母親と娘に惚れている男が駈けつけたとき、なにもかも納得し、すべてが氷解するなんて、まじか。

 なんていうか、こんな素敵な(ではなく)男の純情としては限りなく美しい(あ、いかん)こんなわがまま満載でも怒られないなんてなんて羨ましい(とかいってる場合ではない)物語は、ちょっとひくな、僕としては。ていうか、まかりまちがえば、ものすごく危ない老いらくの恋だが、これでいいのか?

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コードネーム U.N.C.L.E.

2016年09月07日 20時04分02秒 | 洋画2015年

 ◎コードネーム U.N.C.L.E.(2015年 アメリカ、イギリス 116分)

 監督 ガイ・リッチー

 出演 ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、ヒュー・グラント

 

 ◎0011ナポレオン・ソロ

 小学生のときだ。とにかく、ナポレオン・ソロが好きで、ロバート・ボーンに憧れてた。あの二重顎が好かったんだよね。さいとうたかをが劇画にしてたんだけど、やっぱり顎は二重だった。で、二重顎になろうとしていつも指で顎を挟んでたんだけど結局ならなかった。イリヤ・クリヤキンのデビット・マッカラムの方が後になって人気が出たとかっていうけど、ぼくは最後までロバート・ボーンに操を立ててた。

 で、この作品はさすがにガイ・リッチーっていうか、ナポレオン・ソロのこじゃれた世界観にはよく合ってるわ。ただ、ちょっとばかし、アーミー・ハマーが肉体派すぎる気もしないではないけれど。

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ねむれ思い子 空のしとねに

2016年09月06日 20時58分44秒 | 邦画2014年

 △ねむれ思い子 空のしとねに(2014年 日本 50分)

 監督・脚本 栗栖直也

 

 △ほぼひとりで作った3DCGアニメ

 という触れ込みには、素人ながら「へ~っ」て驚いた。

 けど、なんだろね、そもそもCGに気が入らない僕は、どうも死んだ母親が同年齢で登場したときの態度に妙な違和感を感じちゃったんだけど、そういうふうにおもったのは僕だけなんだろうか?母親の心が19年間の「死」の間にまるで変化ていうか成長していないのはわからないでもないんだけど、なんでこの母親が宇宙にいて魑魅魍魎的に蘇生する必要があったのか、そのあたりの追い込み方がどうもちょっとね。

 もちろん、これはど素人の個人的な感想だ。

 たぶん、ぼくはもう瑞々しい感性ってのがなくなってきてるのかもしれないね。

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