△幻影の彼方(Iluzja/Illusions)
グダニスク寒そうだな~。
運転するクルマのフロントガラスに森の枝葉やたくさんの梢が映り込んでる。魂の迷路をさまよってるみたいでかっこいい。ユタ州リッチフィールドにあるパンド(アスペンの森)の話が出る。世界最大の生命体だと。
でも、そのあとは最後まで、母親アガタ・ブゼクの孤独と絶望しかない。
娘のものともしれないボタンを拾い、いくつか集めても無駄なことで、夫は自殺ともいえるような脳卒中でなくなり、家にも辛くて帰れず、浜辺のホテルに泊まっても癒されず、いくつかのボタンを浜に埋めても、まだ諦めきれず、わたし以外に誰が探すの?と。つらいな、これは。
合鍵を持ってきた娘の恋人なのかわからないけどとにかく同棲してる男がDVDを置いていき、それで一挙に展開する。浜の一角をいきなり掘り出し、死体を見つけるんだね。で、相談をもちかけてる署長マウゴジャタ・ハイェフスカ・クシシュトフィクが、こういう。死体を浜辺で犯行現場が頭の中に見えた。犯人まで。好い加減にしなさいよと署長は怒る。こんなの証言にならないわ。犯人にされたいの?そりゃそうだよね。
さらに、特定した男は自白したけど、見つかった死体は娘じゃなかった。ラスト、死体は息子だったっていう母親が訪ねてきて感謝されるものの、自分の娘探しの日常は終わらない。うーん。
ところで、音楽は印象的だった。
ヴィヴァルディ:
・詩篇『主が建て給うのでなければ』 RV.608
・スターバト・マーテル RV.621
マリー=ニコル・ルミュー(メゾ・ソプラノ)
フィリップ・ジャルースキー(カウンター=テノール)
アンサンブル・マテウス
ジャン=クリストフ・スピノージ(指揮)