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MEMORY メモリー

2024年05月27日 00時31分06秒 | 洋画2022年

 ◇MEMORY メモリー(Memory)

 

 ついに、リーアム・ニーソンまでもがアルツハイマー型の認知症に殺し屋の役を演じるようになってしまった。

 世界のどこもかしこも認知症はもっとも悩ましい病になってるんだなあと、あらためておもう。モニカ・ベルッチがなんとも似つかわしくない不動産王の悪役ってのも時の流れを感じさせるわ。母親っていうだけでもそういう時代なのかあっておもったりするけど、そうか、もう綺麗な愛人とかっていう薄幸な役とかじゃないんだね。ガイ・ピアーズはなんだか通り過ぎちゃいそうな印象だったわ。

 それにしても、物忘れがひどいときって、外人は決まって手や腕にマジックとかで書き込みをするんだけど、どうも日本人はそういうのが似合わない。なんでなんだろうね。

 しかしそうか、子どもを誘拐して人身売買するっていう物語はわかるし、子どもを殺せと依頼された暗殺者がそれをせずにいたんだけど、記憶障害のせいで自分が殺したかどうかすらわからなくなるってのもそれはそれでいいんだけれども、でもやっぱり子どもを殺すっていう展開はなんだか禁じ手を使わされたみたいな気がするし、リーアム・ニーソンが驚異的な強さを見せつけるわけでもなく、佳境、自分の死とひきかえに大団円にまで持って行かせるっていう展開は、主人公がラストを放棄しちゃったようで、あまり後味はよくないな。

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フェイブルマンズ

2023年11月10日 00時33分09秒 | 洋画2022年

 ◎フェイブルマンズ(The Fabelmans)

 

 なんてまあ、ポール・ダノは、亡き手塚治に似てるんだろう。なんだか手塚にまた会えたようで、見てるだけでなんともいえない気分になってきた。お別れ会があったのは何か月前だったか。そんなことをおもうと、なんとも個人的なことながら、見る機会が別だった方がよかった。

 それはさておき、少年の日に『史上最大のショウ』を観るんだけど、へ~こんな映画だったんだあ、迫力満点じゃん、とかっておもった。

 この親父はクレムリン。叔父はバックトゥーザフューチャーだね。ETの自転車連中と腰のアクセサリーと家族構成。

 しかしそうか、銃撃場面でなにかが足りない、嘘っぽいと悩んでいたあと、母親のピアノ弾きで爪があたる、爪を切る、楽譜に穴が開く、穴!ときてフィルムに穴を開けて迫力を出し、写真部門に入選。誰もこの凄さはわからないけど、エンジニアの父親手塚にだけはわかる。父と息子。凄い。

 お母ちゃんの浮気を突き詰めるのに8mmを利用するのはうまいし、浮気相手の父親の親友とのカメラ屋の別れも、引っ越し先の家族の不和も見事だったのに、変人クリスチャン女子が出てくると、がくんとつまらなくなる。でも高校時代のあとはまたおもしろくなる。

 なんといっても、ジョン・フォードを演じていたのがデビッド・リンチだってのが凄い。過剰な演技だ。芸術とはなんだ?地平線が下にあるのはおもしろい。上にあるのもおもしろい。だが、真ん中にあるのはだめだ。芸がない。てなことをいわれるんだけど、ラストカットは、撮影所の地平線が真ん中だったのが手持ちで下に来る。なるほど、主人公の心模様はこうでなくちゃ表現できないね。

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オットーという男

2023年11月02日 14時04分21秒 | 洋画2022年

 ◇オットーという男(A Man Called Otto)

 

 丁寧な脚本だけど単調。盛り上がりに欠ける。孤独に堪えかねて自殺しようとしている男トム・ハンクスが近くに越してきた子持ちの女性マリアナ・トレビーニョに感化されてもう一度生きようとする物語はよくある。けど、彼女の学位がありながら頼りなくお人好しの夫マヌエル・ガルシア=ルルフォと、亡くした妻レイチェル・ケラーが登場してしまうことで、トム・ハンクスに未来がないんだなとわかり、ああ、とある朝に死んじゃってるんだろうなあっていうラストまで見えてしまうのは、脚本が考え違いをしてるとしかいいようがない。

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ザリガニの鳴くところ

2023年07月01日 01時26分17秒 | 洋画2022年

 ◎ザリガニの鳴くところ(Where the Crawdads Sing)

 

 結局、ザリガニってのは、なにかの象徴だったんだろうか。母親が「ザリガニの鳴くところへ逃げろ」といったんなら湿地じゃないはずなんだけど、これってほんとは小屋のあるところが湿地に点在している沼で、ザリガニの棲息しているのは湿地ってことなのかもしれないけど、どうにもザリガニを獲っていた小学生の頃をおもいだすと反対のような気がしてならないんだけどね。

 でも、なかなか見ごたえはあった。なるほど、とんでもない父親がいなくなったあとひとりで暮らさざるを得なくなったデイジー・エドガー=ジョーンズのたったひとつの恋の相手テイラー・ジョン・スミスに棄てられたとおもったあと、処女を奪い、さらにイキ癖までつけられ、イクときは目が光るくらいすごいことになるとかって噂まで流されて自分はさっさと名家の娘を婚約者にして、それでもまだ性欲の処理のためだけの道具にしようとするハリス・ディキンソンを見晴台から突き落として殺したのは誰かっていう単純な話なんだけど、いやあ、見ごたえあったわ。

 みんな、あやしい。引退したのに急に弁護を買って出るデヴィッド・ストラザーン、湿地の雑貨店のあるじスターリング・メイサー・Jr、その妻マイケル・ハイアット、怪しい。これが後になって登場してくる行方不明になっていた兄貴もそのひとりになるようにしてあれば、もっとおもしろかったのに、残念だわ。

 それにしても、絵がいい。テイラー・スウィフトの劇中歌「Carolina」もいい。

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アムー 負けない心

2023年03月09日 00時16分38秒 | 洋画2022年

 ◎アムー 負けない心(Ammu)

 

 家庭内暴力はどこの国もおなじで、暴力に走る沸点が低いのはわかるとしても、発火点がよくわからないといわれる。でも、おそらくは、言われても解決させられないことを突きつけられたり、気にしていることや図星をさされたりしたときにおもわず我を失って手が出るんだろう。

 このチャルケシュ・セカル演出の映画もそうで、アイシュワリヤー・レクシュミにはなんの嫌味もないし、ただ夫に尽くそうとしているのに、自分でもわけがわからない内に暴力をふるわれる。しかも夫アイシュワリヤー・レクシュミは警部で、部下たちの信望も篤く、上からの評判もいい。四面楚歌というのはこういう妻をしていうのだろうが、翌日になると夫はけろっとして、もっといえば、猫変わりして優しくなる。愛していると囁き、ひたすら謝り、けれど、またすぐに暴力が始まる。

 どこもおなじだ。

 で、映画では、妻の復讐が始まる。おひとよしの犯罪者を自宅に匿い、それで夫の足元を掬って復讐を果たそうというのだけど、現実は難しいんだろうね。それにしても、台詞をいうときに顔がゆれる。舞台みたいだ。

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母との約束 250通の手紙

2023年01月25日 23時56分49秒 | 洋画2022年

 ◇母との約束、250通の手紙(La Promesse de l'aube)

 

 どはずれたエキセントリック母ちゃんの物語だったわ。どんどん興味が薄れてくのが途中からわかったけど、いやまあ、なんとも驚きなのは、なるほど、このお母ちゃん、シャルロット・ゲンズブールだね。そう、いつまでも『なまいきシャルロット』じゃないわな~。

 喜劇なのか、悲劇なのか、作家ロマン・ガリの自叙伝が元だからなんともいえないんだけど、どうにも中途半端な感じは拭えないんだけど、どうなんだろう?

 ただまあ、世の中の作家なんてもんはみんなこんなもんなんだろうがっていう印象は強いね。ひとつ当たれば故郷に錦を飾ったつもりになるし、自分のちからが無いために新聞に掲載してもらえないとはとても家族にはいえず、編集者がまちがってるだの、筆名を変えているんだの、とにかく自己愛と矜持がものすごい。ロマン・ガリはそれで成功したからいいけどさ。

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ナイル殺人事件

2023年01月01日 00時02分52秒 | 洋画2022年

 △ナイル殺人事件(Death on the Nile)

 

 ケネス・ブラナーは舞台の演出だけしていた方がいいんじゃないかな。

 とてもじゃないけど、これだけ退屈な映画を自分の主演も兼ねて撮れる人間はそうそういないぞ。ただ、この『ナイルに死す』の映画化はいつも失敗するような気がする。

 1978年のジョン・ギラーミン版もたいしておもしろくなかったし、あのときはまだ役者が揃ってたけど、今回は、ガル・ガボットとアネット・ベニングくらいなもので、ポアロの第一次世界大戦の塹壕戦に出ていたことも、そのときの突撃で爆弾を蒙り口許にすごい怪我をしたことが髭のきっかけになったってことも、実はどうでもよくて、そんなことに鉦をかけるくらいなら、観光客船に乗り込むまでの長ったらしい部分は削除してもうすこし船内劇に金をかけてほしかったわ。

 まあなんにしてもつまらなすぎてどうしようかとおもったぞ、ケネス・ポワロ君。

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幻影の彼方

2022年12月31日 00時34分58秒 | 洋画2022年

 △幻影の彼方(Iluzja/Illusions)

 

 グダニスク寒そうだな~。

 運転するクルマのフロントガラスに森の枝葉やたくさんの梢が映り込んでる。魂の迷路をさまよってるみたいでかっこいい。ユタ州リッチフィールドにあるパンド(アスペンの森)の話が出る。世界最大の生命体だと。

 でも、そのあとは最後まで、母親アガタ・ブゼクの孤独と絶望しかない。

 娘のものともしれないボタンを拾い、いくつか集めても無駄なことで、夫は自殺ともいえるような脳卒中でなくなり、家にも辛くて帰れず、浜辺のホテルに泊まっても癒されず、いくつかのボタンを浜に埋めても、まだ諦めきれず、わたし以外に誰が探すの?と。つらいな、これは。

 合鍵を持ってきた娘の恋人なのかわからないけどとにかく同棲してる男がDVDを置いていき、それで一挙に展開する。浜の一角をいきなり掘り出し、死体を見つけるんだね。で、相談をもちかけてる署長マウゴジャタ・ハイェフスカ・クシシュトフィクが、こういう。死体を浜辺で犯行現場が頭の中に見えた。犯人まで。好い加減にしなさいよと署長は怒る。こんなの証言にならないわ。犯人にされたいの?そりゃそうだよね。

 さらに、特定した男は自白したけど、見つかった死体は娘じゃなかった。ラスト、死体は息子だったっていう母親が訪ねてきて感謝されるものの、自分の娘探しの日常は終わらない。うーん。

 ところで、音楽は印象的だった。

 ヴィヴァルディ:
・詩篇『主が建て給うのでなければ』 RV.608
・スターバト・マーテル RV.621
 マリー=ニコル・ルミュー(メゾ・ソプラノ)
 フィリップ・ジャルースキー(カウンター=テノール)
 アンサンブル・マテウス
 ジャン=クリストフ・スピノージ(指揮)

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THE BATMAN ザ・バットマン

2022年12月14日 22時55分22秒 | 洋画2022年

 ◎THE BATMAN ザ・バットマン(The Batman)

 

 なるほど、バットマンになって2年目なのね。

 日記もつけてたりして、かなり内向的な若年の蝙蝠男なのかとおもってたら、そうか、両親が殺されたときのトラウマから逃れられず、その犯人に復讐する怒りを、街を守ろうとする正義にすり替えてるのを、ポール・ダノに見破られちゃうっていう話なのね。

 正体がわかっちゃうかもしれないっていうどきどき感は初めてだったかもしれないけど、そうだねえ、神経質で親に対するコンプレックスを抱えて愛を乞おうとしているバットマン像ってのもありかもしれないね。ロバート・パティンソン、身体鍛えてきたな~。ゾーイ・クラヴィッツはもはやすっぴんとは程遠い色気むんむんのキャット・ウーマンになってたけど、まあ、あれだね、コリン・ファレルのペンギンとの対決も続編であるのね、たぶん。

 とどのつまりは、クリストファー・ノーラン版と比較してどうよって感じになっていくんだろうけど、ここまで内面的な暗さを抱えたものが無かった分、うん、いいかもしれないけど、拳法の修行をしたり、蝙蝠のトラウマを抱えることになった原因だのといった親切な部分はおもいきり切り落とされてるのはどうなんだろうって気にもなる。

 音楽は、マイケル・ジアッチーノよりもハンス・ジマーの方がいいかな。

 ただ、バットスーツをハロウィンのコスプレまがいのものに設定しないと滑稽になっちゃうっていうのは、それだけこの映画がリアルさを追及してるからで、バットマンに変身する前は普通のバイクに小汚い私服でいるっていうのもいいし、ウェイン・タワーの地下にある秘密基地へも地下鉄まがいの出入り口から行くっていうのはええ感じだ。 

 現代に調和していかなければならないバットマンのリアルさの追及っていう点では、よかった。

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その瞳に映るのは

2022年12月06日 23時42分46秒 | 洋画2022年

 ◇その瞳に映るのは(Skyggen i mit oje)

 

 カルタゴ作戦っていう英空軍によるコペンハーゲンのレジスタンス救出作戦があったことも知らなかったんだけど、これって救出っていうよりコペンハーゲン市内のナチスの司令部に対する空爆作戦といった方がいいんじゃないかっておもうんだけど、なるほど、筋立てはよくできてる。

 英空襲舞台が看護婦を運んでいるタクシーをまちがえて空襲してしまったとき、それをまのあたりにして失語症になってしまった少年が、疎開していった先のコペンハーゲンでまたもや誤爆に見舞われ、そのときの献身的な行動によって声をとりもどす物語が中心になりながらも、修道院でみずからの素肌を鞭打って神の存在を知ろうとする修道女がナチス直率の警察に志願していた若者の心を開かせつつも誤爆のせいで水に飲まれた生徒のために飛び込んでゆくっていう物語とが交錯して描かれてるんだけど、う~ん、だからどうなんだ、なにがいいたいんだ?って気にさせちゃうのは、ちょっとね。

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スイマーズ 希望を託して

2022年11月30日 16時21分22秒 | 洋画2022年

 ☆スイマーズ 希望を託して(The Swimmers)

 

 マナル・イッサ演じるユスラ・マルディニは、途中までシリアの代表として五輪に出場したいと望んでるのがやがて難民チームの代表となるのを誇りにおもうようになるんだけど、その決意よりもかなり早い段階で、すでに彼女は難民チームの代表になってるってことを行動で示してるんだよね。このあたりはよく練られてる上手な脚本だっておもうんだけど、現実はどうだったんだろう?

 まあそれはともかく、五輪に対する憧れは世界の選手たちには共通したものだと信じてるんだけど、でもどうなんだろう、なんだか、日本と世界とは見えない壁みたいなものってないのかな。運動の世界に、政治や経済を入れるなっていう忘れ去られてしまったような大義名分はちょっとおいといて、祖国が存続するかどうかっていう瀬戸際の、自分の家族がダマスカスのようないつなんどき内戦に巻き込まれてしまうかもしれないような、そんな状態に追い込まれて、レスポス島へ行くために、ゴムボードに人数が溢れちゃうからって姉とふたりで泳いで人数を減らすっていう離れ業までして、それでリオ五輪にまで至るっていう、もはや、これは五輪をめざしたっていうだけの映画じゃないよね。

 サリー・エル・ホサイニ、頑張って監督したね。

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テイクオーバー

2022年11月28日 23時52分31秒 | 洋画2022年

 ◇テイクオーバー(The Takeover)

 

 ホワイトハッカーのホリー・ブロートと最後に暴走するバスに乗り込んで跳ね橋の手前で止めようとするゲーザ・ワイズとがどうやって知り合ったのかわからないんだけど、初デートがやつの自宅で中華のデリバリーで春巻きをスープにつけて食べる小汚い喰い方を披露するっていう展開からして、あれこの映画は独創性がないのかなって心配してたら、やはり、そんな感じだった。

 でも、自動バスの顔認証はちょっとよかった。中国政府とがちに描かれてるのが凄いな~っておもうけど、たしかに顔認証ってのは恐ろしいな。顔認証を悪用されて、そこからすべての個人情報がひきだされて、預金も土地も証券も盗まれて、借金まみれのテロリストとかにされちゃう可能性もあるわけで。

 しかし、ホワイトハッカーとかいうんだあっておもっちゃったが、これは世界でも通用する言葉なのか?

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聖なる証

2022年11月27日 00時30分48秒 | 洋画2022年

 ◇聖なる証(The Wonder)

 

 横たわるキーラ・ロード・キャシディと山並みがぴったりと重なる。よく撮ったな~。床板の木目が浮き上がるくらい見事なセット。セットといえば、導入が現代のイギリスのスタジオだった。その一角に移動していって過去の時代の物語の始まりをワンカットで見せるんだけど、はたしてこのショットが必要だったのかどうか、わからない。

 けど、なんだ、食べてんじゃん。母親がキスして口移しで。あまりにも拍子抜けする信仰の正体。衰弱しても元気だわね。ま、だから、これが『ミッド・サマー』をひきずるっていうのかしらね。両方とも、フローレンス・ピューが主役だってことはまるで気づかなかったけど。

 子供の靴下を一緒に燃やす。フローレンス・ピューは、かつての夫との間に出来た子を失っていて、それにひきずられてきてるから、なおさら、少女キーラ・ロード・キャシディが気に掛かり、彼女が死んでしまったことにし、しかも失火によって亡骸も発見されなくなってしまったという過失にして済ませ、自分と出会った地元の新聞記者トム・バークに託し、やがて三人して村を出、あらたな天地をめざして船出していく。でも、これはつまり、うがった見方をすれば、神さまが子供を失ったフローレンス・ピューの純粋なおもいに対して、子を恵んでくれたのかもしれない。いや、そういうことか。

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再生の地

2022年11月09日 23時57分46秒 | 洋画2022年

 ◎再生の地(Land)

 

 なるほど、ロビン・ライトの監督&主演なのか。

 人生いろいろなんだけど、ともかく疲れ果てて、ワイオミング北西部の山奥にひとりで籠もって生きていこうとする。それはわかる。わかるんだけど、こんなところ3日で死ねるな。こんなに大変なおもいをすることないのに、よほど心が折れたんだねっておもいつつ観るしかないのはつらい。

 でも過酷な状況に自分を追い込んで生きようとするには、それだけの理由があるものだけども、人はひとりでは生きていけない。助けが要る。その助け次第では人生をやりなおすこともできるんだっていう、そういう映画だからね。

 で、スター・ウォーズのヨーダを知らん山男が登場する。妻子は死んでいる。自分も夫と子供を亡くしている。で、このふたりがどうかなるのかといえば、微妙なところでそうならず、友情で結ばれる。よくわかる構図だけど、死にかけるまでが長い。そのあと、結局、文明の利器がないと生きられないことが実感されちゃう。現実はそういうもんだ。まあ、素人といったらあかんけれど、素人の作品っていうだけで、この展開の単調さはなんとなくわかる。

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トロール

2022年11月05日 02時34分57秒 | 洋画2022年

 ◎トロール(Troll)

 

 ノルウェーの映画っていうだけで、なんだかわくわくしちゃうわ。

 途中で、トロールが現実にいるかどうかっていう話になったときに、キングコングやゴジラがひきあいにだされるんだけど、こりゃ、そのあたりの怪獣映画よりもおもしろいんじゃないかって気がしたけどな。

 たしかに、陽にあたると石になっちゃうっていう設定はオチとしてはわからないでもないけど、このトロールの親玉は、家族や仲間を殺されてるわけで、その骨をとりかえしに首相官邸の地下をめざしてるんだから、すべてひきとらせてやれば、戦う必要もなく山へ帰ってくれるんじゃないかっておもうんだけど、たとえ昔であっても人民の中止だった連中の悪事はさらしたくないってことだよね。

 だとしたら、トロールは浮かばれないぞ。

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