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滝の殺人事件

2024年09月03日 18時27分29秒 | 洋画2016年

 滝の殺人事件(Landkrimi Drachenjung frau)

 

 オーストリア映画か。ピンツガウ地方のミスコンテストの準ミスの15歳が滝壺で遺体で発見されるという出だしは悪くない。左手に三角の石を握りしめてるってもいいが、準ミスとはおもえないような身体を普通のワンピースが包んでるのは興醒めだな。つか、なんでいきなり刑事がぎっくり腰に?

 なるほど、運命的な展開なのね。おばあちゃんから不安げな電話があり、事件現場が故郷の滝で、しかも殺された娘の母親がむかしの彼女って…。つか、幼馴染の巡査が大麻吸ってるけど、合法なのか?

 ロケーションはいい。滝が村のとなりにあって教会の尖塔なみに大きく見える。こんな村、よく見つけたな。

 ピンツガウ伝説?

 滝壺に落ちた女が龍になるとかっていうんだけど、主人公が昔落とされた思い出もそうだが、なんも繋がらない。

 てゆーか、自殺かよ。 

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ヒトラーに屈しなかった国王

2023年10月31日 14時20分16秒 | 洋画2016年

 ◎ヒトラーに屈しなかった国王(原題:Kongens nei、英題:The King’s Choice)

 

 1940年4月11日、デンマークの戦い始まる。これにつづいてオスロにも危機が迫る。そうした中、ノルウェー国王ホーコン7世が上陸占領をしかけてきたナチスにどうやって立ち向かったかっていう題名どおりの映画で、まあそれに付随して描かれる市民たちがほとんど主役になるんだけど、でも、おもしろかった。なるほど、ノルウェーの立憲民主制ってのは近代になってからなのかあ。

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ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男

2023年03月26日 23時24分57秒 | 洋画2016年

 ◇ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男(Free State of Jones)

 

 南北戦争の時代、ミシシッピ州ジョーンズ郡に「ジョーンズ自由州」をつくった男の物語なんだけど、ふ~ん、こんなことがあったのねっていう感想がまず来る。それほど、日本人のぼくにとって南北戦争時のニュートン・ナイトという連邦保安官は遠い。ただ、奴隷解放だの異人種間結婚の自由だのを主張したのは、リンカーンよりも早いってことになるんだそうで、なるほど、そうだろうなって気はする。ただ、まあ、ニュートンの主張っていうか思想みたいなものは、父親から受け継いだもののようで、或る日、いきなり天の啓示を受けたように自由主義者になったってわけでもないみたいだけどね。

 まあ、とはいえ、アメリカの国内でも彼のことを知っているのは少ないのか、まるきりヒットしなかったらしい。

 

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マネーモンスター

2023年02月02日 00時56分18秒 | 洋画2016年

 ◎マネーモンスター(Money Monster)

 

 どこの世界も裏に悪い奴がいて、そいつのせいで自分は善良だと信じている庶民をどん底に叩き落として、その分儲けるってのはまあよくある話だ。それが、この映画では株の世界ってことになってる。

 財テクバラエティってのはいかにもアメリカ的で、そこで調子よく金儲けを語り、自分もまた儲けてながらも、いざとなれば正義感を迸らせちゃう司会者にジョージ・クルーニーはよく似合う。また、視聴率しか考えないけどでも時と場合には独断専行しちゃうプロデューサーにジュリア・ロバーツもよく似合う。

 結局、いつもふたりが演じてる役割なんだけど、この映画を監督したのがジョディ・フォスターだったってことがちょいと驚きだ。

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LION ライオン 25年目のただいま

2023年02月01日 00時41分15秒 | 洋画2016年

 ☆LION ライオン 25年目のただいま

 

 石運びをして息子ふたりを育ててる母親とはぐれてしまった弟が、年間8万人も行方不明になるインド人の少年のひとりになって浮浪児になるんだけど、オーストリア人の里親ニコール・キッドマンとデビッド・ウェナムに拾われ、育てられ、ルーニー・マーラーを恋人にしちゃったりして、そりゃまあかなり幸せな青年になるのは、それだけでも奇蹟だ。

 でも、びっくりするような奇蹟はそのあとにやってくる。成長したデーヴ・パテールがなにをするかといえば、おぼろげな記憶を頼りにGoogle earthで行方不明になった地点と自宅を割り出し、母親に再会することだ。

 この奇蹟には、泣いたなあ。

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修道士は沈黙する

2023年01月06日 23時53分40秒 | 洋画2016年

 ◇修道士は沈黙する(Le confessioni)

 

 なんだかわざわざ難しくしてるような気がする。

 つかなるほど、G8(Group of Eight)か。もうロシアが入ることはないんだろうなあっていう話はともかく、このG8が行われたドイツのハイリゲンダムがそのまま舞台になってるんだけど、なんていうか、要するに先進国の財務相が好き勝手な悪だくみをして貧乏な国への援助はやめちゃおうぜみたいなことを話し、さらに女がいればやっちゃおうぜみたいな野郎が財務大臣だったりして、そのあたりはともかく茶化した喜劇なんだけど、このG8の内容もよくわからないし、ビニール袋をかぶって自殺した国際通貨基金の専務理事ダニエル・オートゥイユがわざわざ特別聴取人に修道士を選んで告解する意味がどこにあったんだろう?

 ていうか、告解を受けた修道士トニ・セルビッロはなんであんなに喋っちゃうんだろう?

 監督のロベルト・アンド―はいったいなにがいいたかったんだろう?

 わかるようでよくわからないところで、修道士が沈黙するというのはあくまでも第三者に徹して、自分の意見はなにもいわず、最後の最後まで見守るだけの部外者であるべきはずが、最後には演説までかますってのはどうよ?って感じだ。そもそも修道士である意味もなく、別に坊さんでもよかったわけで、それをいえば秘密を保持しなければならない偉い人たちの合宿でもいいわけで、要するに権力をもった連中も実は金とセックスには目がなくて、ちょっとだけ良心を持ってる人間は絵本作家だったり歌手だったり宗教者だったりするんだよねっていう、もう、ちょっと古い典型的な設定の物語だったかな。

 ただ、撮影は好かった。

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新感染 ファイナル・エクスプレス

2022年12月02日 21時21分43秒 | 洋画2016年

 ◇新感染 ファイナル・エクスプレス(부산행 釜山行)

 

 新感染って、まさか新幹線と掛けてる?だとしたら、邦題、ダサ過ぎないか?

 冒頭、父コン・ユと娘キム・スアンの説明が長いんじゃないかって感じるけど、KTXが発車してからは調子よく展開していくし、チョン・ユミ(鄭裕美)の地味な感じがほっとさせてくれるね。それにしても、人海戦術の凄さには舌を巻くわ。CGの多用もあるっておもうんだけど、いやまあ、そこらじゅうで餓鬼の人間ピラミッドが崩れたり、団子状態で機関車にひっぱられたり、人間の圧でガラスが割れて飛び出してくるのは数え切れない。すごいな~この物量は。

 それにしても、韓国のおばはんも飴玉もっとんねんな。

 なるほど、トンネルの中で、生存者かどうか視認できずに機関銃を向けたときに、アロハ・オエか。なるほどね。

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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦

2022年11月29日 01時26分07秒 | 洋画2016年

 ◇ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(Anthropoid)

 

 1970年代の映画か?とおもっちゃうような邦題なんだけど、内容とはまるでそぐわない。

 ただまあ、前半ていうか、エンスラポイド作戦ことSSのラインハルト・ハイドリヒの銃撃暗殺未遂事件にいたるまではそれなりに緊張感もあり、スリリングな展開だったから楽しめた。口がいつもなんとなく開いてるキリアン・マーフィもそれなりにまじな感じがしていいし、シャルロット・ルボンも綺麗で貞淑な雰囲気が醸されてて悪くない。最初はジェイミー・ドーナンが主役なんじゃないかって気がしたけど、やっぱりそうじゃなかったんだね。

 まあ、そんなことより、後半がいけない。エンスラポイド作戦(類人猿作戦)を実行した「暁の七人」は聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂で最後の銃撃戦に入るんだけど、どうも余分なものにしかおもえない。歴史的な重要な立て籠もりで、そこへいたるまでのさまざまな死が描きたいというものわからないではないけれども、人間ドラマにするんであれば、ハイドリヒのベンチを襲うところまでで充分な気がするんだけどなあ。

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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

2022年10月29日 17時15分37秒 | 洋画2016年

 ◇ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(Fantastic Beasts and Where to Find Them)

 

 いやあ、魔法使いのシリーズはハリーポッターだけでいい感じがする。

 まあそれをさておいても、なんでこの作品に入り込めないのかっておもえば、エディ・レッドメインは好い役者だとおもうんだけど、その分、現実味がありすぎてファンタジー向きな気がしないのかもしれない。ただ、それよりも、彼の眼を通して魔法の世界に入っていかなければいけないはずが、すでに完成された魔法の世界があって、その物語の途中から観ているような錯覚を受けるからだ。キャサリン・ウォーターストンとアリソン・スドルも綺麗なんだけど、いまひとつその役に、闇祓いだとか、レジリメンスだとか、なんだかいきなり難しくなるしね。

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インフェルノ

2022年10月27日 00時15分00秒 | 洋画2016年

 ◇インフェルノ(Inferno)

 

 なんだか、大量殺人化学兵器の名前がインフェルノとかいう使い方はちょっと安易なこじつけなんじゃないのっておもったりする。フェリシティ・ジョーンズの医師だの、アナ・ウラルの殺し屋だのと並んでいるだけで、どうもむりやりなこじつけの果てに、イスタンブールのバシリカ・シスタンの地下貯水池にいたるんだけど、フィレンツェの病院からイスタンブールっていうのはちょっと近いな。

 やっぱり『ダヴィンチ・コード』のような面白さはないね。

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リベンジ・リスト

2022年10月09日 15時08分00秒 | 洋画2016年

 △リベンジ・リスト(I Am Wrath)

 

 観終わって、観たかどうかすらわからなくなるほど、ありきたりな物語なんだけど、ちょっとだけほかの物語とちがうところは、偶然かつ衝動的にチンピラに殺されたかとおもっていた妻レベッカ・デモーネイが、実は水質汚染の調査で判明した事実を葬り去らせるために殺されたんだとわかったとき、州知事に対して戦いを挑むっていう背景があったことくらいなんだけど、でも、その戦いぶりがどうにも単なる殺し合いに見えちゃうところがつらい。

 ジョン・トラボルタは、なんかこういうB級活劇をやらされるんだよね。なんだかなあ。原題の『I Am Wrath』は「我は怒りなり」という旧約聖書のエレミヤ書にある一節らしいんだけど、これもまたなんだかとってつけたような感じがして、こういう一文を使うんなら、もっとトラボルタを敬虔な人間に持っていっとかないとね。娘役のアマンダ・シュルは美人だったけど、彼女が孫を連れてる。ああ、トラボルタもそんな年なのね。

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ノクターナル・アニマルズ

2022年10月08日 15時18分55秒 | 洋画2016年

 ◇ノクターナル・アニマルズ(Nocturnal Animals)

 

 なるほど、過去から送られてきた心の叫びっていうか復讐心の塊をどうやって受け留めるのかって話なのね。元夫の未発表原稿、アートデザイナーの現在の自分、元夫との別れる原因になった過去の事件とが絡まり合って展開するんだけど、それはそれでわかりやすい。でも、原稿は夫の心情、過去の思い出は妻の心情、そして現在は妻の目から見た現実ってわけで、どこに真実があるのかはわからない。まあ『羅生門』のような世界ではあるんだけど。

 そうか、冒頭の気持ち悪いデブの裸踊りは見たくないけど観てしまうものの現実の映像なわけか。

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マリアンヌ

2022年08月22日 22時03分15秒 | 洋画2016年

 ◇マリアンヌ(Allied)

 

 いやなんていうか、どんでん返しがあるんじゃないかっておもってたんだけど、なんの意外性もなくマリアンヌことマリオン・コティヤールはナチスのスパイになってて、それも子供が生まれたことで足を洗おうとしたところへ子供がマリオン・ベイリーに人質にとられて、あげくのはてはブラッド・ピットがふたりして逃げようとかって腕っこきの英国軍の諜報将校が口にするはずもないような台詞のまま逃げ出して、でも逃げ切れずに、マリオン・コティヤールが拳銃で自殺しちゃうとかっていう、あまりにも予定調和な結末とかありか?

 結局のところ、脅されてスパイ行為を続けてたって裏話になってるわけだけれども、もうすこし上手な展開は考えられなかったんだろうか?

 
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笑う故郷

2022年08月20日 22時34分13秒 | 洋画2016年

 ◇笑う故郷(El ciudadano ilustre)

 

 やる気のない邦題としかおもえないけど、東京国際映画祭では「名誉市民」だったらしく、まあどっちもどっちだけどさ、ともかく、この世には嗤うべき故郷があるのはたしかで、たいがいみずから去った故郷はたとえ錦を飾ったところで嫌気が差す。そんなもんだよ。

 オスカル・マルティネスの皮肉と嫌味たっぷりな演説くらいしか印象に残るところはないんだけどね。

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マダムのおかしな晩餐会

2022年08月13日 01時55分50秒 | 洋画2016年

 △マダムのおかしな晩餐会(Madame)

 

 結局、こうした下品なのか皮肉なのか微妙なところの喜劇には、気分を乗せていこうという気持ちがないと鼻で嗤ってしまうことになる。ことにロッシ・デ・パルマの印象的な顔と演技に気が乗らないとむつかしい。ハーベイ・カイテルやトニ・コレットにはなんの違和感もないし、こんなもんだろうなって感じだけど。

 とにかく、そもそものパーティに出席するのが13人だから14番目の客をメイドから用意すればいいじゃんっていう発想に乗れるかどうかってことで、ここでつまづいてしまうと、そのあとの下品なジョークやメイドだったと知らずに発展する恋愛劇や主人夫妻の思惑などが空回りしちゃうんだよね。

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