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☆=☆☆☆☆☆
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◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

傷だらけの栄光

2022年11月15日 22時42分01秒 | 洋画1951~1960年

 ◇傷だらけの栄光(Somebody Up There Likes Me)

 

 まあ『ロッキー』と『あしたのジョー』の原点ってことで。

 ちなみにこの映画が公開されたのは1956年、日活で石原裕次郎の『勝利者』が公開されたのはその翌年の1957年。ほほお。くわえて『あしたのジョー』が始まったのは1967年。なるほど。丹下段平じゃなくて三橋達也が石原裕次郎に夢を託すっていう構図は、いったい誰の発想だったんだろう?

 ロッキー・グラジアーノ(ロッコ・バルベラ)を演じたポール・ニューマンの相手役の白木葉子じゃなくてピア・アンジェリは綺麗で上品で、なるほど、このあたりも原点なのねって感じはあったかな。

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マイヤーリング

2022年07月16日 17時55分34秒 | 洋画1951~1960年

 ◇マイヤーリング(Mayerling)

 

 なるほど『うたかたの恋』なのね。

 ってそんなことはどうでもよくって、もしかしたら、これは奇蹟的な映画なんじゃないってことだ。これ、テレビ映画なんだけど、1957年当時はテレビドラマは生放送だったようで、この75分の映画にしては決して長くない尺でも一気に衣裳もセットも変えて舞台のように一発本番なんてことをしたってこと自体が、奇蹟以外のなにものでもない。

 オードリー・ヘップバーン(ヘプバーンっていう呼び方はどうもね)もたいしたもんだなっておもうけど、これは、撮影する方も必死だったろうなあ。

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ハリーの災難

2022年06月09日 02時02分13秒 | 洋画1951~1960年

 ◇ハリーの災難(The Trouble with Harry)

 

 インディ・ジョーンズの格好はここからか~。しかしつまらんな。手塚治虫はこの映画を気に入ってたみたいで、マンガのコマにも構図を引用して被害者の靴の裏に「The Trouble with Harry」とかって落書きをしてたような憶えがあるんだけど、あの時代はこれでよかったのかもしれないね。

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情婦

2022年06月08日 01時59分08秒 | 洋画1951~1960年

 ◇情婦(Witness for the Prosecution)

 

 弁護士チャールズ・ロートンがマレーネ・デートリッヒをしてまるで日本の特攻隊のようだというんだが、英国ではジャパニーズ・スーイサイド・パイレーツていうんだね。

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鉄道員

2022年05月23日 22時51分39秒 | 洋画1951~1960年

 ◎鉄道員(Il Ferroviere)

 

 いいのか。子供に葡萄酒を呑ませて。

 ていうか、そうか、父親は50歳か…。あまりの厳格さに家族からも見放されて、娘の不倫の後始末にお金が必要になって、仲間を裏切るようにストを無視して機関車を走らせて、それで孤立して、酒場を転々として飲んだくれて、それを幼い息子が探し歩いて、それでもう体がぼろぼろになってて、クリスマスの夜に死んでいくんか。50歳で。暗い映画だったなあ。

 でも、この映画、なんべん観たんだろ?

 うちのステレオの中に、そう、日本ビクターのセパレートの蓋をあけると16回転や72回転の設定のつまみがあるやつ、その中に、この『鉄道員』と『ブーベの恋人』と『刑事』と『禁じられた遊び』のサントラを入れたやつがあった。台詞つきで、もう擦り切れるくらい聴いた。エドアルド・ネヴォラとピエトロ・ジェルミのやりとりは、いまも耳にこびりついてる。

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昼下がりの情事

2022年03月24日 17時33分33秒 | 洋画1951~1960年

 ◇昼下がりの情事(Love in the Afternoon)

 

 は~。探偵の娘の冒険初恋物語ね。ま、いいんじゃないかしら。

 とはいえ、どうもオードリー・ヘプバーンとゲイリー・クーパーの共演で胸をときめかせたのはいったい誰だったんだろう?

 いつもおもうことなんだけど、このふたりの共演はやっぱり中年のおじさんの胸をかきむしったんじゃないかっておもうんだよな~。つことは、ヘプバーンのファンって、やっぱり、ケーリー・グラントもそうだけど、なんとなくもてないおっさんが主流だったんだろうかっておもったりもする。でも、なぜか、当時はうらわかい女性たちも夢中になったりしてたみたいで、ということは、社会的におっさんとお嬢ちゃんっていう組み合わせはかなり市民権を得ていたってことなんだろうか?

 ま、そんなどうでもいい呟きはさておき、ビリー・ワイルダーの奥さんが出演してるとはおもわなかったし、しかもその名前がオードリーっていうのも知らなかった。ほう、って感じだわ。

 ちなみに、

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2022年03月11日 22時52分34秒 | 洋画1951~1960年

 ◇道(La Strada)

 

 夢も希望もない。

 不愉快な映画だけど、そうおもわせる作り方はさすがに上手い。天才だね、フェリーニは。

 しかし、不愉快きわまりない。ジェルソミーナを死なせてしまうザンパノは大嫌いだ。

 どうでもいい話ながら、ジュリエッタ・マシーナを見てるといつも乙羽信子をおもいだす。

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泥棒成金

2022年01月29日 21時46分42秒 | 洋画1951~1960年

 ◇泥棒成金

 

 なんていうか、ケーリー・グラントとグレース・ケリーの車がリヴィエラの九十九折れの道をゆくのを見てると、どうしても彼女の事故が頭をよぎる。同時『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』も浮かんでくる。そんなことをつらつらおもっちゃうくらいな内容なんだけど、かつての「猫」ことケーリー・グラントが逃げ去ってゆくバスのいちばんうしろで仏頂面をしてるヒッチコックがいちばん印象に残るっていうふしぎな映画なんだよね。

 実際、物語の内容はまるきり忘れちゃってても、バスに乗ってるヒッチコックを目にとめると「あ、これ、観たわ」とおもいだす。すごい仕掛けだなって感心するんだけど、さすがにそこまで計算してカメオ出演してるわけじゃないんだろうけどね。

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悪い種子

2021年09月25日 17時39分56秒 | 洋画1951~1960年
◇悪い種子



なにがあかんかったかって、子役のパティ・マコーマックがやけに大人びた顔をし過ぎてて、ちっとも可愛くないことだ。可憐な顔の女の子が恐ろしいことをおもいつき、それをそのまま引き起こしてるんじゃないかってのがミソなのに、これはちょっとな。

それと、ブロードウェイの脚本そのままなのか映画的な興奮がないのも辛い。マービン・ルロイはどうしてもっと自由自在な場面設定に変えなかったんだろ?

まあ母親ナンシー・ケリーの自分の遺伝子のために、わが子が窃盗と殺人をしでかす異常者として生まれ育ってしまったんじゃないかって悩み苦しむのが主題だから家の中だけですべてが展開する舞台劇のままでもいいんだって開き直ったのかもしれないけど、やっぱりつらいな。

好かったのは舞台でもアパートの清掃員役をやってたヘンリー・ジョーンズで、思慮と学歴は足りないけど小ずるい行動と悪だくみをいかにもしそうで、死んだ男の子をぶったたいた靴が焼却炉にあるとかまをかけて、ほんとに見つけちゃうっていう、なんともちょっと出過ぎたことをしでかしたために火をつけられる羽目になるっていう役回りを好演してた。

まあ、こういう子供にも天罰がふりかかるかどうかは疑問だが、結末はつけようがないかもしれないよね。
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麗しのサブリナ

2021年08月18日 17時05分13秒 | 洋画1951~1960年
◇麗しのサブリナ



そりゃまあ玉の輿に乗りたいってのは東西の別なく共通の願い事なのかもしれないけど、ハンフリー・ボガードとウィリアム・ホールデンが兄弟っていう、すごい違和感のある厳ついふたりのおしゃれな喜劇ってはなんだかな~ておもうけど、ま、いいか。

それにしても、シャンパンのグラスにオリーブの瓶、まったく、ビリー・ワイルダーは小道具を上手に使うわ。

しかし、なんでなんだろ、オードリー・ヘプバーンはかなりの確率で年上の中年と恋に落ちる。たぶん映画好きはみんな自明のことなんだろうけど、ぼくはかなりあとまで気づかすにいた。

それともうひとつ、ヘプバーンは多くの物語で、処女じゃないってことだ。この作品や『ローマの休日』は珍しいかもしれない。

まあそれはさておき、ハンフリー・ボガードは渋いことは渋いんだけど、あいかわらず顔が大きくてちんちくりんだ。これで格好いい男の代名詞みたいにされてた時代があったんだから、いやほんと、時代はうつりかわるな。
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私は告白する

2021年07月31日 01時29分00秒 | 洋画1951~1960年

 ◎私は告白する

 
 
 なんてまあ贅沢なセットだこと。当時はこんなに作り放題のセットだったんだろうかっておもうわ。教会もセットなんだろうけど、それはともかく、冒頭、directionの標識につられて巡っていく無人の町並みがなんともかっちりしててモノクロームの良さにひたれる。
 
 モンゴメリー・クリフトとアン・バクスターの顔のきれいさはさておき、なんか似てる気がするのは、昔の恋人同士っていう設定のせいなんだろか。
 
 なんつうか、前にこの時代の映画を観たときにもおもったんだけど、こういうメロドラマの筋立ては、ほんと、日本の作家たちを刺激したんだろね。
 
 心の中ではとうに不倫してる男と女が嵐のせいで一夜をともにしちゃったとき、それが肉体関係はなかったにせよ、隠しておかないといけないってことから誰にもいえずにいたことが、やがて起こった殺人事件のアリバイを証明するときの障害になるってのは、まあ、洋の東西を問わず、使いやすい設定なんだろね。
 
 しかしなんとも単純な話ながら見せるなあ。さすが、ヒッチコック。物語ってのは、鑑賞する側が登場人物のあほさ加減にじれったくなったり腹立たしくなったりしないと駄目なんだよって教えてくれてるような気がしたわ。
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間違えられた男

2021年06月25日 13時40分58秒 | 洋画1951~1960年

 ◎間違えられた男

 

 出だし、工藤栄一のような逆光でヒッチコックが登場して、本当の話だと前置きする。とぼけた顔を見せないのがいいよね。

 それはさておきベラ・マイルズ綺麗だな。親不知を抜くのに借金しないとっていう肝心の話のときに、人間の歯と顎の進化の話にもっていって、ベラの美しさがその進化の結晶だといってまぐあいに入る巧さといったらない。筋立ての全部がここにあるじゃんね。

 で、ヘンリー・フォンダはベース奏者なんだけど、全編にわたってベースが流れる。不気味な感じで効果的だ。気が利いてる。

 たしかに1956年作だからのんびりした展開ではあるんだけど、ついつい見入っちゃうのは演出の巧さだね。

 うまさといえば、ヘンリー・フォンダの静かな慌てぶりがうまい。ベラ・マイルズもそうだけど、おさえた感情の演技は観ていて気持ちがいい。邦画だったら叫びまくって焦りまくって怒鳴りまくって感情むきだしで、だんだん鬱陶しくなって嫌気がさしてくる。

 もうひとつ、カメラワークだけど、保釈されるときに、カメラは通路から監視窓越しに撮ってて、ヘンリー・フォンダが名前を呼ばれてふりかえるやすうっと引く。すると小さな窓のフレームが画面いっぱいになって、そこへフォンダの目が迫り、声の聞こえた方を見るんだけど、このとき両目はクローズアップになる。さすがに、うまいな。

 カメラワークはもうひとつへ~っておもうことがある。当時はよくある演出なのかもしれないけど、ヘンリー・フォンダが家に帰ってきたとき、玄関に入るのをカメラは追って中に入るんだけど、このとき、フォンダはドアを開けて中に入り、開けたドアを閉める演技だけする。そうしないとワンカットで撮れないからね。でもこの演技が自然なんだなあ。

 で、ベラ・マイルズがノイローゼになっていく過程もちょっとしたことを積み重ねていくんだけど、ここも抑えられてて好感が持てる。ふた晩眠れずにフォンダを待ってるところが、なるほどとおもうのは、彼女が寝間着に着替えてないのと、でもベッドメイキングだけはちゃんとしてあるってことだ。細かいな、演出が。

 ただまあ当時のアメリカの暮らしはわかんないけど、ベース奏者ってみんなこんな良い暮らしをしてるんだろうか?親不知を抜くお金を借りないといけないのに、なんだか高級そうな町家に住んでるように見えるのは僕だけなんだろうか?

 

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北北西に進路を取れ

2021年06月11日 12時29分22秒 | 洋画1951~1960年

 ◎北北西に進路を取れ

 

 意表を突く出だしとはこのことで、最初のカット、緑の地に黒の線が引かれ始めるんだけど、あら、なんか三点透視図法のパースラインみたいじゃん、とかおもって、その線に沿ってケーリー・グラントだのエバ・マリー・セイントだのといった名前が続き、in ALFRED HITCHCOCK 'S NORTH BY NORTH WEST がクレジットされたとおもったら、どんぴしゃり、ビルの画にオーバーラップしてその窓にクレジットが続けられた。おお~って悦に入るよね、これは。

 しかも、のっけから、路線バスのカットが無意味に置かれてるなとおもったら、駆け込んできた乗客が無情に閉められるドアに立ち往生するんだけど、これがヒッチコックだ。やられちゃうよね。

 ちなみにあまりにも有名になってしまった場面、インディアナポリスからパスで行った41番プレーリーストップだが、よくここ探したな~。けど、銃撃と農薬で狙ってきたセスナが、タンクローリーに激突して炎上したとき、駆けつけた冷蔵庫の運搬車を盗んで逃げるていうのは感心しないな。どうも米国人はそう緊急避難を認めるところがあるんだよね。

 それにしても小学校の時に初めて見て以来、何度観たかも覚えてないけど、見るたびにおもしろくなってくるのは、ほんとにたいしたもんだなあ。

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ライムライト

2021年03月28日 18時33分49秒 | 洋画1951~1960年

 ◇ライムライト

 懐かしい。チャップリンが最後に舞台から転げ落ちて太鼓に嵌まっちゃうところだけ覚えてた。クレア・ブルームはこれが映画デビューだったんだね。上品な顔立ちと演技だ。バレリーナだった彼女をチャップリンが抜擢したのはよくわかるな。けどまあチャップリンも白塗りを落としたときにじっと鏡に映った自分を見つめるんだけど、そうね、つらいね。バスター・キートンを出演させてるのも、おなじ意味でつらいね。時代の趨勢を感じさせる映画だね。

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禁断の惑星

2021年03月12日 13時52分27秒 | 洋画1951~1960年

 ◇禁断の惑星

 懐かしい。昔、テレビで何度も観た。イドの怪物のことがわかるようなわからないような感覚だった。イディアとエゴイズムから来てるんだろうけど。でものんびりした映画だったんだね。『宇宙家族ロビンソン』や『宇宙大作戦』の原形なんだね。そういえばこのロビーのおもちゃ持ってたな~。アン・フランスシス、お人形さんみたいに可愛らしいけど、妙にセクシーだな。超ミニの衣装もすべての場面でちがうし、アンダースコートは絶対見えないように撮影されてるのは当時の自主規制の徹底ぶりだね。

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