◎劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年 日本 109分)
英題 Puella Magi Madoka Magica the Movie Part II: The Eternal Story
staff 総監督/新房昭之 監督/宮本幸裕
脚本/虚淵玄 キャラクター原案/蒼樹うめ
キャラクター・デザイン/岸田隆宏 谷口淳一郎
総作画監督/谷口淳一郎 山村洋貴 撮影監督/江藤慎一郎
美術監督/内藤健 美術設定/大原盛仁 異空間設計/劇団イヌカレー
音響監督/鶴岡陽太 色彩設計/日比野仁 滝沢いづみ
音楽/梶浦由記 主題歌/ClariS Kalafina
cast 悠木碧 斎藤千和 水橋かおり 喜多村英梨 野中藍 加藤英美里
◎その魂を代価にして、君は何を願う?
いったい、
このアニメーションの対象年齢がいくつに設定されてるのかわからないけど、
あまりにもアバンギャルドな戦場と背景と展開を、
どれくらいの観客が愉しんでるんだろうって、ちょっと心配したりもする。
ま、そんな心配は無用なんだろうけど、
キュゥべえの設定はいちおう異星人とはなってるんだけど、
ぼくなんかの感覚的には悪魔に近い。
もっとも『サイボーグ009・天使篇』では、天使も異星人なんだから、
そのあたりの境目はどうでもいいのかもしれないね。
ただ、前半でも魔女の実体が明瞭には見えなかったように、
最強の魔女“ワルプルギスの夜”はやはり明瞭には見えてこない。
でも、実体のともなわないような敵に見えるがゆえに、
魔法少女たちの苦しみに焦点が当てられている、ように感じられる。
ほむらが時間旅行者となって、
永遠の輪廻にみずからを閉じ籠もらせているという展開はとっても好きだし、
ここまでまどかを魔法少女にせずに引っ張ってきた意味もようやく理解できた。
なんたって、ヒロインの少女が最後の最後まで魔法少女にならないなんてのは、
おそらく、この作品が最初だろう。
ただ、まどかの願いによって、魔法少女が魔女化しなくなるのは、
いちおうの解決策にはなるんだろうけど、
それでも人間が呪怨を抱える生き物である以上、
彼女らを呪縛している戦いは失われることはないっていう結論は、残酷だ。
まあ、それがダーク・ファンタジーの宿命なんだろうけど。
いや、堪能しました。