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ゴジラ対メガロ

2014年09月04日 16時34分24秒 | 邦画1971~1980年

 △ゴジラ対メガロ(1973年 日本 82分)

 英題 Godzilla vs. Megalon

 staff 原作/関沢新一 監督・脚本/福田純 撮影/逢沢譲

    美術/本多好文 特殊技術/中野昭慶 音楽/眞鍋理一郎

    主題歌/子門真人

        『ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ』『メガロをやっつけろ』

 cast 佐々木勝彦 林ゆたか 森幹太 富田浩太郎 大月ウルフ 川瀬裕之 中島元

 

 △特撮とボク、その46

 いくらなんでも伊吹吾郎っていう役名はないだろうに。

 伊吹吾郎は、

 1966年に第7期生東宝ニューフェイスとなって、東宝俳優養成所に入ってる。

 1968年にはフリーになって、テレビドラマ『さむらい』でデビューした。

 さらには、1969年、ぼくも読んでたさいとうたかをの劇画『無用ノ介』のテレビ化で、

 堂々の主役に抜擢されてる。

 つまり、1973年の時点ではテレビや映画に活躍してるわけで、

 それとおんなじ役名が東宝の35ミリ映画の主役に使われるなんて、ちょいと考えられない。

 それだけ、砧の地は、世間と隔絶してたってことなんだろか?

 そうかもしれない。

 特撮映画というだけでなく、この時代は邦画の全体が時代遅れになってた。

 映画会社や撮影所そのものが弛緩した状態に追い込まれてた。

 斜陽化のせいだとみんなが口をそろえるけど、はたしてそうなんだろうか?

 まあ、そのあたりの分析はおいといて、

 団塊の世代に幼稚園児を観客に想定したような映画作りは、

 そもそも無理があったんじゃないかしら?

 というより、

 観客層を下げざるを得なかったことが、もはや末期的な症状だったんじゃないかと。

 カブト虫の化け物メガロがどうして海底王国の怪獣なのかも理解ができないし、

 正義の怪獣ゴジラを迎えに行くのが役目のようなジェットジャガーって、

 いったいなんなのかわかないどころか、

 ウルトラマンの造形を忘れちゃったの?と聞きたくなるようなデザインだし、

 レムリア大陸だの、シートピア海底人だのといった名称については、

 言及するのも疲れちゃいそうになる。

 かつて、

 たとえば、因習深い東北の地において婆羅陀魏山神を創り上げ、

 なんといっても、小笠原諸島大戸島の呉爾羅大明神を創り上げた東宝が、

 どうして、20年後にメガロを作ってしまうのかが、ぼくにはまるでわからない。

 やっぱり、円谷英二の死と渡辺明の引退が、大きく影を落としてるんだろうか?

 ともかく、ヒロインすら出てこない映画ってあるのかしらと、

 ぼくにとっては、苦行のような鑑賞だったわ。

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