Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

ホテル・ムンバイ

2022年05月31日 23時30分04秒 | 洋画2018年

 ☆ホテル・ムンバイ(Hotel Mumbai)

 

 2008年11月26日、インド・ムンバイのタージマハル・ホテルが同時多発テロの標的とされたってのはまるきり忘れてた。まったく世界の情勢に疎いっていうか、孤島に住んでるぼくとしてはなんか取り残されてるんだろうかって気になるけど、でも、そんな反省はちょっとおいといて、いや、おもしろかった。なんの未練も躊躇もなく殺される。テロっていうのはそういうものなのかっていう、目の据わった沈着冷静さが恐ろしくなるわ。

 主役のデーヴ・パテールは若いのに製作総指揮まで兼ねてて、なんかすごいやつだなっておもったら、あ、そうか『スラムドッグ$ミリオネア』と『LION ライオン 〜25年目のただいま〜』の主役か。育ちの好さそうな優しい顔立ちと物腰が印象的だな。この先も伸びていくんだろうなあ。

 ただ、注目すべきはナザニン・ボニアディで、いやあ、美人だね。だけでなく、ものすごい知的な印象を受けるなっておもってたら、やっぱり、そうだった。医学だけでなく人権問題までいろいろと発言して行動してる。なるほど、それで、この映画にも出演してきたわけか。

 なんだか、映画を観終わってから、あれこれ納得するんだけど、いや、タージマハル・ホテル、全面的に協力してるし、行きたくなっちゃったじゃん。

 

コメント

ダーティハリー5

2022年05月30日 23時57分36秒 | 洋画1981~1990年

 ◇ダーティハリー5(The Dead Pool)

 

 二度目なのに、観終わってすぐにほとんど忘れた。ジム・キャリーがぱっと薬殺され、ニーアム・リーソンはずっと狙われる。ラストは、クリント・イーストウッドがエイハブ船長のように銛を撃ち放つんだけど、模型の車に狙われるカーチェイスはちょっと長いぞ。あ、ちなみに監督はバディ・ヴァン・ホーン。イーストウッドかとおもってたらちがってたわ。

コメント

JSA

2022年05月29日 00時03分42秒 | 洋画2000年

 ◎JSA

 

 JSAってのは大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事境界線上にある地域のことで、つまり板門店だね。ただまあ、架空の物語とはいえ、国境の壁というのは、こういう人情劇を生むものなんだな~。なんとなく時代を感じるけど、上手に作ってあったわ。監督のパク・チャヌクは苦労人らしいんだけど、手慣れた感じはした。

 ヒロインのイ・ヨンエは、綺麗だね。

コメント

日の名残り

2022年05月28日 21時50分30秒 | 洋画1993年

 ☆日の名残り(The Remains of the Day)

 

 不器用な恋だ。

 20世紀前半の忍ぶ恋が美徳とされた時代に完璧であろうとするが故に無理に恋を否定しようとする執事と、自分の恋を整理できずに悶える女中頭とのまだるこしくじれったい関係は、たいがい、悲恋に終わる。でも、そこに自己陶酔にもにた酩酊と満足があれば、その恋はよい思い出として残っていくんだね。

 (以上、2012年7月の感想)

 いい邦題だなあ。

 ジェームズ・アイヴォリーのいかにも文芸調の落ち着いた色調と展開は、この恋愛すら堪えきってしまう滅私奉公の主人公アンソニー・ホプキンスによく合ってる。ま、上品さで恋心すら押し隠してしまうエマ・トンプソンもいいんだけど、左右非対称の館もいいし、なんといってもリチャード・ロビンズの音楽がいい。堅苦しく時に単調に過ぎてしまいそうな導入部を見せるのは、軽やかながらも悲劇を予感させるようなこの音楽だ。

 (以上、2022年5月の感想)

 

コメント

ナイロビの蜂

2022年05月27日 21時58分34秒 | 洋画2005年

 ☆ナイロビの蜂(The Constant Gardener)

 

 ふしぎなくらい、ものすごくこの映画が好きだ。すべてをおぼえてるわけではないんだけど、なんか魅かれる。といっても、ジョン・ル・カレの小説を読んだわけでもないし、これから先も読むことはないだろうから、たぶん、筋立てに魅かれてるわけではないんだろう。もちろん、レイチェル・ワイズはぼくのダントツご贔屓の女優なんだけど、まあそれしかないだろうなあとおもいつつも、この重層的な作りがいいんだなあ。しかし蜂の一刺しはわからないでもないけど、自分の命のひきかえってのはぼくにはおもいつかない。

コメント

レベッカ

2022年05月26日 00時11分35秒 | 洋画1891~1940年

 ◎レベッカ(Rebecca)

 

 きわめて古典的な物語で、どこの世界にも移し替えることができそうだ。

 へ~っておもったのは、この原作者のダフニ・デュ・モーリエは『鳥』の原作者でもあることで、なるほど、こういう巻き込まれ型で女性が主人公になるヒッチコックの物語は彼女の発想なのかって。

 ところで、ジョーン・フォンテインは東京の港区に生まれてて、対米戦の前夜に帰国してる。軽井沢にも避暑に訪れたらしく、なんとなく親しみをもっちゃうのは、ほんと、ぼくがおひとよしの日本人だってことなんだろうな。

コメント

ドクター・ストレンジ

2022年05月25日 22時05分19秒 | 洋画2016年

 ◇ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)

 

 ベネディクト・カンバーバッチ、レイチェル・マクアダムス、ティルダ・スウィントンと、ぼくの心の中を見抜いてんじゃないかっていうくらいご贔屓の役者が揃ってる。こうなると、なかなかマーベル物には腰が引けちゃうぼくとしても見ないと仕方なくなる。

 で、観た。

 時間が逆行していく中でのアクションと時が止まった中でのアクションはたいしたもんだな。時間を超越するのを絵で見せてくるのも、いやまじ感心したわ。おもしろかったよ。

コメント

クリスマスのその夜に

2022年05月24日 22時27分00秒 | 洋画2010年

 ☆クリスマスのその夜に(Hem till jul)

 

 命を救うことのリレーなんだね。コソボのスナイパーが鍵になってるんだけど、これはわかんなかった。まいった。修行が足りないね。救われる命があれば救われない命もあって、信仰の違いや民族の違いで孤立したり、惨めなおもいを味わわされたりする。ベント・ハーメル、うまいな。実にうまい。

コメント

鉄道員

2022年05月23日 22時51分39秒 | 洋画1951~1960年

 ◎鉄道員(Il Ferroviere)

 

 いいのか。子供に葡萄酒を呑ませて。

 ていうか、そうか、父親は50歳か…。あまりの厳格さに家族からも見放されて、娘の不倫の後始末にお金が必要になって、仲間を裏切るようにストを無視して機関車を走らせて、それで孤立して、酒場を転々として飲んだくれて、それを幼い息子が探し歩いて、それでもう体がぼろぼろになってて、クリスマスの夜に死んでいくんか。50歳で。暗い映画だったなあ。

 でも、この映画、なんべん観たんだろ?

 うちのステレオの中に、そう、日本ビクターのセパレートの蓋をあけると16回転や72回転の設定のつまみがあるやつ、その中に、この『鉄道員』と『ブーベの恋人』と『刑事』と『禁じられた遊び』のサントラを入れたやつがあった。台詞つきで、もう擦り切れるくらい聴いた。エドアルド・ネヴォラとピエトロ・ジェルミのやりとりは、いまも耳にこびりついてる。

コメント

汚名

2022年05月22日 23時10分17秒 | 洋画1941~1950年

 ◇汚名(Notorious)

 

 けど、この映画が1946年に出来上がってるのには驚く。

 というのも、この映画のモデルにはなることは決してないアドルフ・アイヒマンがブエノスアイレスで連行されるのは1950年のことで、その瞬間まで、アイヒマンの逃亡先は世界の誰も知らないし、実際、1946年の段階ではアイヒマンはまだドイツにいた。けど、アイヒマンの潜伏が発覚するのはその息子が当地のユダヤ人の娘と交際したことが原因とされるんだけど、このユダヤ人の娘は背後があるんじゃないかとすらおもえるほど鮮やかな発覚で、そういうことをおもえば、この映画の設定は未来を予見していたような、そんなふしぎな気分にすらなる。

 とはいえ、イングリッド・バーグマンはスウェーデン生まれの完璧な北欧系の女性だから、全然ちがうんだけどね。

コメント

SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁

2022年05月21日 22時44分44秒 | 洋画2016年

 ◎SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁(Sherlock : The Abominable Bride)

 

 このシリーズのどこが気に入っていたかといえば、やっぱり現代にビクトリア朝の設定そのままのシャーロック・ホームズが登場したことで、それが妙な時代錯誤のおもしろさを生んでいたんだけれども、それがコナン・ドイルの描いた時代そのままになっちゃうと、これまでのホームズ物となんら変わらないような印象を受けたのは否めない。もちろん、撮り方は斬新だし、テレビシリーズの人物設定(ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットたちのことね)はそのまま活かされてるからいいんだけど、ふりかえってみるとなんだか仮装大会だったような気がしないでもない。

 自殺したはずの花嫁が蘇って人を殺すというトリックは実におもしろく、どうしてドイルが語られざる事件のままにしていたのかはわからないんだけれども、なるほど、花嫁によく似た女性を探してきて彼女を自殺させて、自分は殺人を成就させてから自殺するというのはたしかに斬新ではあるものの、ここで素朴な疑問が浮かぶ。わざわざそこまでするだけの理由はなかったんじゃないかしら?

 あ、そうそう、特攻ってスーイサイド・ミッションていうのね。なるほど。

コメント

アイガー・サンクション

2022年05月19日 23時58分19秒 | 洋画1971~1980年

 ◇アイガー・サンクション(The Eiger Sanction)

 

 初めて観たときもおもったことだけど、なんでわざわざアイガーに登らないといけないんだろう?

 だって、犯人は足の悪い男でアイガーの登山隊のひとりになっているっていう情報を入手したんなら、アイガーの登山口で張り込んでればいいだけの話で、そいつを捕まえるためにアイガーに登るっていう発想はなんとも不合理じゃない?

 とはいえ、クリント・イーストウッド、頑張ったね~。よく登ってるし、よく撮ってるわ。

 ヴォネッタ・マギーは知的な印象があっていいね。

コメント

エイリアン2

2022年05月18日 00時13分33秒 | 洋画1981~1990年

 ☆エイリアン2(Aliens)

 

 いまさらこの映画のことを書き留めたところで仕方がないんだけど、すごいな、やっぱり。

 でも、リプリーはなんでニュートは生きてると確信したんだろう?

 ほかの登場人物はエイリアンに襲われたらそこ場で殺されちゃってるじゃんね。やっぱり少女でも寄生できるのかな。繭に入れられちゃうのは、女だったら年齢は関係ないのかな。けど、つうことは彼女の身体の中にはエイリアンが種付けされちゃってるっていうことにならないのかな?

 そんなことをおもいながら、シガニー・ウィーバーの「カマ~ン!」を聴き、マイケル・ビーンとランス・ヘンリクセンの戦いぶりを堪能したのであります。

コメント

テルマ

2022年05月17日 00時57分20秒 | 洋画2018年

 ◎テルマ(Thelma)

 

 いやまいったな、これは。

 最初『キャリー』の亜流みたいなものかなっておもったんだけど、う~ん、展開と人物設定を観てると『鏡の中の私』とよく似てる。結局、マインド・ホラーってのは、少女がおかしくなってくると、とりあえず、医者に相談して、脳波やら脳髄やら心因性やらを疑い、ひとつひとつの原因を排除していくしかないんだろうけど、こうした物語の展開は『エクソシスト』以来、まるで変わらないってことだね。

 それに、この監督のヨアキム・トリアー自身、気がついてないんだろうけど。

 でもまあ、ノルウェーの陰鬱な雰囲気と異常な少女のいらなくなったものを時空の彼方に排除してしまうっていう能力とが奇妙に合ってて好い感じに仕上がってる。エイリ・ハーボーとカヤ・ウィルキンスのレズビアンな関係もまったく違和感なく入れられてる。このあたりは上手いね。ただ、彼女の異常なちからが顕現するときの諸条件があるようなないような微妙な感じがするね。カラスが窓に激突して自殺するのはどういう意味なんだろう?彼女のちからなのか、それとも別なものに引かれるのか、あるいは攻撃性が煽られるのか、わからない。謎は謎のまま解けずにいるんだけど、それはそれでいいのかもね。

 ともかく、幼児から思春期にかけての少女の異常な能力の発露が実は遺伝で、そのちからを秘めていた祖母が幽閉されたままでいるっていう中途半端な部分はどうするんだって気もするけど。

コメント

リヴァプール、最後の恋

2022年05月16日 00時18分31秒 | 洋画2017年

 ◎リヴァプール、最後の恋(Film Stars Don't Die in Liverpool)

 

 グロリア・グレアムの4人の夫は、すべて20以上も年下で、4番目の夫アンソニー・レイは、2番目の夫ニコラス・レイの連れ子らしい。てことは、相当な年下好みってことになり、ファザー・コンプレックスの逆さかっておもったりするんだけど、なんかあったんだろうね。映画の中でも、バネッサ・レッドグレーブが、アネット・ベニングに面と向かってそういうと、アネット・ベニングは異常なくらいに怒る。映画ではここまでしか描かれないけど、そういうわけで、この映画の語り部の大部屋俳優も20以上の年下なんだね。

 ま、そんなことより、時間と場所が目まぐるしく行ったり来たり移動したりするんだけど、何処でもドアみたいに移動することが多い。つなぎやすいんだろうね。しかし、アネット・ベニング、いつまでも綺麗だなあ。カルフォルニア・ドリーミングが2度ばかりバラード調に掛かる。悪くないぞ。

コメント