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ゴジラvsビオランテ

2014年09月11日 11時57分25秒 | 邦画1981~1990年

 ◇ゴジラvsビオランテ(1989年 日本 105分)

 英題 Godzilla vs. Biollante

 staff 原案/小林晋一郎 脚本・監督/大森一樹 特技監督/川北紘一 撮影/加藤雄大 美術/育野重一 特撮美術/大澤哲三 ビオランテ・デザイン/米谷佳晃、松原裕志、横山宏、西川伸司、大澤哲三 音楽/すぎやまこういち 編曲/デビッド・ハウエル ゴジラ・テーマ曲/伊福部昭

 cast 田中好子 小高恵美 沢口靖子 久我美子 鈴木京香 松川裕美 相楽晴子 斉藤由貴 伊倉一恵 三田村邦彦 高嶋政伸 上田耕一 豊原功補 永島敏行 峰岸徹 金田龍之介 高橋幸治 デーモン小暮

 

 ◇特撮とボク、その53

 1984年に復活を遂げたゴジラがどうして5年間も製作されなかったのかわからないけど、ともかく、この作品は数あるゴジラシリーズの中ではヘドラと並んで異色だ。ヘドラは半分子供騙しなところがあって、やけにサイケデリックだったりした分だけ損をしてるけど、こちらはそうじゃない。恵まれてる。なにがどう恵まれてるのかは長くなるからやめとくけど、ともかくもゴジラ映画はいついかなるときも愛されてる。

 で、ヴェルレーヌの詩『秋の日のヴィオロン』から取られたっていうビオランテなんだけど、まあ、原案者がそういってるんだから「ああ、そうなんだ~」としかいえないけど、封切られたときから「バイオロジカルな怪獣だからやっぱりバイオロジーから取ってバイオランテっていうんだろな~」と固く信じてたもんだから、命名の理由を知ったときには「あらら」とおもってしまった。

 ま、それはおいといて。

 米国のバイオメジャーだのサラジア共和国だのといった連中のG細胞争奪戦がちょっとばかりめんどくさいのと、開発された抗核エネルギーバクテリア (ANEB) がゴジラの体内の核物質を食べるバクテリアでこれを打ち込めば斃すことができるかもしれないってのはいいんだけど、核兵器を無力化する兵器にもなるもんだから世界の軍事バランスを崩しちゃうかもしれないって話になってきて、またもやバイオメジャーが動き出してうんぬんってな展開になるともうまだるこしくてたまらなくなる。そこへもってスーパーX2だの精神開発センターの超能力少女だのって、ああ、もうそういう枝葉を広げるようなことはしないでよってな話になってくる。

 どうしてビオランテとその周辺だけに集中できないんだろ?

 亡くした娘の細胞と薔薇とを融合させたものの、死ぬかもしれないのでさらにG細胞を融合させたら、とんでもない怪物が出来上がっちゃったんだけど、どーしようって話で充分なんだけどな~。

 ただ、この作品はかなりこれ以降のゴジラシリーズを方向づけてしまった観があって、子供たちをひっぱるためと東宝シンデレラを存続させるためっていう、なんだか下世話な理由が見え隠れする超能力をもった少女の登場と、メーサーだけで充分なのに次々に新開発される兵器の登場は、シンプルな怪獣映画を望んでいる者をげんなりさせたんじゃないかっておもうんだけど、それってぼくだけなんだろか?

 あ、とはいえ、上田耕一がゴジラの新シリーズの「顔」になるっていう方向づけは好いけどね。

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