☆スケアクロウ(1973年 アメリカ 113人)
原題/Scarecrow
監督/ジェリー・シャッツバーグ 音楽/フレッド・マイロー
出演/ジーン・ハックマン アル・パチーノ アイリーン・ブレナン
☆ピッツバーグ、往復切符だ
当時、ロードムービーは花盛りだった。それはやがて邦画にも波が来て、この映画のパロディも作られたりした。ぼくらはロードムービーといえば真っ先におもいうかべるのは『旅の重さ』なんだけど、衝撃を受けたといいきれるのはおそらくこの作品だろう。
ぼくはこの映画は2番館もならない3番館で観た。冒頭からして、ショックをうけた。からっ風の中にふたりがいて、その間をまるまった枯れ枝が転がっていく。なんでそんなものを観ただけで感動しちゃったのかわからないんだけど、ふたりが酒場のカウンターでどうにも意気投合するのがふしぎだった。
ジーン・ハックマンはどこからどう見ても武骨で、暴力的で、威張ってて、押しが強くて、もうなにからなにまでぼくの嫌いなタイプだったし、アル・パチーノは腕力がないから優しすぎるくらいに優しくて、気が弱くて、遠慮して、でも陽気にふるまって、ただその明るさが鼻についたりした。
つまりは、ぼくの目から見てもこのふたりは友達はいないんだろうな~って感じのふたりだった。だから意気投合したのかもしれないんだけど、それからはもう印象的なシーンが続いて、そのおかげでぼくは今でも何枚か重ね着したりするようになっちゃったんだけどそれはさておき、ラストのライオンの噴水でアル・パチーノが錯乱しちゃうまで、もう目は銀幕に釘付けになっちゃってた。おもしろかった。
影響を受けないやつはいなかったろう、たぶん。