Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

恋とスフレと娘とわたし

2013年04月09日 13時52分24秒 | 洋画2007年

 △恋とスフレと娘とわたし(2007年 アメリカ 102分)

 原題 Because I Said

 staff 監督/マイケル・レーマン 脚本/カレン・リー・ホプキンス、ジェシー・ネルソン

     撮影/ジュリオ・マカット 美術/シャロン・シーモア 音楽/デイヴィッド・キティ

 cast ダイアン・キートン マンディ・ムーア ガブリエル・マクト トム・エヴェレット・スコット

 

 △やっぱり甘いものが好き

 英語が喋れないのは困ったもので、原題の『Because I Said』ってのもよくわからん。

 勝手に意訳すれば『だから、いったでしょ』とか『ほら、ごらんなさい』って感じなのかな?

 邦画の場合、これをタイトルにするのは難しいよね。

 そんなことはいいんだけど、いかにもダイアン・キートンっぽいタイトルだ。

 ていうか、人物設定も筋立ても、いかにもダイアン・キートンだ。

 ぼくは、彼女がウディ・アレンとつきあってたときから、けっこう贔屓にしてる。

 コメディもシリアスもきちんとこなすし、うまい女優さんだな~とおもってきた。

 今回もそうで、

 スタイルもセンスもよくて、お菓子作りの腕は最高なのに、おせっかいで、口が悪く、

 過保護の塊で、実をいうと娘よりも自分がいつまでも恋をしていたい、

 っていう、なかなかいそうでいない還暦過ぎの母親を、あっけらかんと演じてる。

 下ネタ満載の母子の会話や露骨な冗句に、

 慣れてない人は辟易するかもしれないけど、

 いつまでも若くて、性に関して開放的な感じを出そうとしてるんだろね。

 この頃、ケーキでも、あまり甘くなくて軽い感じです、とかいうのがあるけど、

「ケーキってのは、甘いものを欲しいから食べるんじゃないのかい」

 とかいいたくなっちゃう。

 恋もケーキも、じょわじょわに甘い方がいいじゃん。

 甘いものが出てる映画だと、

 やっぱ『ショコラ』のチョコレートや『アメリ』のクリームブリュレだけど、

 この映画にある『スフレ』もまた象徴的に使われてる。

 結婚適齢期から外れてしまいそうな娘や、恋愛適齢期を過ぎてしまいそうな母親って、

 つまり、焼き上がってからどんどん時間が経ってる『スフレ』なんだよね、

 ヒッチコックの愛したスフレは、焼き立てがおいしくて、時間が経つとしぼんじゃう、

 つまり、恋もスフレもいちばん美味しいときに食べなくちゃいけない、

 かといって、自分の持ってるスフレはひとつだけじゃない、

 還暦すぎても恋のできるダイアン・キートンのように、がんがんスフレを作っていけば、

 人は、何度でも焼き立てのスフレのように美味しくなれるんだ、

 だから、結婚適齢期だの恋愛適齢期だの、

 そんなこと気にしてたら始まらない、

 スフレみたいに甘い恋なんてできないよ、

 てな話だと受け止めればいいんだろか?

コメント