◎ボディ・バンク(Extreme Measures)
追悼ジーン・ハックマン。
実に、おもしろかった。
脚本がよく練られてて、ひさしぶりに物語の展開に感心できる映画を観られたっていう感覚がある。
ヒュー・グラントは21世紀に優しさとトロさに磨きが掛かってしまって、こういう活劇には似合わなくなっちゃったけど、いやいや、なかなかやるじゃん。反対に、ジーン・ハックマンはこの頃から正義をごりおしする悪役の印象が強くなってきちゃうんだけど、まあ、そんなふたりが共演するっていうのも、うん、おもしろかったな。
伏線の張り方がうまく、ヒュー・グラントと恋愛関係にあるんじゃないか的な看護婦サラ・ジェシカ・パーカーも、FBIなのにジーン・ハックマンに操られてるデヴィッド・モースも、おなじくニューヨーク市警のビル・ナンも、家族の快復を願うあまりの悪の道っていう感じも良かったし、いやなんといっても、ヒュー・グラントが24時間だけ全身を麻痺させる麻酔に翻弄されて、身体がもとどおりになるなら「どんなことでもする」と本心を吐露してしまったときには「まじか?」とおもわせる演出は、さすが、マイケル・アプテッドだ。
この監督、経歴を見れば『アガサ 愛の失踪事件』がデビューなんだね。お、そうか!っておもっちゃったわ。