◎アンブレイカブル(Unbreakable)
よくできてる。列車事故で131名が死んでいるのに、たったひとり、ブルース・ウィリスだけが生きてるとかって、あ、監督もM・ナイト・シャラマンだし、これって『シックス・センス』の亜流なのかよって感じがかなり偏光レンズを通したような目で見てたんだけど、まったくそんなことはなくて、超人の話だった。超人っていっても、なんつーか、驚異的な直感に恵まれて、危険を回避できたり、身体に触れるだけでその人間の心の動きを察知できたりする、つまり常人ばなれした人間のことだ。なんとなく、ブルース・ウィリスにはよく似合ってた。
この超人を求めてるのが、アメリカン・コミックで超人を知ったサミュエル・L・ジャクソンなんだけど、このあたりの設定はいまひとつ納得しがたい。ていうのも、アメリカの漫画は勧善懲悪物で、そこに登場する主人公は超人てことになってる。そこから発展して、この映画では「これは暗黙のうちに真実を封印した絵物語なのだ」っていう設定になってる。このあたりが、どうにも、日本の漫画で育ってる僕には、すぐに納得できない。だから、コミックをからませた設定がめんぐさくてなんとも嘘くさくおもえちゃう。本作の欠点としかおもえない。
でも、あとはよくできてて、ガラスの骨の「骨形成不全症」ていう悲劇を背負ったサミュエル・L・ジャクソンが超人を探し出すために事故を仕組んで大量殺人をしでかしたって話になっていくのはおもしろかったな。