◇死と処女(Death and the Maiden)
あれ?冒頭、シガニー・ウィーバーの袖無しのブラウスの下の黒いブラジャーが透けてたのに、ローストチキンをむしりとってワインをあけて胡座をかいて食べ始めてから、吹き降りのベランダに出るまでにブラジャーだけ外してる。雨に濡れて乳首が透けるところを撮りたかったのか、ほかに理由があるのか、どうせ洗面所でブラウスを脱いじゃって上半身は裸になっちゃうから意味ないような気がするんだけどなあ。
女はみんな陵辱されたのは知ってたでしょ?なぜ言わなかった?話すとわたしたちの間にあいつの影が入ってくる。そらそうだろ。14回も犯されたわ、とか、そんなことをのちの恋人には話せんだろ。
シューベルトの『死と処女』を強姦し続けた医者がかけ続けてて、その音楽が耳について離れなくなってるっていう設定からの題名なんだけど、なんだかなあ。緊張感はあるものの、どうにも舞台劇じみてて、復讐譚なら復讐譚らしくさっさと復讐してしまって、それが本人だったかどうかで葛藤するっていう設定もあったかもしれないし、主人公の優柔不断さが徐々に露呈していくにつれて興味が薄れてくのは如何ともしがたい。