◎ロング・エンゲージメント(Un long dimanche de fiançailles)
難しい。つまりは『ひまわり』の第一次大戦フランス版なんだけど、ジャン=ピエール・ジュネのコケティッシュな演出がときに煩わしく、物語に入り込めない。ただ、戦場のフラッシュ・バックのときに、画面まで挟み込んで説明しているところからすると、やっぱり演出側も難しいとおもったんだろう。
オドレイ・トトゥは『アメリ』からもわかるとおりだけど、マリオン・コティヤールやジュディ・フォスターが要所に出てて、なんとなくほっとするのはどうしてなんだろう?
なんにしても、5人のノロマな兵士が、フランス軍とドイツ軍の間に追い出されて処刑代わりになるビンゴ刑が今ひとつ要を成してないようで、ほかに筋立てはなかったんだろうかともおもえる。
両親が死んで叔父夫婦にひきとられて、小児麻痺で足を悪くして、運命の相手に巡り合った頃の、とくに燈台のシーンとかが秀逸な分、もうすこし凝縮した脚本はできなかったんだろうかと。断片的にはわかるんだけど、全体像がうまくつかみきれない。マリオン・コティヤールがギロチンされる佳境になってようやく見えてくる。
画像はすごい。1920年代のパリも郊外も戦場もみごとに再現されているし、爆裂してゆく塹壕もよく撮れてる。
けど、わかりにくいんだなあ。MMMの意味はわかるし、予定調和な最後もいいんだけど、素直に納得するにはマリオン・コティヤールのエピソードは要らないし、あれもこれもと入れ過ぎてる気がするね。