かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

渡辺松男の一首鑑賞 407

2017年04月26日 | 短歌一首鑑賞

  渡辺松男研究48(2017年4月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【睫はうごく】P163
     参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子
      司会と記録:鹿取 未放


407 コスモスのきいろき花粉風にとび突然にくる君の発熱

      (レポート)
 上句は実景でありながら下句のための序の働きをしていよう。嘴が黄色いと慣用句にあるように上句は」未熟さを伸していることを感じさせる。しかし「突然にくる君の発熱」とは何だろう。若さによくみられる熱にうかされたような精神状態や物言いをさしているのだろうか。(慧子)


     (当日発言)
★私は本当に熱が出たと読んでいたのですが。発熱が比喩だとするとあまり新鮮じゃないというか
通俗的ですよね。せっかく雪渓や銀河やきらきらした美しい空気感が出ていたのに「熱にうかさ
 れたような精神状態」だとそれが濁る気がします。本当の発熱だと唐突な感じは確かにするんだ
 けど、比喩とはとりたくない。(鹿取)


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