馬場あき子の外国詠 ⑥(2008年3月)
【阿弗利加 2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P170
参加者:KZ・I、KU・I、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、田村広志、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・H
司会とまとめ:鹿取 未放
54 痩せすぎて広すぎてされど大地讃(ほ)むるアフリカーナの歌の明るさ
(まとめ)
一首、書いてあるとおり素直に読める歌だと思う。アフリカの大地は痩せすぎているし、広すぎる。しかしその大地を讃める歌があり、アフリカーナが歌ってくれる。前向きで逞しいアフリカの人々が「大地讃むる」「歌の明るさ」に象徴されている。(鹿取)
(レポート)
旅のいずれかの夜に、アフリカの歌姫の歌を楽しまれたのだろう。作者には、アフリカの大地は広すぎて、またその地味がやせすぎていると思われるのだが、この歌姫は明るくおおらかにアフリカ賛歌を歌っている。いいのかな、これで。作者のとまどい、困惑をそのまま表現しているように思われる。アフリカに住んでいる人々にとっては、そこは愛すべき郷土である。どのような土地であっても、そこに生きる人々は、その地を愛している。どこにいても逞しく生きる人間を表している。(T・H)
(当日意見)
★どんなところにいても逞しく生きる人間の姿。きちんと見るべき所を見ている。(崎尾)
★作者もアフリカの人々の逞しさをよしとして受け入れているのだろう。だから、レポートの「い
いのかな、これで。作者のとまどい、困惑をそのまま表現しているように思われる。」は違うだ
ろう。(鹿取)
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