血液培養勉強会開催に向けて文献を読破中。この文献は、通常行われている血倍陽性シグナル時のグラム染色の緊急報告および最終的同定感受性報告の間に、感染症専門医による個々の患者の問題点の整理と適正な抗菌薬に関する推奨が文面か口頭で介入された場合の、影響について述べている。 結論として、本データは、重篤感染患者の転帰を改善する細菌学的情報の早期入手(最終報告が出る前)の重要性を強調している。 まとめ . . . 本文を読む
昨日の続き。理想的な血液培養の検査方法はいかなるものか。やや古い文献であるが、古くから推奨される2-3セットの血倍採取や7日間の培養が果たして良いのかどうか、現在よく頻用される自動化システムにおいて検討されている。 培養機器の進歩でほぼ培養日数は5日で十分であるが、抗菌薬使用の増加や真菌感染の増加といった近年の変化でむしろ1-2セットでは菌検出率は以前より減ってきており、基本は2セットではあるが、 . . . 本文を読む
血液培養の院内勉強会資料のためこの文献を読んだ。単に感染症の起炎菌を指し示すだけでなく、診断の見直しのヒントになったり、治療経過が順調かどうか、を指し示すこともできる。
まとめ
・血液から分離された菌の種レベルの正確な識別、感染の発生源および/または侵入門戸の識別は、これらの感染症の最適な管理のために重要
・血流感染症(血流感染)は、高い罹患率と死亡率に関連付け。米国でBSIに関連付けられて . . . 本文を読む
昨日のブログの続き。件の患者さんは血清Pが低く、尿中P排泄率が亢進しており、いよいよ近位尿細管障害とFanconi症候群を疑っている。尿中RBPは測ろうと思うが、HIVでは様々な腎障害を鑑別しないといけないし、腎生検も検討すべきなのかどうか、この文献を読んだ。 HIV患者で腎生検所見で頻度が多いのはHIVAN、高血圧性腎症、FSGS 、AINとのこと。AINは臨床所見だけだだめで腎生検で分かること . . . 本文を読む
HAART治療開始2年くらいのHIVの当科通院中の患者さんが、側胸部痛継続を訴え血清抗体検査などから“無皮疹性帯状疱疹”と診断し入院中です。昨年末からちょくちょく蛋白尿を認めていたのですが、最近尿糖も明らかとなり、使用しているTDFの腎毒性ではないかと、この文献を調べました。TDFの毒性ターゲットは近位尿細管であり、Cre値やeGFRより尿糖や尿蛋白、尿中リン酸排泄率、尿中レチノール結合タンパクな . . . 本文を読む
昨日のブログでも紹介しましたが、いま当科でcommon variable immunodeficiencyの方で、発熱をきたして入院しています。血倍で陽性シグナルは出ましたが、まだ培養で細菌は同定されていない段階ですが。 免疫グロブリン補充療法を始めたばかりで、今後用量をどう考えて行ったらいいのか、ということでこの文献を読みました。
大雑把にいうと、結論は免疫グロブリン補充療法は、みんな同じ目 . . . 本文を読む
もともと小児科通院で低ガンマグロブリン血症(Common variable immunodeficiency)の患者が当科外来紹介となり、この8月から免疫グロブリン補充療法を開始していた。この週末にこの患者さんが発熱をきたしたため入院しています。 この免疫不全症のおさらいでこの文献を読みました。体重が100kg超えていてグロブリン製剤の用量調節が難しい。
まとめ
・CVIDは最も一般的な原発 . . . 本文を読む
当科はリウマチ専門としてスタートして1年となり、内外で患者や職員向けの教育勉強会を催してきた。日本にはリウマチ財団の登録看護師はあるが当院はまだ専門看護師はいない。患者の社会的問題、心理的問題をサポートし、疾患教育度を上げることが疾患の良好なコントロールに繋がり、外来看護師の役割も大きいと思われる。この文献はEULARによる慢性炎症性疾患患者への看護師の役割に関するリコメンデーションである。 看護 . . . 本文を読む
当院でもICDによる血液培養陽性シグナル例(中間報告から)へのチェック、必要時介入を始めているが、外来で血倍採取後帰宅され、その後陽性とわかり慌てて連絡するケースも見られる。 この台湾からの報告は、救急部から帰宅して最適治療が遅れた場合、他の菌に比べ、黄色ブドウ球菌は悪い予後をもっているかもしれないとしている。 黄色ブドウ球菌菌血症は深在性膿瘍化や血管内感染を進展させ他の菌よりユニークな特徴を持つ . . . 本文を読む
現在、抗TNFα阻害剤でコントロールしていたRAの方の長期に続く不明熱で精査入院中。いろいろ考え、検査もしているが検査結果が得られず診断に苦慮。可能性として抗TNFα阻害剤に続発する発熱疾患として、薬剤性ループスや血管炎も考慮し、この文献を読んだ。 もし抗TNFα阻害剤投与中に 皮膚や神経症状などから血管炎を疑った場合、組織学的吟味、他の血管炎をきたしうる病態を除外、RAなど原疾患は低活動性であ . . . 本文を読む
抗菌薬の有害反応と薬剤相互作用に関するレビュー。論文をまとめる機会があったので、読んだ。おさらいといった内容が多いが、有害事象の誘因など参考になるところもあった。臨床的問題にあたった場合常に薬剤性も鑑別に上げる重要性は言うまでもないが、簡単に抗菌薬のせいにして(他の臨床的要因をあまり考慮せず)抗菌薬を変更し、最適な感染症治療から遠ざかったり、広域抗菌薬乱用につながるのも避けたいところ。
まとめ . . . 本文を読む
当院もMRSAに対する抗菌薬として、VCM、TEIC、LZDにDAPが加わったため、それぞれの適正使用や注意点などを整理し直そうと考えている。この文献から、VCM、LZD、DAPについて要約した。 重篤例ではVCMのトラフ測定は初日に行うのですね。最近の透析フィルターの進歩で昔ながらの投与法は見直す必要がありそう。 LZDの血小板減少はもっと多い印象。 VCMとDAPはアミノグリコシドと相乗効果が . . . 本文を読む
RA治療の主要学会のリコメンデーションとして2010年EULARと2012年ACRがある。診断から治療薬の選択と変遷について相当詳しいが、解釈にまだかなりの余地がある。文献で“私はこうしている”と具体的な意見があったので読んだ。 ここでお勧めしている治療法は、初期治療としてMTX+プレドニゾンを使用すること。また MTXへの応答を評価し、併用治療戦略へのステップアップを検討 . . . 本文を読む
ESBL産生大腸菌感染症の治療薬として、ß-lactam/ß-lactamase阻害剤(BLBLI)はカルバペネムの代わりとなるのか。
臨床的条件を揃えればピペラシリン/タゾバクタム(PTZ)は使えるかも(まず大腸菌で、非重症例、尿路感染や胆道感染のように菌量負荷が少なめ、MICが感受性領域、通常量より多い用量(4500mg/ 6時間毎)、地域としてCTX-M型優位でAmpC型はほとんどないこと . . . 本文を読む
先日ESBL産生菌の勉強会があったので、それを含めた耐性菌の抗菌薬治療のレビューを読んだ。 ESBL産生菌にβラクタマーゼ配合剤は効くのか? 緑膿菌治療に併用療法は必要か?など。
◆ESBL産生菌
・ESBL産生菌は(βラクタムだけでなく)他の系統の抗菌薬にも付随して耐性である傾向がある。ESBL産生の酵素をコードする遺伝子がフルオロキノロン、アミノグリコシド、及びトリメトプリム-スルフ . . . 本文を読む