前回に続きまして、帯状疱疹に関してです。今回は眼部帯状疱疹についてと、顔面帯状疱疹後の後頭神経痛についてです。発表症例は三叉神経第1枝領域の病変と結膜炎、動眼神経障害、帯状疱疹回復後の後頭部痛残存がありました。顔面の帯状疱疹をみたときは眼科チェックをすること、脳神経障害がないかみること、後頭神経痛がでるかもしれないこと、などがポイント。
まとめ
・水 . . . 本文を読む
前回に続きまして帯状疱疹感染症に関して。今回は帯状疱疹治療中の中枢神経症状出現時に鑑別として問題となる、アシクロビル関連脳症についてです。今回の地方会の発表例は背景として腎障害なく、また使用された用量もかなり少なめであり、CSF検査で異常あったことからこれは否定していました。そのときに文献研究してまとめていたものです。
まとめ
・結晶性腎症への二次的急性腎損傷は . . . 本文を読む
前回に続きまして、帯状疱疹感染症に関してです。発表の症例でも髄液検査にてVZV-DNA認めましたが、このウイルスによる中枢神経系感染についてまとめました。
以前のブログ記事: 帯状疱疹ウイルス髄液抗体検査、 帯状疱疹の中枢神経感染と髄液PCR検査、 も参考にしてください。
まとめ
・脳炎は、急性水痘(水痘、主に子どもたちに)または帯状疱疹感染症 . . . 本文を読む
先週末は津市で内科学会東海地方会でした。当科に初期研修にてローテしていました研修医先生も当科経験例を発表しました。HIVや移植といった強度の免疫抑制のない高齢の方での播種性帯状疱疹、中枢神経合併例で、発表準備のため一緒にいろいろ文献を調べました。 今回からその一部をブログにて紹介いたします。 まずは播種性VZVとそのリスク因子についてです。
(写真右下は 津の肉屋さんでその場であげてもらった松 . . . 本文を読む
関節リウマチ(RA)の初期診断評価においてリウマチ因子(RF)の測定は欠かせないものです。これが陽性で、多関節炎所見が診察上も画像上もあればかなりRAと診断できます。しかしRFを有力なRA診断根拠としてしまうと、少関節のみの経過で、骨破壊など進展もない症例では当初のRA診断がどうだったのか疑問がでてくることもあります。やはりRA診断は有力な類似疾患の鑑別除外が必要です。RA以外でRFが陽性となるよ . . . 本文を読む
血清のマトリックスメタロプロテイナーゼ3(MMP-3)の測定検査は、関節リウマチ診療においてよく実施されます。一般的には滑膜で産生される物質で滑膜炎の程度と相関するとされているので、リウマチ診断時における他の炎症性疾患との鑑別においてや、リウマチ治療中の疾患活動性の指標の炎症反応の一つとして用いられています。
関節リウマチの診療をやっていると、臨床的に活動性は収まっているようにみえ、CRPもそう . . . 本文を読む
数年来片方の足関節炎のみ継続している方で、整形外科から当科相談うけ関節リウマチも検討しているのですが、RFやACPA陰性で、他疾患の鑑別に関節滑膜の生検が行われ、中等度のリンパ形質細胞浸潤あり腫瘍性変化や肉芽種所見なし。免疫染色で IgG4+、IgG4/IgG = 60-70% とのことで、病態確認に再度当科に相談されました。早速血清IgG4値を測りましたが正常範囲でした。これらから何を . . . 本文を読む
先日浜松にて感染症レジデントマニュアル著者で有名な青木眞先生の結核についての講演会があり聞きにいきました。当科でも肺結核以外(肺は呼吸器科が見てくれています)は担当することがありますがそう数はないのでなかなか経験が積めません。診断治療に迷った自験例もお示しされ大変勉強になりました。 Atypical is typical を強調されていました。 CDCからCore Curriculumという勉強ツ . . . 本文を読む
当科にてHIV感染を診断後、腹腔内に腫瘍がみつかり悪性リンパ腫と診断がつき化学療法中ですが、好中球が下がったままなかなか回復しない、HIV感染との関連はどうかと血液内科より相談ありました。まだART開始後数カ月ですが、開始前は好中球数は極端に減っていなかったので化学療法の影響はあるとは思われましたが、もともとCD4も低くHIV-RNA量も多くHIV関連数値としては悪い状態でした。HIVといえばCD . . . 本文を読む