感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

感染症コンサルテーションプログラムの評価

2013-09-28 | 感染症
当院で感染症科が設立されて2年程度で、各科との診療相談や介入について悩むところである。血液培養全例チェックをして適宜介入しているが、各科側から要請されたコンサルトではないため、かなり気を遣う。 この文献はドイツでのIDコンサルテーション設立に伴う評価で、感染症科に相談があった例を検討している。それでも遵守率は70%程度というのは良い方なのだろうか。 約3割で相談医の診断を覆したというのもすごい。 . . . 本文を読む

リウマチ性の徴候を示す悪性疾患

2013-09-25 | 免疫
膠原病の一種である皮膚筋炎と悪性腫瘍との関連はよく知られたところであるが、リウマチ及び/又は筋骨格の症状を持ついくつかの腫瘍随伴症候群が知られている。関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症の診断場面では悪性腫瘍にも思いを巡らせる必要がある。ただどの癌がとりわけ多いかは分かっていないようだ。リウマチ性疾患を診断し治療始めても、何か典型的でない経過のときは、いつも悪性腫瘍を疑う必要がある。 まとめ . . . 本文を読む

複数菌による菌血症について

2013-09-24 | 感染症
当科では1年以上前から、当院血液培養陽性結果の全症例チェックをしているが、ときおり同じボトルからまたは複数本から複数菌が検出されることもある。複数菌種が絡むと感染部位診断やその解釈が難解になり、Empiric治療にも迷うことになる。昔は感染症の基礎の勉強で、1感染症には1病原菌、と教わったものだが、最近、polymicrobial bacteremiaの文献が目につくようになった。 ・台湾南 . . . 本文を読む

若年発症および高齢発症の関節リウマチの比較

2013-09-20 | リウマチ
当院は地域内での位置づけから比較的患者年齢が高いと思われるが、高齢発症の関節リウマチの早期診断においてPMRなど類縁疾患との鑑別に、そして治療導入において若年なみにやっていいのか、悩む点も多い。(→ リウマチ性多発筋痛症と高齢発症関節リウマチの区別) 同じ関節リウマチで、若年発症と高齢発症でどのように違うのか、レビューした文献があったので読んでみた。 なかなか複雑な解析で読み解くのに苦労 . . . 本文を読む

リウマチ性多発筋痛症におけるメトトレキサート

2013-09-19 | 免疫
一般的にリウマチ性多発筋痛症(PMR)はグルココルチコイドに劇的に反応するが、中には反応に乏しかったり、漸減中に再燃を繰り返し難渋する例に接することもある。漠然とこういったときはメトトレキサート(MTX)かなと考えていたが文献を調べてみた。 10-15mg/週のMTXはPMR患者において再発率を減少させ、グルココルチコイド療法の累積用量を抑える効果を持っているようだ。ただしその効果は遅発性でありM . . . 本文を読む

サルコイド指炎について

2013-09-18 | 免疫
現在、某医学雑誌のリウマチ特集号のためサルコイドーシスについて執筆中。サルコイドーシスの肺外病変とりわけ骨関節系の病変はあまり知られていないが、結構多いのかも知れない。指の腫れや痛みで当科外来来られる方も多いので、鑑別の一つとしてサルコイド指炎についてまとめてみました。 (→ サルコイドーシスのリウマチ性徴候 も) まとめ ・サルコイド骨病変はPerthes(1920)とJungl . . . 本文を読む

EB、サイトメガロ、単純ヘルペス各ウイルス抗体検査の交差反応

2013-09-11 | 感染症
肝臓内科よりご相談あり。 急性肝障害の回復期ながらアクセスのため当院紹介になった方。発熱、頸部リンパ節腫脹、脾腫あり。EBV VCA IgM/FA 20倍(基準10未満) 、CMV IgM/EIA 1.60単位(0.8未満)、単純ヘルペスV IgM/EIA 1.93%(0.80未満) との結果でした。特に基礎疾患はない若い方で伝染性単核球症の思わせるのですが。 EB、CMV、HSV1はいずれも . . . 本文を読む

ブログ開設1年!

2013-09-01 | 日記
本日でブログ開設1年が経ちました。 最初は毎日更新!と張り切っていましたが、なかなか毎日書くのは大変でした。 当科で話題となったことを調べて、文献など紹介する(自分へのメモの意味もありますが)という形で書いてきましたので、振り返りますと、各時期に思い出深い出来事があったな~と思い出されます。 当科は、独特な非定型的な疾患が多いので、常に調べて対応する連続でした。 でも、文献を読みあさる楽しさは . . . 本文を読む